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分散投資のデメリット
人生100年時代に向けた資産運用として、分散投資の必要性が叫ばれています。
ただ、分散投資のメリットばかりが声高にアピールされており、肝心のデメリットについてはあまり語られていません。
無論、正しく運用する上では重要な知識となるため、一つずつ詳しく見ていきましょう。
資金効率が落ちる
複数の銘柄への分散投資は、特定銘柄への集中投資に比べると、資金効率が落ちる点がデメリットです。
例えば、1日に10%動くハイリスク銘柄、5%動く普通の銘柄、3%動くローリスク銘柄の3銘柄があったとすると、3銘柄に分散投資することでリスクも軽減されますが、リターンも軽減されます。
ただ、これは投資においてリスクとリターンの表裏一体の関係となるため、複数銘柄に資金を分散することで、ローリスク・ローリターンにするという分散投資のメリットでもあります。
投資の一般論としては、長期投資においては分散投資をし、短期投資においては特定銘柄に集中投資するというのが基本です。
スイングトレードやデイトレードをする場合には、大きな値動きをする特定銘柄に集中投資しなければ、大きな利益を出せないでしょう。
個人が行う分散投資はリスクヘッジ効果が低くなる
分散投資をするには、ある程度のまとまった資金が必要です。
このため、個人投資家の資金では、十分な銘柄への分散投資が困難となり、様々な銘柄やセクターへの知識がなければ適切なトレードは実践できないでしょう。
実際のところ、個人投資家が異なるセクターや銘柄を同時に運用するのは簡単ではありません。
したがって、自分で分散投資するよりは、既に銘柄が分散されているインデックス投信やETFに投資する方が初心者向きといえます。
具体的に、日経平均株価に連動する投信やETFなら、日経平均を構成する225銘柄に分散投資するのがおすすめです。
日本株では分散投資しづらい
1株から投資できる米国株ならともかく、日本株で分散投資するとなると、「単元株制度」という日本市場の特性が壁になってきます。
日本株は、100株を単元株としているため、100株からしか投資することができません。
事実、トヨタ自動車とNTTと任天堂の3銘柄に分散投資するだけで、100万円必要になってきてしまいます。
すなわち、よほどの資金がない限り、日本株で分散投資をするのは敷居が高いと言わざるを得ないでしょう。
分散投資の注意ポイント
ここからは、分散投資を行う際の注意ポイントを押さえておきましょう。
- アセットと銘柄の分散投資(ポートフォリオ)の違いを理解しておこう
- 異なるセクターの銘柄に分散投資してリスクを軽減する
- 時間分散(長期・積立投資)もしっかりと行おう
いずれも大切な要素なので、ぜひ参考にしてください。
アセットと銘柄の分散投資(ポートフォリオ)の違いを理解しておこう
まず分散投資において重要なのは、アセットの分散(アセットアロケーション)なのか、銘柄の分散(ポートフォリオ)なのかを理解しておくことです。
アセットの分散(アセットアロケーション)とは、現金(日本円・ドル・ユーロなど)や、株(日本株・米国株・中国株など)、不動産、貴金属(金やプラチナなど)といった、資産クラスの分散投資。
具体的には、日本円(銀行預金)で300万円保有し、日本株300万円、米国株400万円運用し、持ち家で不動産を保有しているといったものとなります。
一方、銘柄の分散投資(ポートフォリオ)とは、資産クラスの中で、どのような配分で銘柄に分散投資をするのかというものです。
こちらは、日本株投資として、トヨタ・ソニーグループ・ソフトバンクに100万円ずつ分散投資しているパターンを想像すると分かりやすいでしょう。
まず、アセットアロケーションで総資産をどのように分散投資するのか決めてから、そのアセットアロケーションの中で、どんなポートフォリオに分散投資するのかを決めていくことが重要です。
異なるセクターの銘柄に分散投資してリスクを軽減する
分散投資は、異なるセクターの銘柄に分けて投資することによってリスクを軽減します。
たとえば、トヨタとホンダと日産自動車に分散投資するのは、同じ自動車セクターであるためリスク低減効果がありません。
これでは、中国工場でトラブルがあり自動車のサプライチェーンが止まってしまったなど、自動車セクター全体が売られるようなニュースが発生した場合には、リスクヘッジ効果が得られないでしょう。
トヨタ(自動車)とNTT(通信)と三菱UFJ(銀行)に分散投資するといったように、セクターを分散させることが銘柄分散において重要になってきます。
時間分散(長期・積立投資)もしっかりと行おう
分散投資を行う上では、銘柄分散に加えて、時間を分散して投資することも重要です。
株式市場では、リーマンショックやコロナショックといった暴落がたびたび起こるため、投資するタイミング(時間)を分散することによって、リスクヘッジしながら長期的な上昇を享受することができます。
資産運用においては、長期・積立・分散投資の3点が重要だと言われていますが、長期投資と積立投資は時間分散を意味しています。
毎月10万円ずつ積み立てていくといったように、時間を分散して投資を続けていくことが重要です。
分散投資に向いていない人
ここからは、分散投資に向いていない人を確認していきましょう。
- 投資で短期間に稼ぎたい人
- 投資資金が少ない場合
最大限有効活用するためにも、しっかり押さえておいてください。
投資で短期間に稼ぎたい人
投資で短期間に稼ぎたい人は、分散投資ではなく、大きな値動きをしている新興銘柄などで短期の集中投資をする方が向いています。
ただ、スイングトレードやデイトレードといった短期投資においては、資金管理と損切りが絶対に必要になってくるため、より詳細なリスク管理の徹底が求められます。
投資資金が少ない場合
複数の銘柄に分散投資するには、ある程度まとまった資金が必要になるため、投資資金が少ない場合には分散投資をするのは向いていません。
仮に、1株から投資できる米国株に分散投資するとしても、20~30銘柄に投資するとなると、最低でも100万円は必要です。
投資資金が少ない場合には、少ない投資資金でも分散投資と同じ効果を得られるインデックス投信に投資するのが合理的です。
分散投資のデメリットについてまとめ
今回は、分散投資のデメリットについて解説してきました。
分散投資は、集中投資に比べると資金効率が落ちるため、スイングトレードやデイトレードで短期的に大きな利益を上げたい場合には向いていません。
また、分散投資をするとなると、ある程度まとまった資金が必要になるので、資金が少ない場合は投信やETFによるインデックス投資をした方が合理的です。
そして、分散投資は資産クラスの分散投資(アセットアロケーション)と銘柄の分散投資(ポートフォリオ)の違いも重要。
適切な知識を身につけて、効率的に運用しましょう。
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