日本株

11月17日の週は一旦調整か?

こんにちは、 本日は、 「日経平均株価の終値が25日移動平均線との乖離率10%越え!!来週の株価は?」 について取り上げたいと思います。

執筆者

田村 祐一
田村 祐一

フェアトレード株式会社所属。調査本部アナリスト。統計データを重視したシステムトレードとファンダメンタルを組み合わせて銘柄分析を行う。株主優待先回り買い等の「イベント投資」にも注力。


11月14日の日経平均株価は、 前日比98円4銭高の17490円83銭で引けました。 衆議院解散総選挙が行われるとの思惑や、 消費税増税が先送りされるとの見通しから、 日本株市場に資金が断続的に流入しています。

本日の上昇を受けて、 日経平均株価にとても面白い現象が起こりました。 その面白い現象とは、 タイトルにも書いたとおり、 日経平均株価の終値が25日移動平均線との乖離率が10%を超えたのです。
11月14日の日経平均株価終値:17490円83銭 11月14日時点の25日移動平均:15895円4銭 終値と25日移動平均線の乖離率(%) =17490円83銭÷15895円4銭=10.03% 実は、25日移動平均との乖離率が 「10%」を超えることは、めったに見られません。
おそらく数年に1回あるかないかという現象です。 そこで、今回は、「日経平均株価の終値が25日移動平均線との乖離率が10%を超えた」翌週の日経平均株価がどうなるのかを、過去のデータを使ってシミュレーションしてみました。

■日経平均株価シミュレーション

【ルール詳細】

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検証対象:日経平均株価 検証期間:1990/03/01~2014/10/31 1銘柄当たりの投資金額:20万円

【買い条件】 ・日経平均株価の終値と25日移動平均との乖離率が10%を越えた、翌日に成行買い

【売り条件】 ・7日経過後の翌日営業日寄り付きで売り

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日経平均株価の終値と25日移動平均との乖離率が10%を越えた 翌日に買い付けし、1週間保有した場合の検証を行います。

この検証結果を確認することで、 来週(11月17日~21日)あたりまでの株価推移をある程度予想できそうです。 検証結果をさっそく見てみましょう!!

【検証結果】

日経平均 乖離率出所:システムトレードの達人 達人モード「運用資産の推移」画面

■バックテスト結果■

勝率: 30.00 %
勝ち数: 3 回
負け数: 7 回
引き分け数: 0 回
平均損益(円): -2,538 円  平均損益(率): -1.27 %
平均利益(円): 5,001 円  平均利益(率): 2.50 %
平均損失(円): -5,769 円  平均損失(率): -2.88 %
合計損益(円): -25,379 円  合計損益(率): -12.69 %
合計利益(円): 15,003 円  合計利益(率): 7.50 %
合計損失(円): -40,382 円  合計損失(率): -20.19 %
プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 0.372
平均保持日数: 8.50 日

■まとめ 来週の株価はどうなるか

検証結果を見てみると、 「日経平均株価の終値と25日移動平均との乖離率が10%を越えた」のは、 1990年からの検証で、たったの「10回」しかありません。
いかに、めずらしい現象かがご理解いただけるのではないでしょうか。
より成績を確認すると、 勝率は30%となっており、 条件を満たした翌週は、10回中7回が下落していることが分かります。 また、平均損益も-1.2%となっています。
つまり、乖離率が10%を超えた翌週の日経平均株価は、 平均して約1.2%下落しているということです。
日銀の追加金融緩和の決定以降、 日本株市場には追い風が吹き大きく上昇しています。
しかし、過去のデータを見る限りでは、 来週の相場は、一旦調整するリスクが高いと言えそうです。
過度にリスクオンをして、 運用資金の大半をつぎ込む等の戦略は控えたほうが良さそうです。 なお、平均利益が2.5%、平均損失が-2.88%となっています。
この数値から、来週の日経平均株価のレンジを予想すると、 日経平均株価の上昇が続いた場合には、約17,928円まで上昇、 下落に転じてしまった場合には、約16987円まで下落する可能性がありそうです。
今回の検証結果は、トレード回数が約10回と少ないことから、 統計的には、若干信頼性が低いです。
しかし、この検証結果を判断材料の1つとして持っておくことで、 少なくとも悪影響を及ぼすことはないでしょう。 ぜひ、来週の投資を行う上での判断材料の1つに活用いただければと思います。

■追伸

前回乖離率が10%を越えたのは、「2013年5月22日」です。 去年のことですので、記憶に新しい人も多いかもしれません。

「2013年5月22日」付近で、日経平均株価が高値を付けて以降、 1万5500円から1万3000円を割る水準まで株価が急落したのです。
去年と同様の動きを危険性があると十分に把握した上で、投資を行ったほうが 不用意な損失を被るリスクを押さえることができるでしょう。

<追伸>
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