1.モメンタムとは

モメンタムは、現在と過去のある時点の2時点の株価の変化を計算し、折れ線グラフで表したものです。株価の変化の勢い(強弱)や、反転の目安となる水準を把握するために活用されます。株価がその期間上昇トレンド(下落トレンド)にあれば、モメンタムはプラス(マイナス)にあり、2時点の価格の上昇(下落)幅が大きければ、モメンタムは上昇(下落)します。ゼロを境に、モメンタムがゼロを上回っている(下回っている)と上昇傾向と判定します。

モメンタムは以下のように定義されます。

当日の終値-n日前の終値  (n日:9~14日)  

執筆者

西村剛
西村剛

フェアトレード株式会社 代表取締役。機関投資家出身で統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-1グランドチャンピオン大会で+200.4%、2012年+160.1%、2013年157.0%を叩き出し三連覇達成。証券アナリスト検定会員。システムトレードを使った定量分析と、これまでファンドマネジャーとして培ったファンダメンタルズ分析を融合した新しい視点で株式市場を分析し、初心者でもわかりやすい言葉を使った解説に定評がある。


2.モメンタムの有効性

今回は一般的に言われている「当日の終値が10日前の終値を上回ったら買いで下回ったら売り」が果たして有効かどうか調べてみました。ルールの詳細は以下の通りです。

ⅰ.ルール詳細(モメンタムの有効性の検証)

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バックテストモード:標準モード

バックテスト期間:2000年1月1日から2019年12月31日

バックテスト対象の銘柄:日経平均採用銘柄

売買単位:金額固定(単位枚数を無視)

買いルール:0日前の終値が10日前の終値以上

⇒上記を満たした翌日に成行で買い

売りルール:0日前の終値が10日前の終値以下

⇒上記を満たした翌日に成行で売り

【買いルール詳細】

【売りルール詳細】

出所:システムトレードの達人 達人モード「ストラテジーの設定内容」画面

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ⅱ.検証結果(モメンタムの有効性の検証)

検証結果は以下の通りです。

運用資産の推移

出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面             

■バックテスト結果■

勝率: 39.21 %
勝ち数: 29,264 回
負け数: 45,377 回
引き分け数: 2,417 回
平均損益(円): 422 円   平均損益(率): 0.21 %
平均利益(円): 9,740 円   平均利益(率): 4.87 %
平均損失(円): -5,565 円   平均損失(率): -2.78 %
合計損益(円): 32,507,679 円   合計損益(率): 16,249.88 %
合計利益(円): 285,034,784 円   合計利益(率): 142,524.52 %
合計損失(円): -252,527,105 円   合計損失(率): -126,274.64 %
PF: 1.129
平均保持日数: 10.34 日

資産曲線が概ね右肩上がりの曲線となっており、それなりに有効なルールだと見て取れます。また、平均損益0.21%、PF1.129となっており、統計的にはやや有効な結果と言えるでしょう。

しかし勝率が39.21%と低く、必ずしも効果的な売買ルールであるとは言えません。

一般的にはモメンタムは、大きく変化した銘柄を探すのに有効な指標です。そのため小さな株価の変化には対応できません。

そこで、小さな変化に対応できるストキャスティクスをうまく活用することで、より有効な売買ルールを作れるかもしれません。

3.モメンタムの有効性を上げるには

ストキャスティクスを売買ルールに組み込んだ時の検証結果は以下の通りです。

ⅰ.ルール詳細(モメンタム・ストキャスティクスの有効性の検証)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

バックテストモード:標準モード

バックテスト期間:2000年1月1日から2019年12月31日

バックテスト対象の銘柄:日経平均採用銘柄

売買単位:金額固定(単位枚数を無視)

買いルール:0日前の終値が10日前の終値以上
      %K(9日)が20%以下
      %D(9,3日)が20%以下
      %Kラインが%Dラインを上抜け 

⇒上記を満たした翌日に成行で買い

売りルール:0日前の終値が10日前の終値以下
      %K(9日)が80%以上
      %D(9,3日)が80%以上
      %Kラインが%Dラインを下抜け  

⇒上記を満たした翌日に成行で売り

【買いルール詳細】

【売りルール詳細】

出所:システムトレードの達人 達人モード「ストラテジーの設定内容」画面

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ⅱ.検証結果(モメンタム・ストキャスティクスの有効性の検証)

検証結果は以下の通りです。

運用資産の推移

出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面             

■バックテスト結果■

勝率: 61.76 %
勝ち数: 147 回
負け数: 91 回
引き分け数: 0 回
平均損益(円): 148,355 円   平均損益(率): 74.18 %
平均利益(円): 273,883 円   平均利益(率): 136.94 %
平均損失(円): -54,421 円   平均損失(率): -27.21 %
合計損益(円): 35,308,508 円   合計損益(率): 17,654.27 %
合計利益(円): 40,260,854 円   合計利益(率): 20,130.46 %
合計損失(円): -4,952,346 円   合計損失(率): -2,476.20 %
PF: 8.130
平均保持日数: 2,415.32 日

4.まとめ モメンタムは有効?

資産曲線が概ね右肩上がりの曲線となっており、それなりに有効なルールだと見て取れます。また、勝率61.76%、平均損益74.18%、PF8.130となっており、統計的には有効な結果と言えるでしょう。

ストキャスティクスを売買ルールに組み込むことで、勝率・平均損益・PFすべてが大きく改善され、より有効なルールになりました。

なお、これはあくまで日経平均採用銘柄の傾向です。他の市場については、調べてみると別の傾向が得られるかもしれません。気になる方は、ぜひご自身でも検証してみてはいかがでしょうか。

<追伸>
コロナショックで相場が大きく動いている最中ですので、今の株価動向が気になる方も多いかと思います。
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