テクニカル指標「移動平均乖離率」の有効性は? 

1.移動平均乖離率とは

今回は、「移動平均乖離率」について、統計的な有効性について検証していきましょう。

「移動平均乖離率」とは、その名の通り、移動平均線から株価がどの程度離れているか「%(パーセント)」で表すテクニカル指標です。

みなさんも、よく投資を行う際に、この指標を利用するかもしれませんね。 株価が移動平均線の上側で推移している場合には、「プラス乖離」、 下側で推移している場合には、「マイナス乖離」していると言われます。
株価が移動平均線からプラス乖離しているほど、「買われすぎ」、 マイナス乖離しているほど「売られすぎ」であると判断できます。 そこで、重要なのはどれくらいのプラス乖離(もしくはマイナス乖離)していれば、 「買われすぎ」と判断できるのでしょうか。

これは、移動平均線の期間によって乖離率は異なります。 私個人の主観ですが、 「5日移動平均線」ならば、5%~10%乖離 「25日移動平均線」ならば20%~30%乖離 していれば、トレードのチャンスとみなします。
具体的には、株価が5日移動平均線よりも-5%乖離した場合には、押し目買いのチャンスを言えます。一方で、+5%乖離している場合には、空売りのチャンスとみなします。

そこで、今回は、「株価が5日移動平均線よりも-5%乖離した」銘柄を買い付けしたときに、過去の検証では利益が得られたかどうかを検証してみます。 では、さっそく検証条件を確認していきましょう

執筆者

田村 祐一
田村 祐一

フェアトレード株式会社所属。調査本部アナリスト。統計データを重視したシステムトレードとファンダメンタルを組み合わせて銘柄分析を行う。株主優待先回り買い等の「イベント投資」にも注力。


2.移動平均乖離率の有効性

検証条件は、以下の通りです。

ⅰ.ルール詳細(移動平均乖離率の有効性の検証)

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検証対象:全銘柄 検証期間:1990/03/01~2014/05/31 1銘柄当たりの投資金額:20万円

【買い条件】 ・終値と5日移動平均線との乖離率が-5%以上離れたら、翌日成行買い

【売り条件】 ・終値と5日移動平均線との乖離率が0%まで戻る もしくは、
       ・15日経過 した場合に、翌日成行売り

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上記が、今回の検証条件です。 仮に、勝率が高く、1トレードあたりの平均損益がプラスならば、 この「移動平均乖離率」を使用した投資法は有効と言えるでしょう。

では、上記条件で検証した場合に、どのような検証結果になるでしょうか。 検証結果は、以下の通りです。

ⅱ.検証結果(移動平均乖離率の有効性の検証)

【検証結果】株価と5日移動平均との乖離率が-5%以上離れたら買い 移動平均乖離率出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面

■バックテスト結果■

勝率: 63.31 %
勝ち数: 210,077 回
負け数: 121,726 回
引き分け数: 17,517 回
平均損益(円): 2,576 円  平均損益(率): 1.29 %
平均利益(円): 12,537 円  平均利益(率): 6.27 %
平均損失(円): -14,245 円  平均損失(率): -7.12 %
合計損益(円): 899,806,520 円  合計損益(率): 449,923.41 %
合計利益(円): 2,633,776,027 円  合計利益(率): 1,316,936.70 %
合計損失(円): -1,733,969,507 円  合計損失(率): -867,013.29 %
プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 1.519
平均保持日数: 7.10 日

以上が、検証結果です。

3.まとめ 移動平均乖離率は有効?

検証結果を見てみると、 勝率は63.31%、平均損益は1.29%です。 勝率が6割を超え、平均損益が大きなプラスです。
また、運用資産の推移を見ても、きれいな右肩上がりです。 よって、統計的には有効な投資法と言えそうです。

「移動平均乖離率」を使用した投資法は、 今回ご紹介した条件以外にもたくさんあります。

よくちまたで話題になる「押し目買い」や「逆張り」といった投資は、 この「移動平均乖離率」を元に判断されることが多いのです。
今回検証した「終値と5日移動平均線との乖離率が-5%以上離れたら買い」 という戦略は、「押し目買い戦略」と呼ばれています。

押し目買い戦略は、とても有効な戦略です。 ぜひ、あなたの投資戦略のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

■追伸

システムトレーダーにとって、この「移動平均乖離率」は、 なくてはならないテクニカル指標です。
この指標をベースに安定した利益を築いているトレーダーがたくさんいます。

私は、「移動平均乖離率」と、残り数種(3つ程度) のテクニカル指標を組み合わせて、投資戦略を構築しています。
そして、「移動平均乖離率」が数多くあるテクニカル指標の中で一番重要と考えています。 それくらい重要な指標です。
この「移動平均乖離率」を使った投資戦略については、今後もさまざまなタイプをご紹介したいと思っているので、楽しみにしていただければと思います。

<追伸>
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