日本株

執筆者

西村剛
西村剛

フェアトレード株式会社 代表取締役。機関投資家出身で統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-1グランドチャンピオン大会で+200.4%、2012年+160.1%、2013年157.0%を叩き出し三連覇達成。証券アナリスト検定会員。システムトレードを使った定量分析と、これまでファンドマネジャーとして培ったファンダメンタルズ分析を融合した新しい視点で株式市場を分析し、初心者でもわかりやすい言葉を使った解説に定評がある。



システムトレード

投資家のバイブル「会社四季報」

会社四季報は初版から80年という長い歴史において、トレーダーのバイブルとして重宝されてきました。
時代の需要に合わせて現在はCD-ROM版、オンラインでの閲覧サービスやkindleでも購読することができるようになっています。
そしてこれらはインターネットさえ使えれば初心者でも手をだしやすく、特にオンラインの銘柄検索や簡単なスクリーニング機能は大変便利なツールになるでしょう。

一方、現代において意外な盲点になるのが書籍版の四季報です。

20代のトレーダーであれば手に取った経験すらないということも珍しくなく、そういった場合は当然書籍版の種類や利点についても把握できていないでしょう。

そこで今回は通常版とワイド版2種類の違いと、どんな人におすすめできるかを解説しますので、株式業界の知見をさらに深めていきましょう。

2種類の会社四季報

書籍版の四季報には通常版とワイド版の二種類があり、まず最初に挙げられる大きな違いは書籍自体のサイズです。
一方、もちろん両者の違いはそれだけではありませんので、ここからはそれぞれを詳しく見ていきます。

具体的な両者の違いとは

それぞれの具体的なサイズは以下の通りとなっており、ワイド版は通常版の倍の大きさとなっています。

・通常版 B6サイズ(128mm×182mm)
・ワイド版 B5サイズ(182mm×257mm)

数字だけではイメージがつきにくいかと思いますので、実際に見比べてみましょう。

shikiho_size.jpg

出典:livedoor NEWS

画像で見るとその違いは明らかで、重量は通常版で約1kg、ワイド版はやはり倍の約2kgとなります。
また、ページ数は両者とも変わらず約2,000ページ、厚さは約4.5cmですので、寝具のマットレスと同程度の分厚さです。
加えて肝心の料金は通常版が2300円(税込み)、ワイド版が2900円(税込み)と600円の差がありますが、これは使っている紙の量や後述するある利点の存在が影響しています。

主な違いの一覧表

 通常版ワイド版
サイズB6サイズ(128mm×182mm)B5サイズ(182mm×257mm)
重量約1kg約2kg
ページ数約2,000ページ約2,000ページ
料金2,300円(税込み)2,900円(税込み)

実際に利用する際の違い

次は実際に分析で利用する際の違いを見ていきましょう。
最初に注目したいのはワイド版特有の文字の大きさと余白の多さです。

shikiho_pages.jpg出典:Hidelog

通常版は限られたスペースの中にびっしりと情報が詰め込まれていますが、ワイド版はスペースに余裕を持たせて読みやすくなっていますね。
一方、保管のしやすさに関しては通常版の方が当然扱いやすく、普通サイズのカバンに入れて持ち運ぶこともできるでしょう。
ワイド版も大きめのカバンであれば入れることはできますが、重さがネックになってしまいそうです。

実際に使う上での違い一覧表

 通常版ワイド版
文字の大きさ文字が小さめで1ページに詰め込まれている文字が大きく余白もある
保管のしやすさ保管には苦労しないサイズ感小さな本棚には収まらない可能性がある
持ち運びやすさカバンに入れて持ち運べる大きなカバンなら入るが重量がある

袋とじはワイド版にしかない特典

ここまでは両者に共通している要素の差を解説しましたが、次は四季報ワイド版にしかない袋とじ特典を見ていきましょう。

・高進捗率ランキング
1年間を通した業績予想に対して、四半期決算業績を達成している銘柄をランキング形式で参照することができます。
高進捗率な銘柄ほど業績が上方修正される可能性も高く、市場が注目して株価が値上がりする前に保有しておくこともできるでしょう。

・V字回復ランキング
当期に収益が目減りしている一方、総合的な検証に基づいて今後の業績回復が期待できる銘柄を紹介しています。
こちらも市場の注目をまだ集めていない可能性がありますので、ランキングを見て自己分析を重ねることで確度の高い銘柄選定に役立つでしょう。

以上の特典は長年市場に精通してきた東洋経済新報社が監修しているもので、精度や信憑性に関しては無料情報サイトとは一線を画した情報ソースです。
実際のところワイド版の最大のメリットはこの袋とじにあるといっても過言ではありませんので、コストはかかりますが試しに一読してみるのも良いですね。

四季報ワイド版はこんな人におすすめ

通常版と様々な点が異なるだけでなく、限定袋とじもついているワイド版は特に以下の方におすすめできますので、自身が当てはまる場合は是非利用を検討して下さい。

持ち運ばずに自宅で分析が完結する

ワイド版の最大のネックはサイズの大きさと重量ですが、そもそも持ち運ばないという方は特に気にする必要はないでしょう。
保管スペースさえ確保できればワイド版の利点をフルに活かして分析できます。

プロの相場分析を取り入れたい

四季報の相場分析や袋とじのランキングを作成しているのは、株式の世界で80年間情報を提供し続けてきた東洋経済新報社です。
初心者のうちは当然自己分析に自信が持てないこともありますので、プロの見解を取り入れることで分析精度を高めることができるでしょう。

これまで通常版を利用していた

これまで2,300円のコストを払って通常版を利用していた方は600円を足してワイド版に切り替えても良いでしょう。
通常版の要素は全て備えているだけでなく、読みやすさや袋とじ等を考慮すれば差額分の価値はあるといえます。

その他の四季報

今回は書籍の通常版とワイド版をメインに解説してきましたが、四季報にはその他にも以下のような種類が用意されています。

・会社四季報オンライン
四季報のオンラインサービスで銘柄検索はもちろん、業績や企業規模を設定して銘柄のスクリーニングができます。

・会社四季報CD-ROM
最新号を含めた1年分の全上場銘柄のデータを収録しており、スクリーニングはもちろん様々な分析に利用できます。

・会社四季報プロ500
通常は3,700社の全上場銘柄を掲載していますが、こちらは500銘柄に厳選してより詳細な解説をしています。

これらは全てにおいて良質な情報をトレーダーに提供している一方、それぞれに違ったメリットがありますので、自身の目的に合わせて検討してみて下さい。

まとめ

今回は会社四季報ワイド版と通常版の違い、ワイド版がおすすめな方について解説してきました。
四季報は東洋経済新報社が監修している80年の歴史を持ったトレーダーにとってのバイブルです。
一方、時代の移り変わりで変動するトレーダーのニーズに合わせて形を変え、様々な形で株取引の一助となっています。
そしてその中でもワイド版の特典は他では利用できないものとなっており、分析効果の向上に大きく役立つことが期待できますので、本記事をご参考に是非検討下さい。


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