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割安株の探し方は早く覚えるべし
割安株とは、その会社の利益や資産に対して株価が低くなっている銘柄のことで、「バリュー株」とも呼ばれています。
市場では企業の価値は長期的に見て正しく評価されるという理論に従って、利益や資産に対して過小評価されている割安株に投資する手法は「バリュー株投資」とも呼ばれます。
市場で株価が過少評価されている割安株は、利益や資産に対して適切な株価になるまで買われると考えられるためです。
なお、割安株ことバリュー株に対しては、成長株ことグロース株があります。
割安株投資では大きく売られている銘柄に投資する一方で、成長株投資では成長に合わせて大きく買われている銘柄に投資するという違いがあります。
投資用語で言えば、割安株投資は逆張り、成長株投資は順張りとなり、いずれも一長一短あるためどちらが良いとは一概には言えません。
割安株投資をする上で使われる指標としては、企業の収益力に対する株価の割安感を見る「PER」、企業の純資産に対する株価の割安感を見る「PBR」の2指標があります。
割安株の探し方
割安株を探す上で特に使われる指標やツールについて押さえておきましょう。
PERを見る
PER(株価収益率)は、企業の収益性の観点から、現在の株価について割安感・割高感を見るために使われる株価指標です。
PERを簡単に一言で言うと、「企業の稼ぐ力に対して、株価が割安になっているかどうかを数値で示したもの」となります。
PERは、「時価総額÷純利益」でも算出できますが、より算出しやすい「株価÷1株あたり純利益(EPS)」で算出することが一般的です。
参照:あおりんご
例として、株価が1,000円、1株あたり純利益(EPS)が70円の場合、PER=1,000円÷70円=14.28倍となります。
PERは、10~15倍以下であれば割安とされ、20倍以上なら割高と判断されることが一般的ですが、PERは業種によって平均が異なるため一概に言うことはできません。
PERを使う際の注意点としては、ただPERの数値だけを見て割安感・割高感を判断するのではなく、業種別の平均PERや同業種銘柄のPERと比較すること、PER推移を見る必要があることが挙げられます。
PER推移を確認せずに、単に現在のPERだけ見て投資してしまうと、暴落中の銘柄に投資してしまう、急騰中のハイリスク銘柄に投資してしまうなどの事態になってしまうことには注意が必要です。
PBRを見る
PBR(株価純資産倍率)は、企業の純資産の観点から、現在の株価について割安感・割高感を見るために使われる株価指標です。
PBRを簡単に一言で言うと、「企業の純資産に対して、株価が割安になっているかどうかを数値で示したもの」となります。
PBRは「時価総額÷純資産」でも算出できますが、計算のしやすさや指標の観点からすると「株価÷1株当たり純資産(BPS)」で算出することが一般的です。
参照:あおりんご
例として、株価が1,000円、1株あたり純資産(BPS)が700円なら、PBRは1,000円÷700円=1.42倍となります。
PBRは1倍のときに、株価が企業の解散価値と等しくなるため、PBRが1倍より高いなら割高株、PBRが1倍未満なら割安株と判断されます。
ただ、これはあくまで一般論であり、また業種によってPBRの水準は異なってくる点には注意が必要です。
PERと同様に、ただPBRの数値だけを見て割安感・割高感を判断するのではなく、業種別の平均PBRや同業種銘柄のPBRと比較した上で、PBR推移を見る必要があることには注意しておきましょう。
月足チャートを見る
PERとPBRは、いずれも計算式の分母に“株価”が入っているため、チャート分析は必要ないと思われがちですが、PER・PBRと合わせてチャート推移を見ておくことは重要です。
例えば、ある銘柄のPERが12倍だったとしても、PERが12倍以上から下がって12倍になったケースも、PERが割安だったものが上がって12倍までになったケースもあるためです。
株価の推移を確認せずに、単に現在のPER・PBRだけを見て投資してしまうと、暴落中の銘柄に投資してしまう、急騰中のハイリスク銘柄に投資してしまうといった事態に巻き込まれてしまうこともあります。
このようなPER・PBRへの過信は、株初心者に多いミスの一つです。
例として、2023年1月17日現在、最もPERが低い銘柄である【6195】ホープのPERは0.70倍となっています。
ただ、ホープの月足チャートを見てみると、2021年頃にはPER7~8倍だったものが、そこから10分の1となって現在のPER0.70倍までになってしまったことが分かります。
もしもPERだけを見て、「ホープのPERは7倍の割安だから買いだ!」と判断してしまっていたら、暴落に巻き込まれていたことになります。
PER・PBRとともに株価の月足チャートを見ておき、「ここまでの株価推移はどうなっているか?」「急騰や暴落していないかどうか?」をチェックしておくことが重要です。
初心者向けスクリーニング条件
割安株を探すための、初心者向けスクリーニング条件を見ていきましょう。
1.PER8倍以下、PBR0.5倍以下の銘柄を探す
まずは、PER・PBRから割安株を抽出していきます。
一般的には、PERは10~15倍以下で、PBRは1.0倍未満で割安株とされますが、より厳しい条件にすることで割安株を絞り込むことができます。
例えば、PER8倍以下、PBR0.5倍以下などです。
PER・PBRが低い銘柄を探す際には、「Yahoo!ファイナンス」の銘柄ランキングで、「低PER(会社予想)」「低PBR(実績)」を使うと効率的です。
割安株を探す上では、PER・PBRのどちらか一方だけ使うにしても、両方使うとしても、いずれでも構いません。
稼ぐ力のPERを重視するのか、資産性のPBRを重視するのか、両方なのかは、自分自身の投資基準から考えて選択しましょう。
2.業種別PER・PBRを確認する
PER・PBRから割安株の候補銘柄を抽出したら、次は候補銘柄1銘柄ずつについて、業種別PER・PBRと比較して確認しておくことをおすすめします。
PER・PBRは業種別に異なっているためです。
日本取引所では、各月末現在の規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)を発表しています。
直近の2022年12月で見てみると、東証プライム市場全体のPERは14.4倍となっていますが、銀行業のPERは8.3倍、医薬品のPERは37.0倍など、業種間のPERで大きな差があることが分かります。
PER・PBRで絞り込んだ候補銘柄が、業種別PER・PBRに比べても割安株と判断したら候補銘柄として残しておくようにしましょう。
3.月足チャートをチェック
月足チャートとは、株価の1ヶ月ごとのローソク足を示した株価チャートで、代表的な長期チャートとなります。
急騰後の暴落で大きく売られている場合などには、さらに大きく下落する可能性があるため、長期チャートの推移を見ておくことが重要です。
また、月足チャートの代わりに、PERやPBRの推移を見るというのもアリです。
マネックス証券で無料利用できる「日本株銘柄分析ツール マネックス銘柄スカウター」を使えば、PERやPBRの推移を確認することができます。
まとめ
今回は、割安株の探し方について、初心者向けスクリーニング条件を紹介してきました。
割安株を探すためには、まずはPER・PBRで割安感を調べることが一般的となります。
さらに、長期チャートの推移で株価動向をチェックして急騰銘柄を排除するなどのスクリーニング条件を付けることで、より精度を高く割安株を見つけられるようになる効果が期待できます。
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