日本株


デッドクロスの使い方を動画で解説!


※動画が見られない方は デッドクロスで空売りしたら株で勝てる?【過去21年間の株価で検証】 をご覧ください。

株式投資の覚え始めに知るテクニックの一つに、「ゴールデンクロス」「デッドクロス」があります。

今回は、多くの投資家から親しまれているデッドクロスについて詳しく解説します。

「デッドクロス」の解説はもちろんですが、過去21年間の株価データを精細に分析し、「デッドクロス」の統計的な有効性についても公開します。

執筆者

西村剛
西村剛

フェアトレード株式会社 代表取締役。機関投資家出身で統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-1グランドチャンピオン大会で+200.4%、2012年+160.1%、2013年157.0%を叩き出し三連覇達成。証券アナリスト検定会員。システムトレードを使った定量分析と、これまでファンドマネジャーとして培ったファンダメンタルズ分析を融合した新しい視点で株式市場を分析し、初心者でもわかりやすい言葉を使った解説に定評がある。


システムトレード
 

1.ゴールデンクロスとは?

「デッドクロス」ゴールデンクロスは、あなたも株式投資を行っているとよく聞く単語かもしれません。

ゴールデンクロスとは、短期の移動平均線が、長期の移動平均線を上抜くことを言います。

文字だけだとイメージしにくいと思いますので、「ゴールデンクロス」のチャートをご覧ください。

上記は、ゴールデンクロスのイメージチャートです。

赤丸で囲まれた箇所を見てください。

短期の移動平均線(5日移動平均線)が、長期の移動平均線(25日移動平均線)を上抜けしています。

この上抜けすることをゴールデンクロスと呼びます。デッドクロスゴールデンクロスした後の株価は、その後も上昇が続き、大きく利益を上げることができています。

一般的に、ゴールデンクロスは、株価の上昇が続くサインとして知られています。

次に、「デッドクロス」について確認しましょう。

2.デッドクロスとは?

デッドクロスとは、短期の移動平均線が、長期の移動平均線を上から下抜けすることを言います。

先ほどと同様に、チャートで確認しましょう。

上記は、デッドクロスのイメージチャートです。

赤丸で囲まれた部分で囲まれた箇所を見てください。

短期の移動平均線(5日移動平均線)が、長期の移動平均線(25日移動平均線)を下抜けしています。

この下抜けすることをデッドクロスと呼びます。デッドクロス一般的に、デッドクロスは、株価の下落が続くサインとして知られています。

一般的に、ゴールデンクロスは絶好の買いタイミング、デッドクロスは絶好の売りタイミングと言われています。

株式投資を始めたばかりだと、買いのタイミングや売りのタイミングが掴みにくい中で、ゴールデンクロスとデッドクロスは、仕掛けるタイミングが分かりやすい魅力的なテクニカル指標と言えます。

ただし、このゴールデンクロスとデッドクロスが本当に有効な指標かどうかについて詳細に解説されているサイトや書籍はほとんどありません。

そこで、今回は、「デッドクロス」が本当に利益が出る投資手法なのかについて、過去21年間の株価データをもとに分析します。

3.デッドクロスで空売りは本当に有効??

デッドクロスは、短期の移動平均線(5日移動平均線)が、長期の移動平均線(25日移動平均線)を下抜けした後は、株価の下落が続く予兆として知られています。

言い換えると、デッドクロスしたタイミングは、空売りのチャンスと言えます。

そこで、デッドクロスした銘柄を空売りし、ゴールデンクロスしたタイミングで手仕舞いした場合に、利益が出るのかという分析をしたいと考えました。

さっそく、分析に入りましょう。分析内容の詳細は、以下の通りです。

ⅰ.ルール詳細(デッドクロスした銘柄を空売りした場合の有効性の検証)

デッドクロス上記が、今回の分析条件です。

5日移動平均線が25日移動平均線を下抜けするデッドクロスした銘柄を空売りし、その後、5日移動平均線が25日移動平均線を上抜けするゴールデンクロスのタイミングで買戻しを行い手仕舞いします。

これが、一般に広く知られているデッドクロス戦略です。

この戦略通りに過去21年間トレードした結果が、仮に、勝率が高く、1トレードあたりの平均損益がプラスならば、「デッドクロス」を活用した戦略は統計的に有効なテクニカル指標と判断できるでしょう。

なお、上場銘柄の中には、空売りできる銘柄と、空売りできない銘柄があります。

そこで、今回の分析対象は、空売りが可能な「東証1部貸借銘柄」としています。

では、上記の条件で過去の株価データでトレードした場合に、どのような分析結果になるでしょうか。分析結果は以下をご覧下さい。

ⅱ.分析結果(デッドクロスした銘柄を空売りした場合の有効性の検証)

デッドクロス分析結果を見てみると、勝率は33.62%平均損益は-0.69%です。

勝率も非常に低く、1トレード当たりの平均損益もマイナスとなっています。

以上の結果から、デッドクロスしたタイミングで空売りを仕掛ける戦略は統計的に有効な戦略とは言えないでしょう。

むしろ、デッドクロスした銘柄を空売りすることは、損失を被る可能性が高い、危ない投資と言えるでしょう。

世間一般で言われているデッドクロスの活用方法は、間違いである可能性が高いと言えるでしょう。

では、ここからもう一段踏み込んで分析していきましょう。

デッドクロスした銘柄を空売りすることが危険な投資なのであれば、デッドクロスした銘柄を買い付けすれば、利益が出るのではないでしょうか?

 

そこで、デッドクロスした銘柄を空売りではなく、逆に買い、ゴールデンクロスしたタイミングで手仕舞いした場合に、利益が出るのかという分析をしたいと考えました。

さっそく、分析に入りましょう。分析内容の詳細は、以下の通りです。

ⅲ.ルール詳細(デッドクロスした銘柄を買い付けした場合の有効性の検証)

デッドクロス上記が、デッドクロスした銘柄を買い付けした場合の分析条件です。

では、上記の条件で検証した場合に、どのような分析結果になるでしょうか。

分析結果は、以下の通りです。

ⅳ.分析結果(デッドクロスした銘柄を買い付けした場合の有効性の検証)

デッドクロス上記が、デッドクロスした銘柄を買った場合の分析結果です。

勝率は66.48%平均損益は+0.68%です。勝率は6割を超え、平均損益もプラスです。

以上の結果から、デッドクロスした銘柄は買い付けする戦略が有効と判断できるでしょう。

これは、デットクロスしたタイミングを考えると、5日移動平均線が25日移動平均線よりも上に位置している上昇トレンドから、5日移動平均線が25日移動平均線を割り込んでいる状態です。

言い換えると、短期的に株価が上昇していた銘柄が、調整していると言えます。

株価が上昇していた銘柄が調整したタイミングは、絶好の押し目買いのチャンスと言えるでしょう。

そのような理由から、デッドクロスした銘柄は、買い付けするほうが利益となる可能性が高いのでしょう。

4.まとめ

デッドクロスは、世間一般では空売りのチャンスと言われていましたが、過去21年間の株価データを確認する限り、その通りの結果とはなりませんでした。

むしろ、損失を被る可能性が高く、買い付けしたほうが有利という結果が出ました。
デッドクロス株式投資の世界では、一般的に知られている手法が必ずしも正しいとは限りません。

今回のデッドクロスの空売り戦略のように、過去データを調べることで、正しくないということはよくあります。

ぜひ、今回の分析内容を活用いただき、デッドクロスをうまく活用してくださいね。

<追伸>
【無料】株システムトレードの教科書の記事は「システムトレードの達人」を使って検証しています。
↓↓↓↓↓

今ならシステムトレードの達人(無料版)がこちらよりダウンロードできます。
ぜひ手に入れてください!