ゴールデンウィーク中は、株式市場が長期で休みとなることから、投資家にとっては、ゴールデンウィーク前後は保有している株の扱いについて悩むことが多いです。
また、ゴールデンウィーク中に旅行に行かれる方などは、旅行を万全に楽しむために、ゴールデンウィーク前に株を手仕舞いしたいと考えているかもしれません。
一般的に、ゴールデンウィーク前は、保有している銘柄を一旦手仕舞いする傾向が強く、ゴールデンウィーク明けに、その株を買い戻す傾向が強いと言われています。
確かに、先ほど話したように、ゴールデンウィーク前にポジションを持つことを嫌った投資家が、保有株を手仕舞いしそうです。
なんとなく、そのような傾向がありそうですが、果たして本当にそうなのでしょうか?
そこで、今回は、「ゴールデンウィーク前の株価は下がりやすいのか?」という点を分析してみました。
目次
1.ゴールデンウィーク前の株価は下がりやすい?
ここでは、「ゴールデンウィーク前の株価は下がりやすい?」について、過去21年過分の株価データを活用して、分析してみましょう。
「ゴールデンウィーク前の株価は下がりやすい?」が有効かどうかを分析するために、今回は、以下の内容で分析してみました。
ⅰ.ルール詳細(ゴールデンウィーク前の株価は下がりやすい?~日経平均株価~)
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検証対象:日経平均株価
検証期間:2000/01/01~2021/03/31
1銘柄当たりの投資金額:20万円
【買い条件】・4月中旬(15日~18日)に成行で買い付け
【売り条件】・4月末(26日~30日)に成行注文で手仕舞い
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「日経平均株価」を対象に、「買い条件」と「売り条件」でトレードした場合に、どのような成績になるのかを検証しました。
ゴールデンウィーク入りの約2週間程度前の4月中旬に日経平均株価を買い付けし、4月末に手仕舞いした場合の分析を行います。
なお、土日祝日等を考慮して、
4月中旬を4月15日~4月18日
4月末を4月26日~4月30日としています。
このように設定することで、「ゴールデンウィーク前の株価は下がりやすい?」の傾向を掴むことが出来るでしょう。
仮に、勝率が50%以上で、損益がプラスならば、「ゴールデンウィーク前の株価は上がりやすい」判断できます。
反対に、損益がマイナスであるならば、「ゴールデンウィーク前の株価は下がりやすい」と言えるでしょう。
果たして、本当にゴールデンウィーク前の株価は下がりやすいのでしょうか?
では、さっそく分析結果を見てみましょう。分析結果は以下をご覧下さい。
ⅱ.分析結果(ゴールデンウィーク前の株価は下がりやすい?~日経平均株価~)
勝率: 71.43 %
勝ち数: 15 回
負け数: 6 回
引き分け数: 0 回
平均損益(円): 2,735 円 平均損益(率): 1.37 %
平均利益(円): 5,831 円 平均利益(率): 2.92 %
平均損失(円): -5,005 円 平均損失(率): -2.50 %
合計損益(円): 57,441 円 合計損益(率): 28.72 %
合計利益(円): 87,469 円 合計利益(率): 43.74 %
合計損失(円): -30,028 円 合計損失(率): -15.02 %
PF: 2.913
平均保持日数: 11.57 日
上記が、分析結果です。分析結果を見てみると、勝率は71.43%、平均損益は1.37%です。
勝率が7割を超え、平均損益も大きなプラスとなっていることから、日経平均株価は4月中旬から4月末にかけて、株価が上昇する傾向があると言えるでしょう。
言い換えると、ゴールデンウィーク前の株価は、上がりやすい傾向があると言えるでしょう。
一般的に、ゴールデンウィーク前の株価は、大型連休を前に売りが出やすく、下がりやすいと言われていますが、実際には逆の結果となっています。
また、もう少しゴールデンウィーク前の株価の傾向について分析してみましょう。
2.年別成績(ゴールデンウィーク前の株価の傾向)
上記を確認すると、2010年以前は、ゴールデンウィーク前の株価は上がる年もあれば、下がる年もあります。
しかし、2011年以降の成績を確認すると、ゴールデンウィーク前に株価が下がった年はありません。
10年連続で、ゴールデンウィーク前の株価が上昇していることが分かります。
この結果から読み取る限り、ゴールデンウィーク前の株価が下がりやすいという傾向は、2010年以前の過去には実際にあった傾向かもしれませんが、2011年以降はそのような傾向は見られず、むしろ、株価が上がりやすい傾向に変化したのかもしれません。
ゴールデンウィーク前は株価が下がりやすいと、世間一般に言われているからと言って、過度に危険視して、保有株を手仕舞いしなくても良さそうですね。
3.まとめ
21年の株価のデータを使って分析した結果、【ゴールデンウィーク前の株価が上がりやすい傾向がある】と言えるでしょう。
株式市場では、ゴールデンウィーク前は売りが出やすいという噂は、2011年以降は全く機能していないことが分かりました。
株式市場で言われている格言や傾向には、実際に調べてみると正しくないことが数多く存在します。
今回の「ゴールデンウィーク前の株価が下がりやすい」という説も、実際には正しくありませんでした。
多くの投資家が、依然としてゴールデンウィーク前の株価が下がりやすいと間違った認識をしている中で、これを読んだあなたは正しい知識を持っています。
これを逆手にとることで、利益を得るチャンスに繋がる可能性は高いです。
ぜひ、あなたが投資を行う際の参考にして頂ければと思います。
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