【株式投資における分散投資の重要性】リスク管理の基本を押さえよう

執筆者

西村剛

フェアトレード株式会社　代表取締役。機関投資家出身で統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-１グランドチャンピオン大会で+200.4％、2012年+160.1％、2013年157.0％を叩き出し三連覇達成。証券アナリスト検定会員。システムトレードを使った定量分析と、これまでファンドマネジャーとして培ったファンダメンタルズ分析を融合した新しい視点で株式市場を分析し、初心者でもわかりやすい言葉を使った解説に定評がある。

分散投資とは？まずは基本を理解しよう

分散投資とは、資金を一つの銘柄や資産に集中させず、複数に分けて投資する方法です。
いわゆる「卵を一つのカゴに盛るな」という格言の通り、リスクを分散させることを目的としています。

たとえば、ある一社にすべての資金を投資していた場合、その会社が倒産すれば投資資金はゼロになります。
しかし、10社に分けて投資していれば、1社が倒産してもダメージは10分の1で済みます。

【ミニまとめ】
分散投資とは「リスクを抑えるために、投資先を分ける」方法です。
資産を守るための基本中の基本といえます。

分散投資のメリット｜リスクを減らして安定運用

１．個別リスクを減らせる

個別銘柄に起きるトラブル（業績悪化、不祥事、倒産など）によるリスクを大幅に抑えることができます。
どれだけ優良企業でも、100％未来を予測することは不可能です。

分散投資により、「もしもの時」への備えができます。

２．収益の安定化につながる

投資対象を広げることで、特定の業種や地域に依存しないポートフォリオを作ることができます。
一部の銘柄が不調でも、他が好調であれば全体としての収益が安定する可能性が高まります。

【ミニまとめ】
分散投資のメリットは「リスク軽減」と「収益の安定化」です。
長期的な資産形成を目指すうえで欠かせない考え方です。

分散投資のデメリット｜過信は禁物

１．大きなリターンを逃すことがある

分散しすぎると、一つの銘柄が大きく上昇しても、全体への影響は薄まります。
つまり「超大化け銘柄」を掴んでも、ポートフォリオ全体のリターンはそれほど伸びないこともあります。

２．管理が煩雑になる

銘柄数が増えると、それぞれの企業分析やニュースチェックに手間がかかります。
特に初心者にとっては、管理が追いつかず逆にパフォーマンスが悪化するリスクもあるため注意が必要です。

【ミニまとめ】
分散投資にも「リターン希薄化」や「管理負担増加」といったデメリットがあります。
適切なバランスを考えることが大切です。

効果的な分散投資を実現するポイント

１．業種や地域を分ける

たとえば、

自動車業界（トヨタ自動車など）

IT業界（ソフトバンクグループなど）

小売業界（セブン＆アイ・ホールディングスなど）
というように、異なる業種に分散して投資することで、景気変動の影響を受けにくくなります。

また、日本株だけでなく、アメリカ株や新興国株にも一部を振り向けると、さらにリスク分散効果が高まります。

２．投資時期も分ける（時間分散）

資金を一度に投入せず、数回に分けて購入する「時間分散」も有効な手段です。
これにより、購入時期による運の影響を和らげることができます。

【例】
・毎月一定額ずつ買い増していく「ドルコスト平均法」

【ミニまとめ】
「業種・地域を分ける」「投資時期を分ける」ことで、より効果的な分散投資が実現できます。
一工夫加えるだけでリスク管理力が大きく向上します。

まとめ｜分散投資は資産を守る最強の基本戦略

分散投資は、リスクを抑えながら安定的な資産形成を目指すうえで非常に重要な考え方です。
ただし、やみくもに銘柄数を増やせばいいわけではなく、「業種・地域・時間」などバランスを考えた分散が必要です。

特に初心者の方は、まず5〜10銘柄程度を目安に、
「異なる業種に分けて投資する」ことからスタートするのがおすすめです。

リスクを制する者が、投資を制します。
ぜひ、分散投資を意識して、堅実な運用を心がけましょう！