1.押し目買いとは?

本日は、「押し目買い」について、取り上げて行きたいと思います。

株式投資を行っていると、「押し目買いのチャンス!!」等という言葉がよく使われます。

そもそも、「押し目買い」とは何でしょうか?

押し目買いとは、上昇トレンドを形成している銘柄が、一時的に下落したタイミングで買い付けする投資手法です。

上昇トレンドを形成している銘柄でも、毎日株価上昇しているわけではなく、時には利益確定売りに押されることがあります。

そういったタイミングで買い付けを行うことで、その後株価のリバウンドが期待できるといわけです。

「下落したタイミングで買い付けする」という意味では、以前ご紹介した逆張りと同じですね。

押し目買い」は、逆張りと比較して、浅い下落で買い付けするので、逆張り」という大きなくくりの中にある戦略のひとつといったイメージです。

「逆張り」と比較して、小さい下落でも「押し目」と判断できることから、頻繁に押し目買い」のチャンスは出現します。

上手にこの「押し目買い」を取り入れることができればトレード成績の更なる向上が見込めることでしょう。

システムトレードを実践する上では、この「押し目買い」はかなりの頻度で利用される戦略です。

ぜひ、本記事をじっくりお読みいただき、この「押し目買い」をマスターしていただければと思います。

この押し目買い戦略では、どのようなテクニカル指標が使用されるのでしょうか?

執筆者

田村 祐一
田村 祐一

フェアトレード株式会社所属。調査本部アナリスト。統計データを重視したシステムトレードとファンダメンタルを組み合わせて銘柄分析を行う。株主優待先回り買い等の「イベント投資」にも注力。


2.押し目買いでよく使われるテクニカル指標

以下が、押し目買いで頻繁に使用されるテクニカル指標の代表例です。

押し目買いでは、2つの要素を組み合わせて構成します。

その2つとは、

1.下落していること
2.上昇トレンドであること

です。

「逆張り」との大きな違いの1つとして、「押し目買い」では、「2.上昇トレンドであること」が挙げられます。

下落トレンドの銘柄よりも、上昇トレンドの銘柄のほうが、下落した後に、反発して上昇する可能性が高いといえるでしょう。

それでは、「押し目買い」で利用する、それぞれの代表的なテクニカル指標について確認してみましょう。

1.下落していること

・前日比  前日比で-5%以上下落
・移動平均乖離率  終値と5日移動平均の乖離率が-5%以上大きい
(5日移動平均線よりも下に5%以上離れている)
・続落  3日続落

これらのテクニカル指標を満たしたタイミングは、株価が下落しています。

「押し目買い」での条件として、「逆張り」と大きく異なる点としては、下落幅が比較的緩いということです。

2.上昇トレンドであること

・移動平均線  終値が移動平均75日よりも大きい
・株価位置  株価位置100日が70%以上

これらのテクニカル指標を満たしたタイミングは、上昇トレンドであることが考えられます。

以上の2点を踏まえたタイミングで買い付けを行うのが、「押し目買い」です。

「押し目買い」には、さまざまな方法がありますが、今回は代表的な戦略をご紹介したいと思います。

3.押し目買いの有効性の検証(全銘柄)

ⅰ.押し目買いの有効性の検証 設定内容の確認

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検証対象:全銘柄
検証期間:2000/01/01~2020/09/30

【買い条件】
終値と5日移動平均線との乖離率が-5%以上離れる(条件式①) かつ
終値と75日移動平均線との乖離率が0%以上離れている(条件式②)
上記2つの条件を満たした翌日に、成行買い

【売り条件】
終値と5日移動平均線との乖離率が0%以上離れる(条件式③) もしくは、
買い付けしてから15日以上経過(条件式④)
上記2つの条件のどちらかを満たした場合に、翌日成行売り

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以上が、代表的な「押し目買い」の例です。

この条件式が意味するのは、上昇トレンドにある銘柄(条件式②)が、一時的に下落したタイミング(条件式①)に買い付けします。

そして、買い付け後に株価がリバウンドしたタイミング(条件式③)か、買い付け後15日経過したら(条件式④)手仕舞いします。

「終値と移動平均の乖離率」は、「Yahoo!ファイナンス」や 「証券会社のツール」等で簡単に確認することができます。

つまり、誰でもすぐに実践できる戦略ですね。

では、この戦略は、どれほどの成果が期待できるかを検証してみました。

検証結果は、以下の通りです。

ⅱ.検証結果(押し目買いの有効性)

【検証結果】押し目買い

出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面

■バックテスト結果■

勝率: 62.74 %
勝ち数: 49,615 回
負け数: 29,465 回
引き分け数: 2,753 回
合計損益(率): 118,791.50 % 平均損益(率): 1.45 %
合計利益(率): 319,195.31 % 平均利益(率): 6.43 %
合計損失(率): -200,403.80 % 平均損失(率): -6.80 %
プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 1.593
平均保持日数: 6.72 日

以上が、検証結果です。

検証結果を見てみると、勝率は62.74%平均損益は1.45%です。

つまり、10回のトレードのうち6回は勝ちトレードです。

また、1回トレードすれば、投資金額に対して1.45%の利益が期待できるということです。

以上の結果を考慮すると、「押し目買い」は、とても有効な投資戦略と判断できるでしょう。

4.押し目買いの有効性の検証(東証一部銘柄)

次に、東証一部銘柄に限定した場合の押し目買いの有効性について検証してみます。

i.検証結果(押し目買いの有効性)

【検証結果】押し目買い(東証一部銘柄)

出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面

■バックテスト結果■

 勝率: 61.32 %
 勝ち数: 17,199 回
 負け数: 10,849 回
 引き分け数: 3 回

 平均損益(円): 1,955 円  平均損益(率): 0.98 %
 平均利益(円): 9,968 円  平均利益(率): 4.98 %
 平均損失(円): -10,749 円  平均損失(率): -5.37 %

 合計損益(円): 54,830,140 円  合計損益(率): 27,416.75 %
 合計利益(円): 171,441,824 円  合計利益(率): 85,725.03 %
 合計損失(円): -116,611,684 円  合計損失(率): -58,308.28 %

 PF: 1.470
 平均保持日数: 6.39 日

以上が、検証結果です。

検証結果を見てみると、勝率は61.32%平均損益は0.98%です。

以上の結果を考慮すると、東証一部銘柄に限定した「押し目買い」は、有効な投資戦略と判断できるでしょう。

しかしながら、全銘柄と比較すると、平均損益が下がってしまいました。

東証一部銘柄は、値動きが緩い大型株が多く含まれることから、このような結果になったのではないかと考えられます。

 

5.押し目買いの有効性の検証(東証二部・大証・名証)

次に、東証二部・大証・名証銘柄に限定した場合の押し目買いの有効性について検証してみます。

i.検証結果(押し目買いの有効性)

【検証結果】押し目買い(東証二部・大証・名証)

出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面

■バックテスト結果■

 勝率: 57.71 %
 勝ち数: 9,744 回
 負け数: 7,140 回
 引き分け数: 5 回

 平均損益(円): 1,995 円  平均損益(率): 1.00 %
 平均利益(円): 12,300 円  平均利益(率): 6.15 %
 平均損失(円): -12,067 円  平均損失(率): -6.03 %

 合計損益(円): 33,689,857 円  合計損益(率): 16,845.73 %
 合計利益(円): 119,847,570 円  合計利益(率): 59,926.06 %
 合計損失(円): -86,157,713 円  合計損失(率): -43,080.34 %

 PF: 1.391
 平均保持日数: 6.82 日

 

以上が、検証結果です。

検証結果を見てみると、勝率は57.71%平均損益は1.00%です。

以上の結果を考慮すると、東証二部・大証・名証銘柄に限定した「押し目買い」は、有効な投資戦略と判断できるでしょう。

しかしながら、全銘柄と比較すると、勝率・平均損益どちらも下がってしまいました。
また、ここ数年が横ばいで推移している点も気になります。

東証二部・大証・名証銘柄に限定した「押し目買い」は、ほかの市場と比較すると相性が良くないのかもしれません。

6.押し目買いの有効性の検証(ジャスダック・マザーズ)

次に、ジャスダック・マザーズ銘柄に限定した場合の押し目買いの有効性について検証してみます。

i.検証結果(押し目買いの有効性)

【検証結果】押し目買い(ジャスダック・マザーズ)

出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面

■バックテスト結果■

 勝率: 60.93 %
 勝ち数: 21,775 回
 負け数: 13,963 回
 引き分け数: 1,183 回

 平均損益(円): 2,825 円  平均損益(率): 1.41 %
 平均利益(円): 14,687 円  平均利益(率): 7.34 %
 平均損失(円): -15,434 円  平均損失(率): -7.72 %

 合計損益(円): 104,307,607 円  合計損益(率): 52,155.57 %
 合計利益(円): 319,813,934 円  合計利益(率): 159,912.07 %
 合計損失(円): -215,506,327 円  合計損失(率): -107,756.51 %

 PF: 1.484
 平均保持日数: 6.92 日

 

以上が、検証結果です。

検証結果を見てみると、勝率は60.93%平均損益は1.41%です。

以上の結果を考慮すると、ジャスダック・マザーズ銘柄に限定した「押し目買い」は、有効な投資戦略と判断できるでしょう。

また、平均損益も高く、資産曲線も今回検証した中では最もきれいに右肩上がりに推移しています。

ジャスダック・マザーズ銘柄に限定した「押し目買い」は、ほかの市場と比較すると非常に相性が良いといえるでしょう。

7.押し目買いに相性が良い銘柄は?

ここでは、押し目買い戦略で有効に機能している銘柄を確認します。

押し目買い戦略が有効に機能している銘柄には、どのような傾向があるのでしょうか?

こちらが、押し目買い戦略で有効に機能していた銘柄のランキング一覧です。

見てみると、新興市場などの小型株が多く含まれていることが分かります。
値動きの大きい銘柄の方が、押し目買い戦略は有効に機能していたと考えられます。

8.まとめ 押し目買いは有効か?

押し目買い戦略について、有効性の確認をおこないましたが、いかがでしたでしょうか。

どの期間でも有効に機能していることが分かったかと思います。

「押し目買い」は、浅い下落で買い付けする戦略であることから、トレードのチャンスは頻繁におとずれます。

とても有効な戦略ですので、ぜひ「押し目買い」に注目してみてはいかがでしょうか。

■追伸

この「押し目買い」は、システムトレーダーにとっては絶対に欠かせない売買ルールのひとつでしょう。

「逆張り」や「順張り」以上に、重宝されている戦略です。

この戦略を、よりブラッシュアップすることで、長期間安定した運用成果が期待できる戦略にすることができます。

もし、これをお読みいただいた方で、システムトレードを始めようと思った時は、「押し目買い」の作成に注力されることをオススメします。

<追伸>
コロナショックで相場が大きく動いている最中ですので、今の株価動向が気になる方も多いかと思います。
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