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民事再生法で株はどうなる?
株式投資は企業の将来性に期待して資金を投じる手法ですが、そこで投資家が最も懸念するのは、保有銘柄が民事再生法を適用するような事態に陥ることでしょう。
自身の保有銘柄がそのような由々しき事態となった場合、ほとんどの初心者は動揺してしまうことでしょう。
しかし、結論から言えば、民事再生法が適用された場合でも、株式が必ず紙くずになってしまうわけではありません。
具体的には、通常1ヶ月程度経過した後に売買取引が停止される「整理銘柄」となりますが、株価が即座に0円になるわけではなく、10円~30円程度の値が付いた状態で上場廃止となるケースが一般的です。
新型コロナウイルス感染症の影響による整理銘柄は?
基本的に株式市場においては、業績年度の末尾が債務超過の状態で、1年以内にその状態が解消されない場合に上場廃止となる規定があります。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で債務超過となった企業に対しては、2020年以降、2年以内とする特例規定が設けられました。すなわち、コロナウイルスによる受注の減少や顧客の減少が「証券取引所によって認められれば」1年間に限り猶予されるというものでした。
この特例は既に終了していますが、過去の事例として、予期せぬ事態が企業経営に与える影響と、それに対する市場の対応を理解しておくことは重要です。2026年現在、同様の特例は存在しないため、企業の財務状況はより厳しく評価される傾向にあります。
整理銘柄への新規投資
投資家の中には、先ほど触れた整理銘柄にあえて新規投資しようと考える方も存在します。
実際のところ、整理銘柄に指定されると上場廃止が目前となり、株価は10円~30円程度の低価格となりますが、たった1円の値動きが大きな損益になることから、少額投資で大きな利益を狙いたい投資家には魅力的に映るかもしれません。
ただし、当然ながら整理銘柄は健全な運営を行っている企業ではないため、予測しきれない乱高下も発生しやすく、想定と真逆に変動することも少なくありません。
したがって、新規投資を検討する場合は、通常の手法よりも圧倒的にギャンブル性が高いことは理解しておきましょう。
100%減資か99%減資かで変わる未来
民事再生法が適用された際、スポンサーが新たに出資を行ってくれれば、企業は再スタートを切ることができますが、その際に「100%減資」か「99%減資」かという点は、既存株主にとって非常に重要です。
通常、既存の株主が保有している株式は100%減資され、完全に価値がゼロになってしまいます。
しかし、資金を提供するスポンサー側からしてみれば、株主にも倒産したことの責任を果たしてもらう必要があると考えるケースが極まれにあります。
そしてそういった場合は、株主が保有している株式を100%減資せず、1%だけ価値を残す「99%減資」という形態を取る可能性があり、結果的に株式の価値がゼロになることを回避できる場合があります。
参考までに、90%減資であっても株の価値自体に大きな違いは発生しませんが、たった1%の違いが投資を大きく左右する事実は覚えておきましょう。
100%減資でなければ上場の維持ができる
100%減資にしない場合、民事再生法を申請しても上場廃止にならない期待が持てます。
その理由としては、上場廃止を阻止して既存株主が保有している株の価値を少しでも残しておけば、外部スポンサーが新たに入ってきて企業の立て直しを図る可能性があるからです。
そして、元の正常な状態に戻すことができれば、再度株価が強烈な上昇を見せることもあるでしょう。
さらに、そういった見通しをあらかじめ立てている投資家もいるため、20円~30円程度の株価になっても買い支える動きが生まれ、最終的に1円までには下がらないケースも少なくないのです。
しかし、実際に民事再生法の適用を申請した会社は、既存株主が保有している株に対して99%減資に留めることはほとんどないことから、あくまでも先ほど解説した「値上がりするかもしれない」という期待感によって1円まで下げないパターンがほとんどとなっています。
倒産しなくても99%減資にできる
99%減資は経営破綻していない会社であっても行うことができます。
詳しい減資の仕組みについては会計知識がなければ理解しにくいのですが、簡単に説明すると「100%減資では株価の価値がゼロになってしまうが、99%減資などの100%減資以外なら株の価値が変わらない」というイメージです。
そのため、100%減資以外であれば、単に純資産の内訳が帳簿上で移動されるだけであるため、株主が保有している会社の価値となる「純資産全体の額」にさほど影響はありません。
しかし、経営破綻していない上場企業が99%減資を発表すると、実際に株価は大きく下落してしまいます。
大きく考えられる理由としては、「99%減資することで自分が保有している株式の価値が100分の1になってしまうと勘違いしている」あるいは「減資の後大規模な増資が行われることで、保有している株の1株当たりの価値が大きく下がってしまう」と考える知識不足、あるいは経験が足りていない投資家が多いからです。
ただし、実際に99%減資の後は増資されるケースがほとんどであるため、勘違いの事実は別として株価が下落するという考え方は的を得ているといえるでしょう。
初心者は危険な橋を渡らないようにしよう
民事再生法を適用すると株価は限りなく1円に近づき、投資した分がそのまま損失になってしまうリスクがあります。
また、民事再生法は資金繰りが上手くいかない企業が検討することが多いことから、企業の財政面や収益性については通常以上にきちんと確認しておかなければなりません。
そのため、整理銘柄投資を最大限リスクヘッジするためにも、「財政面の問題」と「キャッシュフローを生める事業か」という点はよく考えて売買して下さい。
一方、いくら分析を行ったとしても、最終的に上場廃止となれば投資資本の減少に繋がるため、初心者は基本的に手をださず、ある程度経験値を積み重ねてから検討するようにしましょう。
まとめ
民事再生法の適用を申請した会社の株式は、株価が安いことから投資家の思惑が反映されやすく、頻繁に乱高下することも珍しくありません。
そのため、極めてギャンブル性が高く、健全な投資ともいえないでしょう。
また、もし高値で掴んでしまうと株を売れないまま上場廃止となって、さらに100%減資になってしまえば、株価回復の可能性は完全にゼロです。
もちろん全てのケースにおいて100%減資をするわけではありませんが、通常の株式よりハイリスクである事実には変わりなく、依然として株が紙切れになってしまう危険は払拭できないでしょう。
そのため、本記事を参考に投資を行う際は、単なるマネーゲームと割り切るようにして、失っても問題のない少額資金で勝負するようにして下さい。
実際のところ、株式投資の本質は「応援したい企業を支援する」というものであり、この本質を忘れてしまうと、単にお金儲けの道具としてしか見られなくなってしまいます。
これからチャレンジを検討している方は、たとえ損したとしても、その企業の株を買ってよかった、と思えるようなトレードライフを目指していきましょう。
「株システムトレードの教科書」の記事は、機関投資家出身・証券アナリスト検定会員の西村剛が、統計データ・システムトレード・ファンダメンタルズを融合して解説しています。
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