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テクニカル分析が無意味という意見もある
テクニカル分析は株式投資のみならず、仮想通貨やFXといった「チャートを見て」取引する金融商品には必要不可欠といえるでしょう。
実際のところ、株式関連の書籍でもテクニカル分析を専門に取り扱ったものは数多く出版されており、動画解説においてももちろん例外ではありません。
しかし、チャートパターンだけでは将来的な値動きを完璧に予測することは困難であり、自身が立てた仮説が裏切られるケースも多いことから、「テクニカル分析は無意味」という意見を持つ方も存在しているのです。
そこで本記事では、無意味とする根拠やテクニカル分析のメリットについてを詳しく解説していきます。
一方、最初に初心者の方に注意して頂きたいのは、「無意味としているトレーダーはテクニカル分析を知った上で結論付けている」ということです。
そのため、100%勉強する必要がないという趣旨の記事ではないことを、あらかじめ押さえて読んで頂ければと思います。
「テクニカル分析が無意味」と言う人の4つの根拠
ここではまず、テクニカル分析が無意味とされる根拠を4つに絞って解説します。
株式投資を行う上での注意点にも通ずるものがあるため、是非参考にして下さい。
相場の動きはランダム
テクニカル分析は無意味という人の根拠として、相場の「ランダムウォーク理論」があります。
これは、どの時点であっても上昇と下降の可能性が1/2となっていて、過去のトレンドやデータで将来の値動きを予想することはできないという理論です。
すなわち、過去のチャートに似ているパターンがあるからといって同様の動きを見せるとは限らず、相場は完全なランダムであり規則性は無いという考え方を持つ方も多くなっています。
科学的な根拠がない
テクニカル分析には科学的な根拠がなく、後付けで作られているものだという意見もあります。
実際のところ、全く経験のない初心者と相場に長けた専門家がテクニカル分析を用いて売買すると、収支結果に大きな差があると言われていますが、トレンドライン等は結果が出てから後付けで引かれているものです。
したがって、テクニカル分析が有効なら「なぜ将来に対してトレンドラインを引かないのか」という懐疑的な意見が少なくありません。
機能しない相場もある
テクニカル分析には、うまく機能する場合とそうでない相場状況があり、利用するテクニカルチャートの種類によって当然相性も異なります。
たとえば、レンジ相場に強いボリンジャーバンド等はトレンド相場の指標として参考にすることはできません。
反対に、トレンド相場に強い移動平均線であってもレンジ相場には弱いことから、1つの指標であらゆる相場に適用できるテクニカル分析は存在しないのです。
そして、そういった万能性の欠如も大きな根拠に挙げられています。
誰でも手間なく見ることができる
テクニカル分析は同じ手法、ツールを用いれば誰でも同様の結果を参照することが可能であり、そういった手軽さが無意味という根拠に繋がっています。
また、現在はスマホアプリが進化して、いつでもチャートを確認できるようになったため、多彩なテクニカル指標を活用してスマホで売買する初心者も増えました。
そして、日常的にテクニカル分析を行う投資家の絶対数が増加したことで、機関投資家が裏をかいた時のインパクトも大きくなってきているかもしれません。
実際のところ、SNS等でも不特定多数が類似した手法を用いていることがあることから、インターネット需要の拡大と共に、投資の世界も少しずつ変容を遂げているのでしょう。
一方、そういった利便性の向上こそが、同時にテクニカル分析の信頼度を脅かす要因となっていることも押さえておくべきです。
テクニカル分析にはメリットも
ここまでは、テクニカル分析が無意味とされる根拠についてを解説しました。しかし、古くから投資家に活用されている以上、全く覚える必要がないわけではありません。
そこで次は、テクニカル分析のメリットについて確認していきましょう。
水準が可視化できる
株価や値動き水準の可視化はテクニカル分析のメリットでもあり、チャートで得られる恩恵ともいえます。
より分かりやすく解説すると、株式投資を行う投資家は、誰であっても最大限安く買いたいと思うはずです。
そこでもし、チャートやローソク足が存在しなければ、直近で反発しやすいか、どこでいくらの指値を入れれば良いのかを自分自身で記録しておかななくてはなりません。
すなわち、テクニカル分析やチャートがあるからこそ、いつでも株価等の水準を知ることができるのです。
また、歴史的な株安から切り返した場合は、当面の最安値として機能してもおかしくありませんが、「その価格を割り込んで推移したら」別の戦略を取ることもできます。
したがって、そういった適材適所の売買水準を可視化できる点は、テクニカル分析の存在意義として大切な要素といえるでしょう。
値動きの推移を明確にすることができる
テクニカル分析は直近の値動きだけでなく、数年前、あるいは数十年前に遡って推移を把握することができます。
それによって、自身が保有している銘柄がどんな理由で上昇トレンドを形成したかが分かるため、今後の投資家心理の予測にも役立つでしょう。
そのため、先ほど触れたランダムウォーク理論ではメリットとして考えられていませんが、必ずしも将来的な相場の分析に役立たないわけではないのです。
また、相場には上昇と下降だけでなく持合い(通称:ヨコヨコとも)もあります。
そして、そのタイミングこそ「次に何が起きるか」を考えることが重要であり、テクニカル分析の使いどころでもあるのです。
実際に行う際は、価格水準や出来高等にも注意する必要がありますが、どんな背景で値動きが起こっているか明確にできるのは大きなメリットといえるでしょう。
売買の再現性が高い
再現性の高さはテクニカル分析における最大のメリットであり、機関投資家が個人投資家をはめ込むパターンの解析が可能となります。
参考までに、そういった機関投資家の手法を見抜くには「ローソク足」「移動平均線」「出来高」の3つに注目する必要があります。そして、それらはテクニカル分析の基礎でもあるのです。
すなわち、大口含め多くの投資家が用いている分、逆手に取れた時の効果が大きく、高い再現性が期待できます。
上手にチャートと付き合うためには
ここまでは、テクニカル分析のメリットと無意味という人の根拠について解説してきましたが、結論としては必ずしも全てが無意味とは言えないでしょう。
しかしながら、テクニカル分析以外の手法で利益を上げている投資家も確かに存在しており、企業の情報を一切調べず、出来高等の情報だけを注視しているケースもあります。
ただし、高すぎず安すぎない株価位置にある良好な企業に投資してくことが株式投資の基本でもあり、その際はテクニカル分析を行うのがおすすめです。
そのため、意味がないと避けて通るより、数ある投資法の1つとして身につけておいた方が自身のレパートリーは間違いなく広がるでしょう。
まとめ
初心者は「テクニカル分析を覚えなければいけない」と難しく考えてしまうケースも少なくありませんが、分析手法は場数をこなせば確実に身についていきます。
また、簡単なローソク足や出来高等を読むことができれば、極端に高い価格で売買することもなくなるため、参考程度に使うことができれば十分といえるでしょう。
一方、株式投資を行う上ではファンダメンタルズも重要な指標であることから、何か1つに特化するのではなく、メリット・デメリットを把握してバランス良く知識を蓄えていくのがおすすめです。
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