こんにちは、
今回は、「デッドクロスした銘柄の空売り戦略は有効か?」について、システムトレードの観点から検証をしてみました。
「デッドクロス」という単語は、あなたもよく耳にするかもしれません。
「デッドクロス」とは、短期の移動平均線が
長期の移動平均線を下抜くことを言います。
これと対をなすのが「ゴールデンクロス」です。
「ゴールデンクロス」とは、短期の移動平均線が
長期の移動平均線を下から上抜くことを言います。
一般的に、ゴールデンクロスは絶好の買いタイミング、
デットクロスは絶好の売りタイミングと言われています。
果たして本当なのでしょうか?
そこで、今回は、「デッドクロス」した銘柄を買い付け、「ゴールデンクロス」したタイミングで手仕舞いした場合に、過去の検証では利益が得られたかどうかを検証してみます。
目次
1.デッドクロス銘柄空売り戦略の有効性
では、さっそく検証条件を確認していきましょう。 検証条件は、以下の通りです。
ⅰ.ルール詳細(デッドクロス銘柄空売り戦略の有効性の検証)
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検証対象:日経平均採用225銘柄(2020年4月時点)
検証期間:2000/01/01~2020/09/30
【買い条件】
・5日移動平均線が25日移動平均線を下抜いた銘柄を、翌日成行で空売り
【売り条件】
・5日移動平均線が25日移動平均線を上抜いた、翌日に成行で買い戻し(手仕舞い)
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上記が、今回の検証条件です。
今回は、短期の移動平均を「5日移動平均線」、
長期の移動平均を「25日移動平均」としました。
仮に、勝率が高く、1トレードあたりの平均損益がプラスならば、この「デッドクロス」を利用した投資法は有効と言えるでしょう。
では、上記条件で検証した場合に、どのような検証結果になるでしょうか。
検証結果は、以下の通りです。
ⅱ.検証結果(デッドクロス銘柄空売り戦略の有効性の検証)
【検証結果】デッドクロス
出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面
■バックテスト結果■
勝率: 33.40 % | |
勝ち数: 9,477 回 | |
負け数: 18,899 回 | |
引き分け数: 347 回 | |
合計損益(率): -15,514.64 % | 平均損益(率): -0.54 % |
合計利益(率): 76,005.53 % | 平均利益(率): 8.02 % |
合計損失(率): -91,520.17 % | 平均損失(率): -4.84 % |
プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 0.830 | |
平均保持日数: 26.34 日 |
以上が、検証結果です。
2.まとめ デッドクロス銘柄の空売り戦略は有効?
検証結果を見てみると、勝率は33.40%、平均損益は-0.54%です。
勝率も低く、平均損益もマイナスとなっていることから、「デッドクロスした銘柄を空売りする戦略」は統計的に有効な戦略とは言えないでしょう。
単純に「デッドクロスしたから売ろう!!」という戦略は、まったく効果のない戦略と言えそうですね。
世の中では、「デッドクロス」は売りのシグナルと言われていますが、実はそんなことはないようですね。
■追伸
デッドクロスした銘柄の空売り戦略は、統計的に有効ではないことが分かりました。
ただし、この有効でない戦略も、ある条件を追加することで、成績が良くなる傾向があります。
それは、「終値が移動平均線(中期)よりも小さい」という条件です。
この条件を加えることで、成績が向上し、戦略としても機能する傾向があります。
つまり、「チャートが下落トレンドの銘柄のデッドクロスは空売りのチャンス」ということです。
「デッドクロス」は売りのシグナルですが、
あくまでも『下落トレンドの銘柄』という条件下のみ有効ということですね。
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