執筆者

西村剛
西村剛

フェアトレード株式会社 代表取締役。機関投資家出身で統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-1グランドチャンピオン大会で+200.4%、2012年+160.1%、2013年157.0%を叩き出し三連覇達成。証券アナリスト検定会員。システムトレードを使った定量分析と、これまでファンドマネジャーとして培ったファンダメンタルズ分析を融合した新しい視点で株式市場を分析し、初心者でもわかりやすい言葉を使った解説に定評がある。


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株式市場のもう1つの重要指数「TOPIX」

株式投資の重要指標といえば日経平均株価が挙げられますが、同じく重宝するのがTOPIXという指数です。
これは正式名称を東証株価指数と呼ばれており、1968年の公表から長らく投資家達の分析や先物取引に役立てられてきました。

一方、初心者の中には日経平均とTOPIXの違いが分からず、更には寄与度についてもあまり知らないということが多くなっています。
そこで本記事ではTOPIXの構成や寄与度から分かることを詳しく解説していきますので、今後の市場動向を判断するために是非参考にして下さい。

日経平均との違いとは

まず押さえておきたいのは、TOPIXと日経平均の違いについてです。
両者は株式の指数であることは共通していますが、構成銘柄や指数が表す意味については明確な違いがありますので、初心者はしっかり押さえておきましょう。

構成している銘柄

まず大きく違うのは両者を構成している銘柄であり、以下の通り指数を算出する母数が大きく異なります。

・日経平均…東証一部上場銘柄から225銘柄を厳選
・TOPIX…東証一部に上場している2,187銘柄全てが対象

日経平均を構成している銘柄は全体的にハイテクや輸出企業を中心としており、先物の影響を強く受ける特徴があります。
したがって、日経平均が市場動向をキャッチして反応し、TOPIXは全体に実需が波及した段階で追随するような形になるのが基本です。
また、現在東証全体に上場している銘柄は3,000を優に超えていますので、以下に日経平均が厳選された銘柄で構成されているかが分かりますね。

計算方法

構成内容に加えて、以下の通り両者は指数の算出方法に関しても異なります。

・日経平均…構成している225銘柄の株価の合計値÷225
上記は一見するとシンプルに思えますが、株式は頻繁に分割されることもあり、額面の数値に違いも発生するためこのままでは正確な指数を割り出すことができません。
そこで更に修正計算と見なし額面調整等を行い、最終的に「株価合計÷27.769」等の詳細な計算式を導き出して指数を算出していくのです。
ちなみにこの数値は適宜変動する特徴がありますので、必ずしも常に上記の数値ということはない点に注意しましょう。

・TOPIX…全銘柄の時価総額÷基準日時価総額×100

こちらは株価ではなく時価総額をベースにしており、最初に発行された1968年1月4日時点の時価総額(8兆6,020億5,695万1,154円)を基準として算出しています。

この通り一見すると似通った指数に思えますが、そもそもの算出基準が異なる点を押さえておきましょう。

影響を受ける要素

それぞれの指数が影響を受ける要素については両者の算出方法や構成銘柄が深く関わっており、以下のように明確な違いがります。

・日経平均…値嵩株(値がさ株)の影響を強く受ける
日経平均は株価をベースに算出していることから、株価の高い銘柄(値嵩株)の影響を強く受ける特徴があります。
したがってウェイトの大きい銘柄が暴落すれば日経平均全体にも影響を及ぼすことになり、相場状況によっては正しく全体の指数を表せているとはいえない場合もあるのです。

・TOPIX…時価総額の大きい銘柄の影響を強く受ける
TOPIXに強く影響するのは時価総額となりますので、たとえば株価が高騰したとしても発行済み株式数が少ない銘柄であれば影響度合いは限定的です。
したがって、構成銘柄の中でウェイトが大きいのはトヨタ自動車等の株価と発行数が大きい銘柄が主となっています。

TOPIXの寄与度に注目しよう

ここからはTOPIXを参照する上で肝心な寄与度について見ていきましょう。
寄与度とは「指数全体にどの程度影響(寄与)しているか」を数値で表したものであり、以下の計算式で算出することが可能です。

寄与度=時価総額の増減値(今回の値-前回の値)÷前回の全体時価総額×100

ちなみにこの数値は情報サイトでも調べることができますが、全体の時価総額ランキングを参照した方が更に簡単にリサーチできるためおすすめです。

時価総額

参照:Yahoo!ファイナンス

TOPIXにおける寄与度の高さはシンプルに時価総額の大きさに比例しており、ランキングが上がっている企業は市場における注目度も高まっているともいえますので、検証の際は是非参考にして下さい。
ちなみに上位に入っているトヨタ自動車やキーエンス社は昨年同月もトップにランクインしていますので、そのラインは企業規模のネガティブサプライズがない限りはそこまで大きな変動はないと思って良いでしょう。

また、この寄与度は日経平均においても算出されており、こちらも情報サイトで簡単に調査することが可能です。

日経平均寄与度

参照:株探

こちらも寄与度の上昇=株価が高騰しており、市場に於ける注目度も高まっているという判断に繋がりますので、目星をつけた銘柄があれば更に分析して効果的なエントリーをしていきましょう。

応用編:「NT倍率」で市場全体の動向を掴む

先ほど解説した通り、日経平均とTOPIXの指数は変動する意味合いが異なり、それぞれが別視点の分析に役立ちます。
一方、この2つを組み合わせて市場の動向を更に詳細に示したものがNT倍率というものであり、以下の計算式で算出することが可能です。

NT倍率=日経平均株価÷TOPIX指数

Nは日経平均、TはTOPIXの頭文字を取っているこの数値は、ハイテクや輸出企業で構成された値嵩株をメインにした日経平均株価と市場全体の大型株の影響が強いTOPIXを組み合わせて「どちらの比率が強いか」を可視化できるものであり、倍率が高ければハイテク、あるいは輸出関連銘柄の上昇が強く、低ければTOPIXの寄与度が高い内需関連銘柄が活発になっていると判断することができます。

ちなみにこちらも証券会社によってチャート化されており、10倍から12倍程度で推移するのが一般的とされています。

SBI証券

参照:SBI証券

実際のところ初心者でNT倍率までを押さえきれているいる方はあまり見受けられませんので、本記事を参考にすればワンランク上の分析が可能になるでしょう。

TOPIXで資産運用もできる

投資商品は株や通貨等の現物が存在することが多いですが、市場ではTOPIXを始めとする指数も投資商品として提供されています。
一般的にそういった投資を「インデックス投資」と呼んでおり、株式と同じように現金を投入して資産運用することが可能です。

特におすすめは投資信託(インデックスファンド)やETFであり、年利は比較的低い部類に入りますが、安全性が高く銀行預金のように活用することも可能です。

これらは対象とする指数に連動した運用が可能であり、現在多くの証券会社でサービスを展開していますので、自身の分析で上昇が見込める場合は株式投資と並行して運用してみるのも有効です。

まとめ

今回は株式相場全体の動向を分析できるTOPIXとそれを構成する銘柄の寄与度について解説してきました。
実際のところ初心者のうちは日経平均株価との明確な違いが分からず、効果的な分析ができないということも多くなっています。
しかし、両者には明確な違いが数多く存在しており、それぞれの指数の意味を理解すればワンランク上の知識が得られるだけでなく、投資信託やETFといった新たな資産運用の手段を手に入れることが可能です。

現在は証券会社や情報サイトで簡単にリサーチすることができますので、本記事を参考にさっそく取り入れてみて下さい。

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