目次
トレンドラインとは
トレンドラインとは、株価チャートの安値と安値、あるいは高値と高値を結んだ線のことです。
株価が上昇トレンドにあるときには、上昇中に切り下げている安値と安値を結びます。
株価が下落トレンドにあるときには、下落中に切り上げている高値と高値を結びます。
株価がレンジ相場(横ばい)にあるときは、高値と高値、安値と安値を結ぶことでボックス圏を把握可能です。
トレンドラインがチャート分析で機能する背景には、多くの投資家やトレーダーがトレンドラインを使って取引をしていることが挙げられます。
株式トレードにおいては、全体相場や手掛けている個別銘柄のトレンドを把握することは非常に重要です。
トレンドに沿ったトレード手法は「順張り(トレンドフォロー)」、トレンドに逆らって投資する手法は「逆張り」と呼ばれますが、いずれにしても現在のトレンドを把握していなければできません。
トレンドラインは、現在のトレンドの把握に使われるほか、エントリーのきっかけに使うこともできます。
トレンドラインの引き方と見方
トレンドラインの引き方と見方について、次の3パターンのトレンドにおいて見ていきましょう。
- 上昇トレンド
- 下落トレンド
- レンジ相場
上昇トレンドのトレンドライン(下値支持線)の引き方
上昇トレンドでトレンドラインを引く際には、上昇中に切り下げている安値と安値を結びます。
次のチャート画像は、メガバンクの【8306】三菱UFJフィナンシャル・グループの日足チャートです。
上図について、切り下げている安値と安値を結んだトレンドラインを引いてみると次のようになります。
上昇トレンドで引けるトレンドラインは、「下値支持線(サポートライン)」と呼ばれます。
上昇トレンドでは、株価が下落しても下値支持線で反発し、株価が上昇していくトレンドが継続すると考えられます。
ただ、下値支持線を割り込んだ場合には上昇トレンドの転換点となり、横ばいや下落になる可能性が出てくるため注意が必要です。
また、トレンドラインを引く際には、複数のトレンドラインを引ける場合があります。
これは「ファン理論」と呼ばれるもので、トレンドラインが急であればあるほど、その上昇トレンドは強いものと考えられます。
下落トレンドのトレンドライン(上値抵抗線)の引き方
下落トレンドでトレンドラインを引く際には、下落に切り上げている高値と高値を結びます。
次のチャート画像は、再生可能エネルギー事業者大手【9519】レノバの日足チャート(2022年10月~2023年2月)です。
上図について、下落中に切り上げている高値と高値を結んだトレンドラインを引いてみると次のようになります。
下落トレンドで引けるトレンドラインは、「上値抵抗線(レジスタンスライン)」と呼ばれます。
下落トレンドでは、株価が上昇しても上値抵抗線を超えられず、株価が下落していくトレンドが継続すると考えられます。
ただ、上値抵抗線を突破した場合には下落トレンドの転換点となり、横ばいや反発になる可能性が出てきます。
また、上図ではトレンドラインは1本しか引いていませんが、下落トレンドの場合も、複数のトレンドラインを引ける場合があります。
トレンドラインが急であればあるほど、その下落トレンドは強いものと考えられます。
レンジ相場のトレンドラインの引き方
レンジ相場(横ばい)の場合には、高値と高値、安値と安値を結ぶことでトレンドラインが引けます。
次のチャート画像は、TOPIX(東証株価指数)の日足チャートです。
TOPIXは、上昇トレンド後に高値圏で横ばいとなっていることが分かります。
上図について、レンジ相場の高値と高値、安値と安値を結んだトレンドラインを引いてみると次のようになります。
レンジ相場で引けるトレンドラインは、高値と高値を結んだ線は「上値抵抗線(レジスタンスライン)」、安値と安値を結んだ線は「下値支持線(サポートライン)」と呼ばれ、単に「抵抗線」「支持線」と呼ぶ方も少なくありません。
レンジ相場は、上値抵抗線と下値支持線のボックス内で横ばいになると考えられます。
ただ、上値抵抗線・下値支持線のいずれかを突破した場合には、レンジ相場の転換点となり、上値抵抗線を上放れした場合には上昇トレンドに、下値支持線を下放れした場合には下落トレンドになる可能性があります。
トレンドラインを使ったトレード手法
トレンドラインを使った、代表的なトレード手法について見ていきましょう。
押し目買い、戻り売り
トレンドラインが機能してトレンドが継続すると期待する場合には、トレンドラインに沿った押し目買い、戻り売りという手法があります。
押し目買いとは、上昇トレンドにおいて、株価が上昇トレンドラインまで下落してきたら、下値支持線からの反発を期待して買うことです。
戻り売りとは、下落トレンドにおいて、株価が下落トレンドラインまで反発してきたら、上値抵抗線からの反落を期待して空売りする手法です。
特に、トレンドラインが3回以上機能した場合には、4回目以降も機能することを期待してエントリーします。
【8306】三菱UFJフィナンシャル・グループの上昇トレンドでは、3回以上機能した下値支持線に沿って買えば、押し目買いで利益になっていたことが分かります。
【9519】レノバの下落トレンドでは、3回以上機能した上値抵抗線で空売りしていれば、戻り売りで利益になっていました。
ただ、トレンドラインの継続に賭けて押し目買い・戻り売りする場合には、トレンドラインが突破された場合には注意が必要です。
トレンドラインが突破されてトレンドが転換してしまった場合には早めに損切りをしないと、トレンドの転換に巻き込まれて大きな損失になってしまうリスクがあると留意しておきましょう。
ブレイクアウト狙い
株価がトレンドラインを突破して、トレンドの転換となった場合には、トレンドのブレイクアウトによって大きな値動きが起こりやすく、大きな利益を狙える場合があります。
上昇トレンドでは、株価が下値支持線を割り込んできたら、トレンドの転換となるかもしれません。
下落トレンドでは、株価が上値抵抗線を突破してきたら、トレンドの転換で反発となる場合があります。
レンジ相場においても、株価が上値抵抗線を突破してブレイクアウトしたら上昇トレンド転換狙いの買い、下値支持線を割り込んでブレイクアウトしたら下落トレンド狙いの空売りが機能するかもしれません。
輸入家具大手の【9843】ニトリホールディングスは、下落トレンドで3回以上機能した上値抵抗線を突破後、10%近く反発しました。
ただ、トレンドラインのブレイクアウトが騙しとなって、トレンドラインに戻ってきてトレンド継続となるケースもあるため、やはり損切りの設定をしておくことが重要です。
トレンドラインを使う際の注意点
トレンドラインを使ってトレードする際の注意点について押さえておきましょう。
時間軸に合わせてトレンドラインを引く
トレンドラインを使う目的の一つに、その銘柄のトレンドの状態を見極めることが挙げられます。
ただ、株価チャートというのは、時間軸によってトレンドが異なっているケースが少なくありません。
短期の日足チャートや週足チャートでは上昇トレンドの一方で、超短期の5分足チャートや長期の月足チャートでは下落トレンドといったことが起こり得ます。
重要なことは、自分自身が手掛けているトレードや投資に合わせた時間軸でトレンドラインを引くことです。
デイトレードをする場合には超短期の5分足のトレンドラインを、スイングトレードをする場合には日足や週足のトレンドラインを、長期投資をする場合には月足チャートのトレンドラインを確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、トレンドラインの引き方や見方について解説してきました。
トレンドラインは、上昇トレンドの際には切り下げている安値と安値を結んだ「下値支持線」、下落トレンドの際には切り上げている高値と高値を結んだ「上値抵抗線」を結びます。
トレンドラインを使ったトレード手法としては、3回以上機能したトレンドラインが継続することに期待する押し目買い・戻り売り、トレンドラインが突破されて転換点となることに期待するブレイクアウト狙いなどがあります。
トレンドラインは多くの投資家が使っている手法ですが、絶対確実な方法ではないことには注意しておきましょう。
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