無料レポート 直近25年分の統計データで分かる「株の買い時・売り時」
無料で受け取る →

ここ数日、本サイトではテクニカル指標の検証を続けてきました。MACDのゴールデンクロス、一目均衡表の雲抜け、ストキャスティクスのクロス。いずれも買いシグナルとされる形が、市場平均に届いていませんでした。

今回は、移動平均線を3本使った「パーフェクトオーダー」を調べます。25日線・75日線・200日線が上から順に並んだ状態のことで、上昇トレンドが明確になったサインとして知られています。

東証全銘柄について、2022年10月3日から2026年8月8日までの3,904,049件(4,668銘柄・942営業日)を集計しました。

結論を先に述べます。こちらは通説どおりに機能していました。上昇パーフェクトオーダーの20営業日後は+1.523%・勝率54.4%で、全体平均の+1.302%を上回ります。下降パーフェクトオーダーは+1.092%で、その差は0.431ポイントでした。

ただし、買うタイミングについては直感と違う結果が出ています。

執筆者

西村剛
西村剛

フェアトレード株式会社 代表取締役。機関投資家出身で統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-1グランドチャンピオン大会で+200.4%、2012年+160.1%、2013年157.0%を叩き出し三連覇達成。証券アナリスト検定会員。システムトレードを使った定量分析と、これまでファンドマネジャーとして培ったファンダメンタルズ分析を融合した新しい視点で株式市場を分析し、初心者でもわかりやすい言葉を使った解説に定評がある。

システムトレード

1.検証ルール

集計条件をすべて開示します。

  • データ:東証全銘柄の日足終値(株式分割の影響を除いた調整後株価)。出来高がゼロの日は除外
  • 期間:2022/10/03〜2026/08/08(942営業日・4,668銘柄)。200日線の計算に必要な助走期間として、その前の約1年も読み込んでいます
  • 移動平均線:25日・75日・200日の単純移動平均
  • 上昇パーフェクトオーダー:25日線 > 75日線 > 200日線
  • 下降パーフェクトオーダー:200日線 > 75日線 > 25日線
  • ねじれ:上の2つ以外の4通りの並び
  • 継続日数:上昇パーフェクトオーダーが何営業日続いているか。1日でも崩れれば1日目に戻る
  • リターン:その日の終値で買ったとして、翌日寄付き・翌日終値・5営業日後・20営業日後

2.3本の並び順で分けた結果

移動平均線3本の並び順別 その後の平均リターン

※画像はクリックすると拡大してご覧いただけます

区分件数翌日寄付き翌日終値勝率5営業日後勝率20営業日後勝率
上昇(25>75>200)(全体の38.7%)1,511,108+0.096%+0.072%49.1%+0.371%52.2%+1.523%54.4%
下降(200>75>25)(全体の26.3%)1,027,053+0.100%+0.067%46.4%+0.310%49.6%+1.092%51.9%
ねじれ(それ以外)(全体の35.0%)1,365,888+0.101%+0.063%47.9%+0.306%51.2%+1.216%53.5%
全体平均(比較用)3,904,049+0.099%+0.068%48.0%+0.332%51.2%+1.302%53.4%

20営業日後を比べると、上昇+1.523%、ねじれ+1.216%、下降+1.092%。きれいに順序どおりに並びました。

勝率も同じ順です。上昇が54.4%、ねじれ53.5%、下降51.9%。5営業日後でも上昇+0.371%が下降+0.310%を上回っています。

ここ数日の検証と比べると、この結果は際立っています。MACDのゴールデンクロスも一目均衡表の雲抜けも市場平均に届きませんでしたが、パーフェクトオーダーは通説どおりの方向で、しかも市場平均を上回った。数少ない例です。

とはいえ、差の大きさは冷静に見る必要があります。上昇と下降の差は20営業日で0.431ポイント。1か月でこの程度ですから、これだけを頼りに売買を組み立てるには心もとない水準です。

3.なぜ他の指標と結果が違うのか

理由を断定はできませんが、指標の性質の違いは指摘できます。

MACDのクロスや雲抜けは、ある瞬間に起きる出来事です。その瞬間には多くの投資家が同時に気づき、買いが集中します。翌日に買うということは、その集中のあとから入ることを意味します。

一方パーフェクトオーダーは、状態が続いていることを表します。「今日成立した」という瞬間だけでなく、成立している日すべてが対象です。特定の日に注目が集まる性質のものではありません。

この違いが結果に表れている可能性は十分にあります。実際、次に見る継続日数の結果は、この見方を裏づけています。

4.成立直後より「続いた後」が良かった

上昇パーフェクトオーダーを、成立からの経過日数で分けました。

上昇パーフェクトオーダーの継続日数別リターン

※画像はクリックすると拡大してご覧いただけます

区分件数翌日寄付き翌日終値勝率5営業日後勝率20営業日後勝率
成立1〜5日目108,071+0.101%+0.065%48.0%+0.301%51.3%+1.374%53.9%
6〜20日目288,222+0.092%+0.067%48.5%+0.345%52.1%+1.572%54.7%
21〜60日目549,706+0.096%+0.079%49.2%+0.410%52.6%+1.634%54.7%
61日目以上565,109+0.097%+0.069%49.5%+0.359%52.0%+1.417%54.1%
全体平均(比較用)3,904,049+0.099%+0.068%48.0%+0.332%51.2%+1.302%53.4%

成立から1〜5日目の20営業日後は+1.374%。6〜20日目で+1.572%、21〜60日目で+1.634%と上がっていき、61日目以上で+1.417%に下がります。

成立の瞬間がいちばん低いという結果です。「パーフェクトオーダーが成立した、今すぐ買おう」という判断は、この期間のデータでは最も分の悪い入り方でした。

5営業日後でも同じ形です。1〜5日目+0.301%に対し、21〜60日目は+0.410%。

先ほどの仮説――瞬間に注目が集まる形は不利――と整合します。成立した日は誰の目にもわかりやすく、そこで買いが入ります。むしろ、成立してしばらく経ち、話題性が薄れた頃のほうが数字は良好でした。

ただし、長ければ長いほど良いわけでもありません。61日目以上になると+1.417%まで下がります。3か月近く続いた並びは、そろそろ崩れる局面に入っている可能性があるということでしょう。

5.この結果はどれくらい信頼できるか

今回の結果は、これまでの検証の中でもかなり安定していました。

上昇パーフェクトオーダー1,511,108件は942営業日に広く分散し、最も多い上位3日を合わせても全体の0.6%にすぎません。

その3日を除いて集計し直すと、20営業日後は+1.523%から+1.533%へ。むしろわずかに上がりました。特定の日に支えられた数字ではありません。

年別でも確認します。上昇パーフェクトオーダーの20営業日後は2022年+0.298%、2023年+1.821%、2024年+0.468%、2025年+2.492%、2026年+1.232%。すべての年でプラスです。ただし2022年の+0.298%から2025年の+2.492%まで、相場環境による差は小さくありません。

6.この検証の限界

結果を使う前に、次の点をご承知おきください。

  • 売買コストを含みません。上昇と下降の差は20営業日で0.431ポイントです。売買を重ねればコストで消えかねない水準です
  • 期間の組み合わせは一例です。25日・75日・200日という一般的な設定で計算しました
  • 上昇相場を多く含む期間です。上昇トレンドが有利に出やすい環境だった点は割り引いて見る必要があります
  • 観測が重なっています。パーフェクトオーダーは連日続くため、3,904,049件が独立した試行というわけではありません

7.よくある質問(FAQ)

Q. パーフェクトオーダーとは何ですか?

A. 移動平均線が短い順に上から並んだ状態のことです。本記事では25日線・75日線・200日線の3本を使い、上から25日>75日>200日の並びを上昇パーフェクトオーダー、その逆の200日>75日>25日を下降パーフェクトオーダーとしました。

Q. パーフェクトオーダーは機能していましたか?

A. はい。上昇パーフェクトオーダーの20営業日後は+1.523%・勝率54.4%で、全体平均の+1.302%を上回りました。下降パーフェクトオーダーは+1.092%。両者の差は0.431ポイントです。

Q. この差は大きいと言えますか?

A. 20営業日で0.431ポイントですから、劇的な差ではありません。ただ本サイトで検証してきた他のテクニカル指標の多くが市場平均に届かなかったことを踏まえると、方向が通説どおりで、かつ全ての年で安定していた点は特筆できます。

Q. 成立した直後に買うのが良いのですか?

A. むしろ逆でした。成立から1〜5日目の20営業日後は+1.374%ですが、21〜60日目では+1.634%と高くなります。成立の瞬間に飛びつくより、続いている状態を買うほうが数字は良好でした。

Q. ずっと続いていれば続いているほど良いのですか?

A. そうではありません。61日目以上になると+1.417%と下がります。最も高いのは21〜60日目の+1.634%でした。長く続きすぎた並びは、そろそろ崩れる局面に入っている可能性があります。

Q. パーフェクトオーダーはどれくらいの頻度で出ますか?

A. 検証期間中、上昇パーフェクトオーダーだった日は全体の38.7%、下降が26.3%、どちらでもない「ねじれ」が35.0%でした。3本の線がきれいに並ぶのは、意外と珍しくない状態です。

Q. この結果は特定の時期に偏っていませんか?

A. 確認しました。上昇パーフェクトオーダーは942営業日に分散し、上位3日を合わせても全体の0.6%です。その3日を除くと20営業日後は+1.523%から+1.533%と、むしろわずかに上がりました。

8.まとめ

3,904,049件を数え直してわかったことを整理します。

  • パーフェクトオーダーは通説どおりに機能していました。上昇の20営業日後+1.523%・勝率54.4%は、全体平均+1.302%を上回ります
  • 上昇と下降の差は0.431ポイント(20営業日後)。方向は正しいものの、差そのものは大きくありません
  • 成立直後がいちばん低くなりました。1〜5日目+1.374%に対し、21〜60日目は+1.634%です
  • 長く続きすぎても下がります。61日目以上は+1.417%でした
  • この結果はすべての年でプラスでした。発生上位3日を除いても数字は変わりません

ここ数日で検証してきた指標の中で、パーフェクトオーダーは数少ない「通説どおりだったもの」です。ただ同時に、成立の瞬間に飛びつくのは不利という、これまでと共通する結果も出ました。

目立つ合図が出た瞬間は、多くの人が同時にそれを見ています。その事実は、指標の種類にかかわらず効いているようです。形が整ったことに気づいたとき、それが自分だけの発見ではないことを一度思い出してみてください。

この記事を読んだ方におすすめ

西村剛が今買うべき最有望株を限定公開中

  • 3年連続で売買シグナルコンテスト優勝の実力
  • 日本証券アナリスト協会検定会員が厳選
  • メールアドレスだけで今すぐ確認できる
最有望株を無料で確認する

※ メールアドレスのみで登録できます。いつでも配信停止可能です。

<追伸>
「株システムトレードの教科書」の記事は、機関投資家出身・証券アナリスト検定会員の西村剛が、統計データ・システムトレード・ファンダメンタルズを融合して解説しています。
↓↓↓↓↓

毎朝届く投資情報メルマガ「西村剛の勝ち株の流儀」(無料)はこちらから登録できます。
すでに22,000名が登録中。今なら10大特典を無料プレゼント中!