1.押し目買い戦略の改良方法
こんにちは、
今回は、「押し目買い戦略の改良方法~指値編~」について
取り上げたいと思います。
以前、「押し目買い戦略とは?」という記事で、
「押し目買い戦略」についてルールの詳細をご紹介しました。
そして、とても有効な戦略であることがわかりました。
実は、紹介したルールのある1部分の設定を変えるだけで、
より有効な戦略に進化させることができます。
では、その「ある1部分」とはどこでしょうか?
それは、「発注方法」です。
以前ご紹介した押し目買い戦略では、
条件に合致した銘柄を「成行注文」で買いつけしていました。
それを、「指値注文」に変更することで、成績が大きく改善するのです。
「指値注文」に変更した場合の効果を確認するために、
実際に検証してみましょう。
目次
2.押し目買い戦略の有効性(指値注文)
押し目買い戦略の概要は、以下の通りです。
ⅰ.ルール詳細(押し目買い戦略の有効性の検証)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
検証対象:全銘柄
検証期間:2000/01/01~2014/07/31
1銘柄当たりの投資金額:20万円
【買い条件】
・終値と5日移動平均線との乖離率が-5%以上離れる(条件式①) かつ
・終値と75日移動平均線との乖離率が0%以上離れている(条件式②)
上記2つの条件を満たした翌日に、「前日終値と同じ値段で指値注文(指値:前日終値0%)」
【売り条件】
・終値と5日移動平均線との乖離率が0%以上離れる(条件式③) もしくは、
・買い付けしてから15日以上経過(条件式④)
上気2つの条件のどちらかを満たした場合に、翌日成行売り
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以上が、今回の検証内容です。
以前ご紹介した押し目買い戦略では、
「買い条件」の発注方法は、「成行」でした。
そこで、今回は、「前日終値と同じ値段で指値注文」することにしました。
では、発注方法を指値に変更することで、成績はどのように変化するでしょうか。
ⅱ.検証結果(押し目買い戦略の有効性の検証)
検証結果は、以下の通りです。
【検証結果】押し目買い戦略:指値0%(前日終値と同じ値段)

出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面
■バックテスト結果■
勝率: 65.44 % | |
勝ち数: 31,712 回 | |
負け数: 16,744 回 | |
引き分け数: 1,911 回 | |
平均損益(円): 4,051 円 | 平均損益(率): 2.03 % |
平均利益(円): 13,912 円 | 平均利益(率): 6.96 % |
平均損失(円): -14,163 円 | 平均損失(率): -7.08 % |
合計損益(円): 204,027,351 円 | 合計損益(率): 102,017.11 % |
合計利益(円): 441,170,929 円 | 合計利益(率): 220,592.86 % |
合計損失(円): -237,143,578 円 | 合計損失(率): -118,575.75 % |
PF: 1.860 | |
平均保持日数: 7.03 日 |
以上が、検証結果です。
3.押し目買い戦略(指値注文)は有効?
検証結果を見てみると、勝率は65.44%、平均損益は2.03%です。
成行注文の場合の成績「勝率:64.02%、平均損益:1.7%」と比較すると、
勝率と平均損益ともに成績が改善していますね。
なお、成行注文の場合の成績の詳細を確認したい場合には、こちらをご覧くださいね。
発注方法を、「成行」注文から、「指値」注文に変更することで、
勝つ確率が高くなり、かつ1回あたりの損益も増えています。
よって、発注方法を「指値」に変更することで、
「押し目買い戦略」はより有効な戦略に進化したと言えるでしょう。
次に、この「指値注文」について、より一歩踏み込んで改良していきます。
4.成績の検証(指値注文)
先程の検証では、指値の数値を
「前日終値と同じ値段(指値:0%)」で検証しました。
では、指値の数値を変更すると、
押し目買い戦略の成績はどのように変化するでしょうか?
指値の数値をいくつかのパターンに分けて検証した結果を
以下に記載しますので、ご覧下さい。

上記は、「押し目買い戦略」の発注方法を、「成行」「指値0%」
「指値-2%」「指値-5%」「指値-10%」にしたときの検証結果です。
指値の数値を「マイナス(前日よりも低い値段)」にするほど、
「勝率」や「平均損益」が改善していくことが確認できます。
5.まとめ 押し目買い戦略改良の有効性(指値注文)
この結果を見る限り、「押し目買い戦略」は、指値の数値を前日終値に対して、
マイナスに設定することで、成績が改善する傾向があると言えるでしょう。
一方で、指値をマイナスに設定することで、悪化している項目もあります。
それは、「トレード数」です。
指値の数値をマイナスにするほど、トレード数は減少しています。
これは、指値を厳しく設定することで、
約定しないことが多くなったことが要因です。
指値を厳しく設定することで、勝率や平均損益は大きく改善するものの、
その一方で、トレード回数は減少してしまいます。
上記の表をご覧頂くことで、指値の数値を変更することで、
成績が大きく変化することがご理解いただけたのではないでしょうか。
これは、システムトレードに限らず、裁量トレードでも同じことが言えます。
自分が注目している銘柄を「成行注文」で買うか、「指値注文」で買うかでは、
その後の運用成績は大きく異なっていきます。
特に、逆張りや押し目買い等の株価が下落している銘柄ならばなおさらです。
「指値注文」で買いつけすることで、
不用意に損失を被るリスクを低減することができるでしょう。
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