「ストップ高銘柄の空売りは儲かるのか?」について詳しく分析してみました。
株のトレードをしていると、ストップ高している銘柄をよく見かけます。
ストップ高している銘柄を事前に保有していたらなぁ、、、といった願望を誰もが抱くことでしょう。
しかし、ストップ高している銘柄の株価を翌日以降も観察すると、翌日以降も大きく株価上昇している銘柄がある一方で、ストップ高した翌日は大きく売られる銘柄も散見されます。
ストップ高の翌日は買いか? (←こちらのストップ高の翌日についての記事で詳しく解説しております。)
ストップ高した銘柄に着目してトレードする場合、翌日以降の株価上昇を期待して買ったほうが良いのか、翌日以降の調整を期待して空売りしたほうが良いのか分かりません。
もし、疑問が解消できれば、ストップ高銘柄を活用して利益が期待できそうです。
そこで、今回は過去24年の株価のデータをもとに、「ストップ高銘柄の空売りは儲かるのか?」を分析してみました。
目次
1.ストップ高銘柄の空売りは儲かるのか?
今回は過去の株価のデータ22年分を使って、「ストップ高銘柄の空売りは儲かるのか?」という疑問を分析したいと思います。
今回は、終値がストップ高した銘柄を空売りし、5日(約1週間)保有したら、手仕舞いした場合について分析します。
また、ストップ高した銘柄を、当日の売買代金が「10億円以下」「10億円以上50億円以下」「50億円以上」の3つのパターンに分けて、それぞれ空売りを行った場合の分析を行います。
売買代金に応じてパターン分けした理由は、大型株、中型株、小型株で傾向が異なる可能性があるからです。
小型株は、企業規模が小さく、株式の流通度も低いことから、比較的ストップ高になりやすい銘柄が多いです。
一方で、大型株は、企業規模が大きく、株式の流通度も高く、ストップ高となることは低いと言えます。
単純にストップ高している銘柄という括りで分析するよりも、売買代金の大きさに応じて、分析したほうが精度の高い分析が出来ると考えました。
では、さっそくストップ高した銘柄の空売りの有効性について調べましょう。
分析内容の詳細は以下の通りです。
ⅰ.ルール詳細(終値が2日間連続ストップ高した銘柄は売りか?)~
上記が、今回の分析内容です。
終値がストップ高した銘柄を空売りし、空売り後5日が経過したら手仕舞いします。
今回は空売りから仕掛ける分析を行いますので、分析対象は「東証1部貸借銘柄」としています。
これは、空売り出来ない銘柄を分析対象にすると正しい分析が出来なくなることから、空売りが出来る「東証1部貸借銘柄」としました。
そして、売買代金が「10億円以下」「10億円以上50億円以下」「50億円以上」の3パターンに分けて、それぞれ分析しました。
なお、この分析について1点だけご留意いただきたい点があります。
それは、今回の分析は過去の株価データを使用して分析しており、ストップ高した銘柄を一律空売りした場合の分析結果です。
ストップ高している銘柄は、空売り規制がかかり、実際の売買では、空売りできない場合があります。
今回の分析では、空売り規制が一切なかったものとして分析しています。
実際にトレードする場合には、空売り出来ないことがある点について予めご留意頂ければと思います。
仮に、勝率が高く、1トレードあたりの平均損益がプラスならば、ストップ高した銘柄は空売りのチャンスと言えるでしょう。
一方で、勝率が低く、平均損益がマイナスならば、ストップ高した銘柄は空売りすると損失を被る危険性が高いと言えるでしょう。
では、上記の条件で過去の株価データで空売りした場合に、どのような分析結果になるでしょうか。分析結果は以下をご覧下さい。
ⅱ.分析結果(売買代金が10億未満の銘柄がストップ高した銘柄の空売り)
上記が、売買代金10億円未満でストップ高した銘柄を翌日に空売りした分析結果です。
検証結果を見てみると、勝率は55.03%、平均損益は-1.02%となっています。
勝率は5割を上回っているものの、平均損益も大きなマイナスです。
また、損益の推移のグラフを見ても、一貫して損失が膨らんでいることが分かります。
以上の分析結果を見る限り、売買代金が10億円未満の銘柄でストップ高した銘柄を空売りすると、損失を被る可能性が高いと判断できるため、おすすめできません。
では、次に「売買代金が10億円以上50億円未満」の銘柄について空売りした場合の分析を確認しましょう。
どのような分析結果になるでしょうか。以下をご覧下さい。
ⅲ.分析結果(売買代金が10億円以上50億円未満の銘柄がストップ高した銘柄の空売り)
上記が、売買代金が10億円以上50億円未満でストップ高した銘柄を翌日に空売りした分析結果です。
検証結果を見てみると、勝率は53.82%、平均損益は-0.95%となっています。
売買代金が10億円未満の分析結果と同様に、勝率は5割を上回っているものの、平均損益は大きなマイナスとなっているため、空売りはおすすめできません。
損益の推移を確認しても、きれいな右肩下がりです。
上記の分析結果を見る限り、売買代金が10億円以上50億円未満の中型株でも、小型株と同様にストップ高の空売りは危険と言えるでしょう。
では、最後に「売買代金が50億円以上」の銘柄について空売りした場合の分析を確認しましょう。
どのような分析結果になるでしょうか。分析結果は以下をご覧下さい。
ⅳ.分析結果(売買代金が50億円以上の銘柄がストップ高した銘柄の空売り)
上記が、売買代金が50億円以上の分析結果です。
検証結果を見てみると、勝率は54.73%、平均損益は-0.38%となっています。
売買代金が「10億円未満」「10億円以上50億円未満」の銘柄を空売りした場合の分析と比較すると、平均損益のマイナスは非常に小さいです。
損益の推移を見ても、これまでの空売りの分析結果とは異なり、2000年前半や2015年以降は資産の増加傾向が見られます。
しかし、結果として、「売買代金が50億円以上」でも平均損益がマイナスであることから、
ストップ高した大型株の空売りも損失を被るリスクがあると言えるでしょう。
2.まとめ ストップ高銘柄の空売りは危険!!
売買代金を「10億円以下」「10億円以上50億円以下」「50億円以上」の3パターンに分けて、ストップ高した銘柄を空売りした場合の分析を行いました。
24年の株価のデータを使って分析した結果、ストップ高銘柄の空売りは儲けにならず損失を被るリスクが高いことが分かりました。
ストップ高した銘柄は、投資家の注目度が高くなり、自分もトレードしたいという気持ちが強くなるでしょう。
しかし、安易に手を出してしまうと、思わぬ損失を被るリスクがあることから、注意が必要です。
特に、空売りから入るトレードは、株価が上昇すればするほど損失は膨らみます。
理論上、投資金額以上に損失を被るリスクもあることから、ストップ高銘柄の空売りは、オススメできない投資法と言えるでしょう。
ぜひ、今回の分析結果をもとに、あなたのトレードに役立ててみてはいかがでしょうか。
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