コロナショックで相場が大きく動いている最中ですので、今の株価動向が気になる方も多いかと思います。
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1.ストップ高の翌日も上がる!?
今回は、「ストップ高の翌日も上がるか?」についてシステムトレードの観点から検証します。
銘柄探しをしていると、「ストップ高」して大きく上昇している銘柄を見かけます。ストップ高をしているだけあって、大きな資金が流入しています。
ストップ高をしている銘柄は、「上方修正の発表」や「業績拡大が大きく期待できる材料」が出ている銘柄が多く、魅力的に映りますよね。
システムトレードに注力している私でも、目移りする銘柄ばかりです。では、ストップ高をした銘柄を翌日に買って後追いしたら、利益が出るのでしょうか?
ストップ高した銘柄は、強烈に資金が流入していることから、ストップ高した翌日に買うことでも十分に上昇のうまみを得られそうです。
そこで、今回は、「ストップ高した銘柄を翌日に買う戦略は有効か」を検証していきます。
では、さっそく検証条件を確認していきましょう。
2.ストップ高銘柄翌日買い後追い戦略の有効性~全銘柄~
検証条件は、以下の通りです。
ⅰ.ルール詳細(ストップ高銘柄翌日買い後追い戦略の有効性の検証)
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検証対象:全銘柄
検証期間:2000/01/01~2020/12/31
1銘柄当たりの投資金額:20万円
【買い条件】
・前日終値がストップ高だった銘柄を、翌日に成行買い
【売り条件】
・含み益が10%以上 もしくは、
・含み損が10%以上
上記2つの条件のどちらかをみたしたら、その翌日に成行売り(手仕舞い)
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上記が、今回の検証条件です。
単純に、ストップ高をした銘柄を、翌日の寄り付きに成行買いします。そして、含み益が10%出るか、含み損が10%以上となったら、その翌日の寄り付きに手仕舞いします。
仮に、勝率が高く、1トレードあたりの平均損益がプラスならば、「ストップ高の翌日に買う戦略」は統計的に有効な戦略と言えるでしょう。
では、上記条件で検証した場合に、どのような検証結果になるでしょうか。
ⅱ.検証結果(ストップ高銘柄翌日買い後追い戦略の有効性の検証)~全銘柄~

勝率: 39.00 %
勝ち数: 17,302 回
負け数: 27,061 回
引き分け数: 107 回
合計損益(率): -61,192.84 % 平均損益(率): -1.38 %
合計利益(率): 306,578.27 % 平均利益(率): 17.72 %
合計損失(率): -367,771.11 % 平均損失(率): -13.59 %
プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 0.834
平均保持日数: 12.82 日
以上が、検証結果です。検証結果を見てみると、
勝率は39.00%、平均損益は-1.38%です。
勝率は4割を切り、平均損益も大きなマイナスとなっていることから、
「ストップ高した銘柄を翌日に買う戦略」は有効ではないと判断できるでしょう。
3.ストップ高銘柄翌日買い後追い戦略の有効性~東証一部~
次に、東証一部に限定した場合を確認してみましょう。
i.検証結果(ストップ高銘柄翌日買い後追い戦略の有効性の検証)~東証一部~

勝率: 42.71 %
勝ち数: 2,990 回
負け数: 4,011 回
引き分け数: 13 回
平均損益(円): -2,910 円 平均損益(率): -1.46 %
平均利益(円): 28,510 円 平均利益(率): 14.26 %
平均損失(円): -26,342 円 平均損失(率): -13.17 %
合計損益(円): -20,413,174 円 合計損益(率): -10,206.83 %
合計利益(円): 85,244,143 円 合計利益(率): 42,622.78 %
合計損失(円): -105,657,317 円 合計損失(率): -52,829.61 %
PF: 0.807
平均保持日数: 14.81 日
以上が、検証結果です。検証結果を見てみると、
勝率は42.71%、平均損益は-1.46%です。
勝率は5割を切り、平均損益もマイナスとなっていることから、
東証一部も「ストップ高の翌日に買う戦略」は有効ではないと判断できるでしょう。
4.ストップ高銘柄翌日買い後追い戦略の有効性~東証二部・大証・名証~
次に、東証二部・大証・名証に限定した場合を確認してみましょう。
i.検証結果(ストップ高銘柄翌日買い後追い戦略の有効性の検証)~東証二部・大証・名証~

勝率: 38.80 %
勝ち数: 2,097 回
負け数: 3,307 回
引き分け数: 10 回
平均損益(円): -5,438 円 平均損益(率): -2.72 %
平均利益(円): 30,827 円 平均利益(率): 15.41 %
平均損失(円): -28,450 円 平均損失(率): -14.23 %
合計損益(円): -29,440,089 円 合計損益(率): -14,720.33 %
合計利益(円): 64,644,970 円 合計利益(率): 32,322.97 %
合計損失(円): -94,085,059 円 合計損失(率): -47,043.30 %
PF: 0.687
平均保持日数: 13.56 日
以上が、検証結果です。検証結果を見てみると、
勝率は38.80%、平均損益は-2.72%です。
勝率は5割を切り、平均損益もマイナスとなっていることから、
東証二部・大証・名証も「ストップ高の翌日に買う戦略」は有効ではないと判断できるでしょう。
5.ストップ高銘柄翌日買い後追い戦略の有効性~ジャスダック・マザーズ~
次に、ジャスダック・マザーズに限定した場合を確認してみましょう。
i.検証結果(ストップ高銘柄翌日買い後追い戦略の有効性の検証)~ジャスダック・マザーズ~

勝率: 37.52 %
勝ち数: 9,240 回
負け数: 15,388 回
引き分け数: 24 回
平均損益(円): -5,445 円 平均損益(率): -2.72 %
平均利益(円): 31,906 円 平均利益(率): 15.95 %
平均損失(円): -27,881 円 平均損失(率): -13.94 %
合計損益(円): -134,225,853 円 合計損益(率): -67,114.37 %
合計利益(円): 294,807,393 円 合計利益(率): 147,405.83 %
合計損失(円): -429,033,246 円 合計損失(率): -214,520.20 %
PF: 0.687
平均保持日数: 8.61 日
以上が、検証結果です。検証結果を見てみると、
勝率は37.52%、平均損益は-2.72%です。
勝率は4割を切り、平均損益も大きなマイナスとなっていることから、
ジャスダック・マザーズも「ストップ高の翌日に買う戦略」は有効ではないと判断できるでしょう。
6.ストップ高銘柄翌日買い後追い戦略の有効性~2日連続ストップ高~
次に、2日連続ストップ高銘柄を翌日買う戦略は、どんな結果となるでしょうか。
i.検証結果(ストップ高銘柄翌日買い後追い戦略の有効性の検証)~2日連続ストップ高~

勝率: 34.94 %
勝ち数: 3,120 回
負け数: 5,809 回
引き分け数: 20 回
平均損益(円): -8,829 円 平均損益(率): -4.41 %
平均利益(円): 32,837 円 平均利益(率): 16.42 %
平均損失(円): -31,237 円 平均損失(率): -15.62 %
合計損益(円): -79,007,200 円 合計損益(率): -39,504.25 %
合計利益(円): 102,450,982 円 合計利益(率): 51,226.21 %
合計損失(円): -181,458,182 円 合計損失(率): -90,730.46 %
PF: 0.565
平均保持日数: 6.27 日
以上が、検証結果です。検証結果を見てみると、
勝率は34.94 %、平均損益は -4.41 %です。
勝率は4割を切り、平均損益も大きなマイナスとなっていることから、
2日連続ストップ高における「ストップ高した銘柄を翌日に後追いして買う戦略」は有効ではないと判断できるでしょう。
7.ストップ高銘柄翌日買い後追い戦略の有効性~直近1ヶ月の値動きが小さい場合~
今度は、直近1ヶ月の間の値動きが小さい場合にストップ高した銘柄を翌日買う戦略はどんな動きとなるか見てみましょう。
直近の値動きが小さい状態から、上放れした場合には、その後の上昇も大きくなることが期待できそうです。
具体的には、「25日間のボラティリティが5%以下」という設定を追加してみました。
結果をみてみましょう。
i.検証結果(ストップ高銘柄翌日買い後追い戦略の有効性の検証)~直近1ヶ月の値動きが小さい場合~

勝率: 41.70 %
勝ち数: 1,763 回
負け数: 2,465 回
引き分け数: 8 回
平均損益(円): -2,442 円 平均損益(率): -1.22 %
平均利益(円): 27,988 円 平均利益(率): 13.99 %
平均損失(円): -24,214 円 平均損失(率): -12.11 %
合計損益(円): -10,345,262 円 合計損益(率): -5,172.79 %
合計利益(円): 49,341,965 円 合計利益(率): 24,671.40 %
合計損失(円): -59,687,227 円 合計損失(率): -29,844.18 %
PF: 0.827
平均保持日数: 23.35 日
以上が、検証結果です。検証結果を見てみると、
勝率は41.70%、平均損益は-1.22%です。
勝率は5割を切り、平均損益もマイナスとなっていることから、
直近1ヶ月の値動きが小さい場合における「ストップ高した銘柄を翌日に後追いして買う戦略」は有効ではないと判断できるでしょう。
しかしながら、資産曲線をみると、今回の結果は一方的な右肩下がりではなく、利益になっている期間もあるようです。
もう少し改良すると、この場合のストップ高銘柄の翌日買い戦略は有効になるかもしれません。
8.まとめ ストップ高銘柄翌日買い後追い戦略は有効か?
ストップ高した銘柄は、大きく株価上昇した反動で、翌日に利益確定売りが出やすくなります。また、投資家の注目が集まることから、株価は乱高下します。
その結果、ストップ高銘柄の翌日買い戦略はリスクが高いトレードになってしまうのです。
システムトレード的な観点から見ると、「ストップ高した銘柄の翌日は買わない」というのが正解と言えるでしょう。
しかしながら、「直近1ヶ月の値動きが小さい場合」においては、若干の改善が見られました。
このままでは、運用はできませんが、有効なルールに対しての改善のヒントにはなりそうです。
ぜひ、ご自身でもより深く研究していただくとよいでしょう。
裁量トレードをされている方の中には、天才的な感性を持ち、こういった銘柄で大きな利益を上げている人もいます。
しかし、そのような人は5万人に1人いればいいほどです。
よって、「ストップ高」銘柄を翌日に買うのは極力避けたほうが良いでしょう。特に、株式投資初心者の方は、絶対にやめましょう。
なぜなら、ストップ高銘柄の翌日買い戦略は、売り時がとても難しいからです。
仮に一時的に含み益が出ていたとしても、少しタイミングがずれると一瞬にして株価が急落します。
そうなってしまったら、よっぽどでない限りは、株価は戻ってきません。
株式投資初心者の方の多くが、この「ストップ高」銘柄によって退場します。
それは、「飛んで火に入る夏の虫」のようです。
「ストップ高」銘柄は翌日に後追いして買うと儲かりそうな気がしますが、まやかしです。
とてもリスクが高いことについては、十分に把握したほうが良いですね。
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