日本株

浮動株とは

浮動株とは、発行されている株式の中で、市場に流通して売買される可能性の高い株式のことです。

一方、上場株式の中でも、創業者一族や企業役員、親会社が保有している株式、複数の会社が相互に株式を保有し合う持ち合い株など、市場に流通する可能性が低い株式は「固定株」と呼ばれます。

つまり、上場企業が発行している上場株式から固定株を除いたものが「浮動株」となります。

浮動株比率が高い銘柄は積極的に売買されて流動性が大きくなる一方、浮動株比率が低い銘柄は取引量が増加すると株価が乱高下しやすくなる可能性があるため注意が必要です。

また、個人投資家が長期保有している株式も市場に流通する可能性は低いですが、こちらは固定株にはカウントせず、浮動株にカウントされます。

個人投資家が保有している銘柄が、短期保有なのか長期保有なのかを見分けることが困難であるためです。

 

浮動株比率の調べ方

浮動株比率は、書籍版「会社四季報」の【株主】欄に記載されている<浮動株>の値を参照すると確認できます。

また、企業が公表している有価証券報告書などの資料からも「浮動株主数」を把握可能です。

ただ、これらの方法はコストや手間が掛かるため、ネットからサクッと簡単に調べられる方法として、「会社四季報」と提携している証券会社の銘柄ページから調べる方法がおすすめです。

今回は、SBI証券と楽天証券を使って、携帯キャリアの【9434】ソフトバンクの浮動株比率を調べる方法を見ていきましょう。

ただ、SBI証券と楽天証券のいずれの証券会社で浮動株比率を調べる場合も、口座開設しておく必要がある点には注意が必要です。

 

SBI証券で浮動株比率を調べる方法

SBI証券で、浮動株比率を調べる方法を見ていきましょう。

まずSBI証券の総合口座にログイン後、上部タブの「国内株式」をクリックします。

浮動,株,調べ方

ページ中部にある「銘柄を探す」欄に銘柄コードもしくは銘柄名を入れて、「検索」をクリックします(【9434】ソフトバンクの銘柄コード:9434、もしくは銘柄名:ソフトバンクと入れて検索しましょう)。

検索結果一覧から「ソフトバンク」をクリックすると、ソフトバンクの銘柄情報が表示されます。

続いて、上部タブにある「四季報」をクリックしましょう。

浮動,株,調べ方

すると、会社四季報の「企業概要」が表示され、下の方にある【株主】欄を見ると、<浮動株>に浮動株比率を確認できます。

浮動,株,調べ方

ソフトバンクの浮動株比率は「11.5%」であることが確認できました。

なお、SBI証券にログインしていないと、会社四季報の情報は見られないため注意しておきましょう。

 

楽天証券で浮動株比率を調べる方法

楽天証券で、浮動株比率を調べる方法を見ていきましょう。

まず楽天証券の総合口座にログイン後、上部タブの「国内株式」をクリックします。

浮動,株,調べ方

ページ中部にある銘柄検索欄に銘柄コードもしくは銘柄名を入れて、「検索」をクリックします(【9434】ソフトバンクの銘柄コード:9434、もしくは銘柄名:ソフトバンクと入れて検索しましょう)。

浮動,株,調べ方

検索結果一覧から「9434 ソフトバンク」をクリックすると、ソフトバンクの銘柄情報が表示されます。

続いて、上部タブにある「四季報」をクリックしましょう。

浮動,株,調べ方

すると、会社四季報の「企業情報」が表示され、下の方にある【株主・役員構成】欄で、<浮動株>に浮動株比率を確認できます。

浮動,株,調べ方

ソフトバンクの浮動株比率は「11.5%」であることが確認できました。

なお、楽天証券もログインしていないと、会社四季報の情報は見られないため注意しておきましょう。

 

浮動株比率の目安

浮動株比率は、具体的にどの程度が目安となるのかについて見ていきましょう。

 

東証は浮動株比率が高いことを重視している

公正な株式取引を実現するためにも、浮動株比率が高いことは重要なポイントです。

東証では、投資家との建設的な対話促進の観点から、安定株主の割合が株主総会における特別決議可決のために必要な水準(3分の2)を占めることのないよう公開性を求めています。

東証の各市場に上場する条件として、流通株式数にいくつかの基準が設けられており、上場企業にはこの基準を超えることが求められています。

 

東証プライム市場

東証スタンダード市場

東証グロース市場

流通株式数

20,000単位以上

2,000単位以上

1,000単位以上

流通株式時価総額

100億円以上

10億円以上

5億円以上

流通株式比率

35%以上

25%以上

25%以上

※出典:日本取引所

「流通株式比率」とは、実質的に浮動株比率のことを指しています。

つまり、東証における浮動株比率は、東証プライム市場では35%以上、東証スタンダード市場と東証グロース市場では25%以上が目安と言えそうです。

 

TOPIXの算出方法は「浮動株時価総額加重方式」

東証が算出しているTOPIX(東証株価指数)も、浮動株を重視して算出されることが知られています。

TOPIXは、東証プライム市場の全銘柄を対象に、トヨタやソニーグループなど時価総額が大きい銘柄の比重が高くなる時価総額加重平均型で算出されますが、その時価総額は浮動株のみを対象としたものです。

このため、TOPIXの算出方法は「浮動株時価総額加重方式」と呼ばれています。

 

浮動株比率ランキング

東証プライム市場の銘柄について、浮動株比率が高い銘柄および浮動株比率が低い銘柄のランキングを見ていきましょう。
※各データは2023年7月5日時点の値
※各情報は個人投資家向け 株価情報NAVI「Stock Weather」を参照しました。

浮動株比率が高い銘柄トップ10

順位

銘柄名

浮動株比率

1

【3197】すかいらーくホールディングス

74.80%

2

【9861】吉野家ホールディングス

72.10%

3

【8163】SRSホールディングス

65.90%

4

【7616】コロワイド

62.50%

5

【8160】木曽路

58.80%

6

【9900】サガミホールディングス

58.80%

7

【8200】リンガーハット

56.50%

8

【9202】ANAホールディングス

51.70%

9

【8153】モスフードサービス

51.50%

10

【9046】神戸電鉄

50.90%

東証プライム市場の浮動株比率が高い銘柄を見てみると、1位から7位まで全てが外食企業となっています。

 

浮動株比率が低い銘柄トップ10

順位

銘柄名

浮動株比率

1

【5838】楽天銀行

0.00%

2

【4612】日本ペイントホールディングス

0.30%

3

【2433】博報堂DYホールディングス

0.90%

4

【2670】エービーシー・マート

0.90%

5

【9962】ミスミグループ本社

0.90%

6

【3092】ZOZO

1.30%

7

【6740】ジャパンディスプレイ

1.40%

8

【2492】インフォマート

1.50%

9

【7532】パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス

1.50%

10

【6028】テクノプロ・ホールディングス

1.60%

東証プライム市場の浮動株比率が低い銘柄を見てみると、さまざまな業種の銘柄が入っています。

浮動株比率が低い銘柄は流動性が低くなりやすいと言われますが、【4612】日本ペイントホールディングスや【2670】エービーシー・マート、【3092】ZOZOなどは積極的に売買されている銘柄です。

浮動株比率が低いからといって、必ずしも流動性が小さくなるわけではないと言えます。

 

まとめ

この記事では、浮動株の調べ方や目安、浮動株比率が高い銘柄および低い銘柄について見てきました。

浮動株とは、発行されている株式の中で、市場に流通して売買される可能性の高い株式のことで、上場株式から固定株を除いたものです。

浮動株比率は、書籍版「会社四季報」で調べられますが、「会社四季報」と提携しているSBI証券や楽天証券などの証券会社にログインすることでもチェック可能です。

浮動株比率の目安として、東証は東証プライム市場の上場条件に流通株式比率35%以上という基準を設定しています。

東証プライム市場の浮動株比率が高い銘柄を見てみると、外食チェーンが多くを占めていることが分かります。

また、浮動株比率が低いからといって、必ずしも流動性が小さくなるわけではなく、浮動株比率はあくまでトレードにおける一要素に過ぎません。

 

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