こんにちは。
今回は、「売買手数料が運用成績に大きな差を生む」 についてご紹介したいと思います。

売買手数料にはついては、 いろいろなサイトで安い証券会社が紹介されています。

よって、私がお伝えするまでもなく、 理解されている方もいるかもしれません。
雑誌やいろいろなサイトでも、 「ネット証券の手数料は安い!!」という言葉を目にします。
ただ、「安い!!」と言われても、長年使っている証券会社から、 新たに別の証券会社に申し込みをするのは、少し面倒ですよね。

では、大手証券会社とネット証券でそれぞれ注文を出し続けた場合、 どれほど成績が変わるのかについて検証してみましょう!

その金額の差がある程度許容できる範囲内ならば、別に大手証券会社でもかまわないですよね。
一方で、その差が明確に異なるならば、 ネット証券に変えるべきでしょう。

では、さっそく検証してみましょう。

執筆者

田村 祐一
田村 祐一

フェアトレード株式会社所属。調査本部アナリスト。統計データを重視したシステムトレードとファンダメンタルを組み合わせて銘柄分析を行う。株主優待先回り買い等の「イベント投資」にも注力。


1.売買手数料による成績の比較検証(大手証券会社VSネット証券)

検証内容は以下の通りです。

■ルール詳細(売買手数料による成績の比較)

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運用資金:150万円
検証対象:日経225採用銘柄(225銘柄)
検証期間:2000/01/01~2020/09/30 
1銘柄当たりの投資金額:30万円

【買い条件】 ・終値と5日移動平均線との乖離率が-10%以上離れる(条件式①)
上記条件を満たした銘柄が翌日に、成行買い

【売り条件】 ・含み益が5%以上 もしくは、
       ・買い付けしてから15日以上経過
上記2つの条件のどちらかを満たした場合に、翌日成行売り ===========================================

上記が、検証内容です。
運用資金150万円で運用し、1銘柄に30万円投資した場合の検証をしていきます。
ルールの内容については、今回の趣旨と外れるので割愛しますが、この条件で運用した時に、売買手数料によって、成績がどのように変化するか確認しましょう。

なお、売買手数料の額については、
大手証券会社の売買手数料(往復)を「3000円
ネット証券の売買手数料(往復)を「300円とします。

この金額については、おおよその目安です。

では、さっそく検証してみましょう。
まずはじめは、「売買手数料300円」の検証です。

検証結果は、以下の通りです。

【検証結果.1】売買手数料300円


出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面

■バックテスト結果■

勝率: 69.94 %
勝ち数: 605 回
負け数: 260 回
引き分け数: 1 回
約定率: 99.88 %

平均損益(円): 5,735 円  平均損益(率):2.68 %
平均利益(円): 17,119 円  平均利益(率): 8.19 %
平均損失(円): -20,733 円  平均損失(率): -10.14 %

合計損益(円): 4,966,400 円  合計損益(率):2,317.77 %
合計利益(円): 10,357,100 円  合計利益(率): 4,953.69 %
合計損失(円): -5,390,700円  合計損失(率): -2,635.92 %

最大連勝回数: 20 回
最大連敗回数: 8 回

最大ドローダウン(簿価ベース): 528,900 円(2009/03/09)
最大ドローダウン(時価ベース): 884,900 円(2008/10/27)

プロフィット・ファクター(総利益÷総損失):1.921 
平均保持日数(イグジット済み銘柄のみ): 9.65 日

以上が、「売買手数料300円」の検証結果です。

では、次に「売買手数料3000円」の検証結果を見てみましょう。


【検証結果.2】売買手数料3000円

出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面

■バックテスト結果■

勝率:66.20 %
勝ち数:568 回
負け数:290 回
引き分け数:6 回
約定率: 99.88 %

平均損益(円): 2,948 円  平均損益(率): 1.32 %
平均利益(円): 15,278 円  平均利益(率): 7.29%
平均損失(円): -21,141円  平均損失(率): -10.35%

合計損益(円): 2,547,000 円  合計損益(率): 1,140.40 %
合計利益(円): 8,677,900 円  合計利益(率): 4,141.24 %
合計損失(円): -6,130,900 円  合計損失(率): -3,000.84 %

最大連勝回数: 19 回
最大連敗回数: 8 回

最大ドローダウン(簿価ベース): 820,800 円(2009/03/09)
最大ドローダウン(時価ベース): 964,200 円(2008/10/27)

プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 1.415
平均保持日数(イグジット済み銘柄のみ): 9.65 日

以上が、「売買手数料3000円」の検証結果です。

2.まとめ 大手証券会社VSネット証券、どちらが良い?

2つの検証結果を確認すると、
「売買手数料300円」の合計損益は、4,966,400 円
「売買手数料3000円」の合計損益は、2,547,000 円です。

その差は、約240万円です。
今回の検証では、取引回数は約850回程度です。
つまり、あなたが850回程度トレードを行うと、 手数料でこれくらいの差が出るということです。

いかがでしょうか?
この金額を高いとみるか、安いとみるかは、 人によって異なることでしょう。
しかし、大半の方が、「高い」と感じるのではないでしょうか。

「高い」と感じた方については、 ぜひ、「ネット証券」で取引すべきでしょう。

売買手数料の差も、1回のトレードではそれほど感じませんが、 何十回、何百回とトレードすると大きな差になっていきます。 まさに、「ちりも積もれば山となる」です。

もし、売買手数料についてこれまで深く考えていなかった方は、 一度「売買手数料」について調べてみてはいかがでしょうか。

■追伸

この記事については、決して「大手証券会社」を批判しているわけではありません。

「大手証券会社」では、口座開設すると、担当者がついてくれます。
担当者が情報提供や株のセールスをしてくれる分、「売買手数料」が高くなっています。
担当者は、優良な情報提供をしてくれて儲けが出るならば、ある程度高い売買手数料を払っても問題ないでしょう。

つまり、「ネット証券」と「大手証券会社」の手数料の差は、「情報提供の有無」で付加価値がついているかついていないかということです。 これについては、担当者次第の部分が大きいことから、紋切り型に「こうだ!!」と断言できません。

売買手数料の差と、情報提供の価値を総合的に判断して、どちらを使用するか、決められてはいかがでしょうか。

<追伸>
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