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リーマンショックの株価チャートから暴落時の立ち回りを知る
株式相場は過去のチャートパターンと似通うケースが多く、あらゆる局面の値動きを想定することが効率的な運用にも繋がります。
そして、2008年に強烈な景気後退を引き起こした「リーマンショック」は特に押さえるべきであり、暴落時の変動傾向や投資家の動向を考察すれば、「次のリーマンショック級の下落相場」にも対応できるでしょう。
そこで本記事では、今もなお語られるリーマンショックの株価チャートから投資家心理を考察し、おすすめの運用スタイルについても解説してきます。
コロナショックや欧州の地政学リスクの中でうまく立ち回りたい方は、ぜひリーマンショックの株価変動を参考にしてください。
リーマンショックとは
ここではまず、リーマンショックの概要と詳細についてを確認しましょう。
大暴落の理由を把握して、リーマンショック時はどのように投資家心理を揺さぶったかを考察してみてください。
リーマンブラザーズ社の経営破綻
リーマンショックは、米大手証券会社の「リーマンブラザーズ(以下リーマン)」がバンクラプトした事態を指しており、極論をいえばたった1つの企業が倒産したことで、世界中にその影響が波及したのです。
そのため、初心者の中には「どうしてそこまで大ごとになったのか分からない」という方も少なくありませんが、その疑問はリーマンが行っていた事業内容に隠されています。
当時、リーマンはサブプライムローン(住宅ローン)を一元化した証券発行を担っていたため、当然メインの顧客は投資家へディストリビューションする「銀行」でした。
すなわち、リーマンの破綻→証券が紙くずに→銀行の大損害→企業を含めた投資家たちの共倒れ、という負のスパイラルが成り立ってしまいます。
そして、米国株の指数であるS&P関連相場はXデーの2008年9月15日を皮切りに大暴落。
結果的に、オイルショックや湾岸戦争を彷彿とさせる景気後退を引き起こしました。これを総称してリーマンショックと言います。
参照:nxfunds
上図の通り、リーマンの倒産がニュースで報道されてから乱高下を繰り返しつつジワジワと相場が下落し、約半年後には半値以下に到達したことが分かるでしょう。
米国は震源地でもあったことから、甚大な倒産企業や失業者が発生し、今もなおリーマンショックは人々の記憶に刻まれています。
日本株相場への影響は
先ほどは米国相場にフォーカスしてきましたが、投資家として気になるのはリーマンショックによる日本株の動向でしょう。
実際のところ、サブプライムローンが浸透していなかった日本市場への影響度は限定的と思われていましたが、現実は以下の通り、リーマンショックにより歴史的な大暴落を引き起こしています。
参照:tyoikabu
もちろん、リーマンの破綻が直接影響を及ぼしたわけではない一方、日本市場に流れる外国人投資家の資金量減退、そして大幅な円安による輸出産業への打撃は大下落のトリガーとなり、リーマンショックに繋がりました。
また、国内のあらゆるセクションへ景気後退が波及した分、失業者などの割合は米国よりも深刻だったとされており、リーマンショックはまさに対岸の火事からの飛び火ともいえるでしょう。
このリーマンショックを機に株式投資を諦める方を始め、追証が支払えず経済的に困窮してしまった投資家も少なくありませんでした。
リーマンが倒産した理由「サブプライム問題」
ここまでは相場に与えた「結果」を解説してきましたが、リーマンショックを本当に理解する上では「サブプライム問題」にも触れておかなければなりません。
先ほど触れた通り、サブプライムローンは当時不動産バブルが巻き起こっていた米国の住宅ローンの1つであり、リーマンの証券を銀行が債権化して担保にし、信用度の低い顧客へ融資を行うサービスです。
住宅価格が上昇し続けていた時期は、低金利ローンへの借換なども容易だったことから貸し倒れ件数が少なく、幸先自体は悪くなかったといえるでしょう
しかしながら、住宅価格が高止まりした段階で少しずつ債務不履行に陥る方が増加、金利も上がり破綻への兆候が表れ始めたのです。
ただし、そういった問題点が報道されるごとに相場は下落していたため、実はハイスキルな投資家は少しずつリスクヘッジに転ずるか、「空売り」を仕込んで大暴落に備えていました。
すなわち、リーマンショックは事前予測が可能だった金融事故であり、未曽有の損害とともに億万長者も生みだしたということです。
とはいえ、米国内でジワジワと浮上する不信感に気付くには、相当なスキルとアンテナが必要である上に、そもそも初心者には暴落へのロジック自体が組み立てられなかったでしょう。
リーマンショックから読み解く投資家心理
ここからは、リーマンショックのチャートパターンから、投資家心理を読み解いていきたいと思います。
将来的に同じような相場となる可能性もゼロではないため、リーマンショックはきちんと押さえておきましょう。
サブプライム問題の浮上時
サブプライム問題はリーマンショックへの伏線といっても過言ではなく、報道が重なるごとに日経平均も下落していきました。
しかし、この段階で対策を講じていたのは一部のプロ投資家であり、初心者にとっては大したトピックスではなかったでしょう。
したがって、ちょっとした下落時に押し目買いを行う勢力も一定数存在しており、楽観的に買い増すケースもありました。
リーマンショックの発生
先ほど触れた通り、リーマンショックでは日経平均も数千円以上の暴落が発生し、狼狽売りに走る投資家が増加しました。
そして、8,000円付近で一旦上昇に転じたものの、再度7,000円にまで下落したことから、早とちりで大きく買い注文を入れた方はリーマンショックで深手を負ったことでしょう。
一方、撤退に及ぶダメージがなかった勢力が狙っていたのは、リーマンショックによる下落の「底値」がどこにあるか、というポイント。すなわち、次にくる反発上昇を虎視眈々と探していたのです。
事実、リーマンショックからおよそ8か月後には1万円水準にまで回復し、逆張りを決行した投資家は大勝利を収めました。
暴落前後に押さえておきたいポイント
次は、リーマンショック級の暴落前後に押さえておきたいポイントを解説します。
ピンチをチャンスに変えて大きな資産を築くためにも、ぜひ参考にしてください。
暴落に備えて積み立て投資を基本にする
株式相場は、いつ暴落が発生するかの予測が難しいので、不安な場合は少額ずつ積み立てる運用に切り替えるのもおすすめです。
価格を一切考慮せず定期的に買い増していくため、購入単価を慣らして、価格変動のリスクヘッジが行えるでしょう。
そして、大切なのは「リーマンショック級の暴落が起こっても決してやめない」ことであり、低価格時もきちんと継続していれば、相場が戻った時にまとまった収益が得られます。
暴落後こそ底値を見つける
下落し続ける相場と悲観的な情報を目にすると、つい株式投資自体を諦めたくなるかもしれません。
しかし、結論としてそういった地合いでもしポジションを持っていないのなら、大きなチャンスと認識した方が良いでしょう。
リーマンショック級の暴落の底値付近で逆張りを仕込めれば、中長期的に利益を伸ばせる可能性もあるため、きちんと分析を重ねてチャレンジしてみてください。
まとめ
本記事では、リーマンショックの株価チャートから投資家心理を読み解き、将来的なリーマンショック級の暴落時の手法についても解説しました。
リーマンショックといえば、株式相場が歩んできた長い歴史の中でも特に印象の強い暴落イベントであり、狼狽や下手な空売りによって多額の損失を抱えた方も少なくありません。
一方、普段から積立投資を行い、底値が掴めれば一転してリーマンショック級の暴落はチャンスとなるため、ぜひ本記事の内容を今後の投資に活かしてください。
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