1.システムトレードとは

システムトレードとは、過去に「あるパターンが現れたときに売買していたら利益になった」
という実績を根拠に投資する手法です。言い換えれば統計上の優位性を利用して行なう投資手法だと言えます。

●下落相場でも利益を得たい!

●感情に左右されずに売買したい!

●統計的に有利な手法で売買したい!

このように考える投資家が増え、最近ではシステムトレードもブームになりつつあります。

またここ数年は相場環境が冷え切っているせいもあってか、システムトレードが密かにブームとなってきています。

システムトレードというのは、

「過去の相場において有効だった(儲かった)パターン」をルール化して、

 

その方法で売買することです。

ですから、実際には下げ相場に強い(強かった)方法や

上げ相場に強い方法など、色々なルールを組み合わせて

理想のシステムを作り上げることになるのです。

例えば、2000年~2020年まで売買を繰り返した場合に、

年単位で毎年負けた年がない投資法があったとすれば、

当然その方法は使う価値があると判断できるわけです。

システムトレードの魅力はなんといっても、

「過去のデータによる検証を行い、
有効性のある(儲かる)ことが証明されているルール」

を使って売買することができるというところにあります。

つまり、一旦有効に機能するルールを見つけてさえしまえば、

あとはその方法で淡々と機械的に売買を繰り返すだけで、

半永久的な利益をあげ続けることができることになるのです。

問題は、その「有効に機能する(儲かる)ルール」

どのように見つけていくかというところになってきます。

一番難しいのは、【どのように売買ルールを見つけるか】でしょう。

そこで今回は【システムトレード専用ソフト システムトレードの達人】を使ってどのように売買ルールを見つけ出すのかについてご説明します。

執筆者

西村剛
西村剛

フェアトレード株式会社 代表取締役。機関投資家出身で統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-1グランドチャンピオン大会で+200.4%、2012年+160.1%、2013年157.0%を叩き出し三連覇達成。証券アナリスト検定会員。システムトレードを使った定量分析と、これまでファンドマネジャーとして培ったファンダメンタルズ分析を融合した新しい視点で株式市場を分析し、初心者でもわかりやすい言葉を使った解説に定評がある。


2.システムトレード戦略例1

■注目戦略1:突然の暴落に備えた逆張り戦略

以下の2つの期間の日経平均株価の日足チャートを見てください。

日経平均株価(2016年8月~2017年1月チャート)

日経平均株価(2015年10月~2016年8月チャート)

株式市場の急落は年に1~2回起こっています。

今回はこの突然の暴落に備えた逆張り戦略を構築していきます。

そこでこのアイデアから実際に売買ルールを構築していきます。

まずは、買いのルールの設定です。

買いのルールでは以下の条件を定義付けます。

【買い(エントリー)ルール】

日経平均株価の終値が前日終値と比べて3.00%以上小さい

終値と移動平均(5日)の乖離率が―10.00%以下

終値と移動平均(25日)の乖離率が―25.00%以下

⇒上記を満たした場合に成行で買い付け

買いのルールには「日経平均株価の終値が前日終値と比べて3.00%以上小さい」、「終値と移動平均(5日)の乖離率が-10.0%以下」、「終値と移動平均(25日)の乖離率が-25.0%以下」を設定しました。これは日経平均株価が大きく下がったときに株価が大きく下落した銘柄を買い付けることが目的です。

次に売りルールの設定です。

売りの条件には以下の2つの条件を定義付けます。

 

【売りルール】


[利益確定を表す条件式]
含み益が10.00%以上

[期限切れを表す条件式]
エントリーした日から7日以上経過 

この2つは、ORで設定されています。よって、この2つの条件式のどちらかを満たした場合、手仕舞いします。「含み益が10.00%以上」は、「利益確定」が目的です。また、「エントリーした日から7日以上経過」は、「期限切れ」が目的です。これは、銘柄の保有日数が長期にならないように設定されています。売りルールが「含み益が10.00%以上」だけでは、この条件を満たさない場合、保有を継続してしまいます。特に、株価が下落したまま戻らない銘柄は、「含み益が10.00%以上」の条件を満たさずに、損失の幅が拡大し続ける傾向があります。これを回避するために、このような条件式を取り入れました。

売買ルールの条件が決まったので、まずは通常モード(資金管理がないモード)でバックテストを行います。

発注方法は買い、売りとも【シグナルの翌日に成行注文】で行います。

【買いルールの詳細】

【銘柄フィルターの設定】

【売りルールの詳細】

検証結果は以下の通りです。

  資産運用の推移

         出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面

■バックテスト結果■

勝率が81.09%、平均損益+9.26%、PFも5.037となっており、2000年以降のシミュレーションでは安定した利益を稼ぐことができています。

勝率: 81.09 %  
勝ち数: 6,428 回  
負け数: 1,499 回  
引き分け数: 175 回  
   
平均損益(円): 18,526 円  平均損益(率): 9.26 %
平均利益(円): 29,135 円  平均利益(率): 14.57 %
平均損失(円): -24,803 円  平均損失(率): -12.40 %
   
合計損益(円): 150,097,235 円 合計損益(率): 75,049.71 %
合計利益(円): 187,277,099円  合計利益(率): 93,639.98 %
合計損失(円): -37,179,864 円  合計損失(率): -18,590.27 %
   
PF: 5.037  
平均保持日数: 5.79 日  

3.システムトレード戦略例2

■注目戦略2:日経平均採用銘柄の急落を狙った逆張り戦略

次に日経平均採用銘柄の急落を狙った戦略を構築していきます。

以下はDOWAホールディングス(5714)の2016年8月~2017年1月のチャートです。

これを見ると、株価急落後すぐにリバウンドしていることが分かります。

大型株は急落後のリバウンドのペースが速いことが分かります。

これを活用してルールを構築していきましょう。

まずは、買いのルールの設定です。

買いのルールでは以下の条件を定義付けます。

【買い(エントリー)ルール】

日経平均採用銘柄の

終値が前日終値と比べて5.00%以上小さい

⇒上記を満たした銘柄をシグナル当日の終値―5.00%の指値で買い付け

買いのルールには「日経平均採用銘柄の終値が前日終値と比べて5.00%以上小さい」を設定しました。これは短期的に株価が大きく下落した銘柄を買い付けすることが目的で、日経平均採用銘柄の終値が前日終値と比べて5.00%以上小さいときに買い付けを行います。

また、今回は買いの発注方法をシグナル当日の終値―5.00%の指値注文に変更しました。

次に売りルールの設定です。

売りの条件には以下の2つの条件を定義付けます。

【売りルール】


[利益確定を表す条件式]
含み益が5.00%以上

[期限切れを表す条件式]
エントリーした日から7日以上経過 

この2つは、ORで設定されています。よって、この2つの条件式のどちらかを満たした場合、手仕舞いします。「含み益が5.00%以上」は、「利益確定」が目的です。また、「エントリーした日から7日以上経過」は、「期限切れ」が目的です。これは、銘柄の保有日数が長期にならないように設定されています。売りルールが「含み益が5.00%以上」だけでは、この条件を満たさない場合、保有を継続してしまいます。特に、株価が下落したまま戻らない銘柄は、「含み益が5.00%以上」の条件を満たさずに、損失の幅が拡大し続ける傾向があります。これを回避するために、このような条件式を取り入れました。

【買いルール詳細】

【売りルール詳細】

検証結果は以下の通りです。

資産運用の推移

         出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面

■バックテスト結果■

勝率: 69.04 %  
勝ち数: 2,114 回  
負け数: 948 回  
引き分け数: 20 回  
   
平均損益(円): 5,757 円  平均損益(率): 2.88 %
平均利益(円): 15,497 円  平均利益(率): 7.75 %
平均損失(円): -15,841 円  平均損失(率): -7.92 %
   
合計損益(円): 17,743,436 円  合計損益(率): 8,871.99 %
合計利益(円): 32,760,925 円  合計利益(率): 16,380.97 %
合計損失(円): -15,017,489 円  合計損失(率): -7,508.97 %
   
PF: 2.182  
平均保持日数: 6.05 日  


資産曲線が右肩上がりでそれなりに有効なルールだと見て取れます。

また、勝率69.04%、平均損益2.88%、PF2.182となっており、どの期間でも利益を着実に上げることができています。

以上で売買ルールの構築は終了です。

このようにチャートから特定のパターンを探し出し、条件を設定することで、自分で納得できる売買ルールを見つけ出すことができます。

是非この記事をお読みのあなたも試してみてはいかがでしょうか。

<追伸>
コロナショックで相場が大きく動いている最中ですので、今の株価動向が気になる方も多いかと思います。
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