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1.ストキャスティクスとは

ストキャスティクスは、一定期間の株価の最高値と最安値に対し、現在の株価が高すぎるのか低すぎるのかを2本の折れ線で表した指標です。株価の変化に敏感な、「ファストストキャスティクス」(%K、%D)と、動きの遅い「スローストキャスティクス」(%D、SD)があります。「ファストストキャスティクス」では、%Kが%Dを上抜け(下抜け)すると、買いシグナル(売りシグナル)と判断します。また、両者が80%以上の位置にあると「買われすぎ」、20%以下の位置にあると「売られすぎ」と判断します。

この%Kライン、%Dライン、SDラインは以下のように定義されます。

別記事で説明しているRSIや移動平均線といったテクニカル指標は、終値だけに注目しており、初値、高値、安値を検証の対象としてきていませんでした。それに対して、ストキャスティクスは、高値・安値まで含めて検証の対象としている点が大きな特徴です。算出方法自体は非常にややこしい式ですが、各証券会社が提供しているチャートに記載されていることが多いので覚えなくて結構です。

この記事を書いた人

西村剛
西村剛

フェアトレード株式会社 代表取締役。機関投資家出身で統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-1グランドチャンピオン大会で+200.4%、2012年+160.1%、2013年157.0%を叩き出し三連覇達成。証券アナリスト検定会員。システムトレードを使った定量分析と、これまでファンドマネジャーとして培ったファンダメンタルズ分析を融合した新しい視点で株式市場を分析し、初心者でもわかりやすい言葉を使った解説に定評がある。


2.ストキャスティクスの有効性

今回は一般的に言われている「%Kラインと%Dラインがともに20%以下の領域で、%Kラインが%Dラインを上回ったら買いで80%以上の領域で、%Kラインが%Dラインを下回ったら売り」が果たして有効かどうか調べてみました。ルールの詳細は以下の通りです。

ⅰ.ルール詳細(ストキャスティクスの有効性の検証)

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バックテストモード:標準モード

バックテスト期間:2000年1月1日から2019年12月31日

バックテスト対象の銘柄:日経平均採用銘柄

売買単位:金額固定(単位枚数を無視)

買いルール:%K(9日)が20%以下
      %D(9,3日)が20%以下
      %Kラインが%Dラインを上抜け

⇒上記を満たした翌日に成行で買い

売りルール:%K(9日)が80%以上
      %D(9,3日)が80%以上
      %Kラインが%Dラインを下抜け

⇒上記を満たした翌日に成行で売り

【買いルール詳細】

【売りルール詳細】

出所:システムトレードの達人 達人モード「ストラテジーの設定内容」画面

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ⅱ.検証結果(ストキャスティクスの有効性の検証)

検証結果は以下の通りです。

運用資産の推移

出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面

■バックテスト結果■

勝率: 65.08 %
勝ち数: 8,986 回
負け数: 4,821 回
引き分け数: 85 回
平均損益(円): 2,572 円   平均損益(率): 1.29 %
平均利益(円): 15,105 円   平均利益(率): 7.55 %
平均損失(円): -20,744 円   平均損失(率): -10.37 %
合計損益(円): 35,732,010 円   合計損益(率): 17,867.01 %
合計利益(円): 135,736,967 円   合計利益(率): 67,870.66 %
合計損失(円): -100,004,957 円   合計損失(率): -50,003.65 %
PF: 1.357
平均保持日数: 50.96 日

3.まとめ ストキャスティクスは有効?

資産曲線が概ね右肩上がりの曲線となっており、それなりに有効なルールだと見て取れます。また、勝率65.08%、平均損益1.29%、PF1.357となっており、統計的にはやや有効な結果と言えるでしょう。

ストキャスティクスはその式の性質上、売買のシグナルが他の指標と比べて出やすく、いわゆる「ダマシ」も多いのが欠点です。その指標だけで売買の判断基準にすることは非常に危険です。ストキャスティクスに限らず、テクニカル指標を使う際には他の指標を複数組み合わせて慎重に判断することが、売買成績を上げるポイントと言えるでしょう。

なお、これはあくまで日経平均採用銘柄の傾向です。他の市場については、調べてみると別の傾向が得られるかもしれません。気になる方は、ぜひご自身でも検証してみてはいかがでしょうか。

<追伸>
コロナショックで相場が大きく動いている最中ですので、今の株価動向が気になる方も多いかと思います。
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