今回は、「8月の株式市場の傾向(新興市場編)」をご紹介します。 株式市場は、月によって上がりやすい月と下がりやすい月があります。 この傾向は毎月必ずそうなるとは言えませんが、 株式投資を行う上で、その傾向を把握しておくことは重要でしょう。 前回は、「8月の東証プライムの傾向」について検証しました。 実は、同じ月でも市場によって、傾向が異なることがあります。 そこで、「8月の新興市場は上がるか、下がるか」について検証していきます。 一般的に、8月は「夏枯れ相場」と呼ばれ、下がりやすい傾向があります。 個人投資家・機関投資家問わず、夏季休暇によって参加者が少なることで、 売り優勢になりやすことが要因と言われています。 はたして、この一般論が本当に正しいかについて検証してみましょう!!
目次
1.8月の新興市場銘柄の傾向検証
ⅰ.ルール詳細(8月新興市場の傾向)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 検証対象:新興市場銘柄(ジャスダック・マザーズ、※2022年4月以降はグロース市場) 検証期間:2000年1月〜2025年12月31日 1銘柄当たりの投資金額:20万円 買い条件 ・7月末の最終営業日の寄り付きで買い 売り条件 ・25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 8月相場の傾向を調べるために、7月末に新興市場全銘柄を購入し、 25日経過後に売却した場合について検証を行いました。 仮に、勝率が50%以上で、損益がプラスならば、 8月は株価が上がりやすい月と言えます。 逆に、勝率が50%以下で、損益もマイナスであるならば、 8月は株価が下落しやすい月と言えるでしょう。 以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。
ⅱ.検証結果(8月新興市場の傾向)

| 項目 | 金額 | 比率 |
|---|---|---|
| 勝率 | 38.28 % | |
| 勝ち数 | 5,736 回 | |
| 負け数 | 8,966 回 | |
| 引き分け数 | 281 回 | |
| 平均損益 | -2,299 円 | -1.15 % |
| 平均利益 | 21,740 円 | 10.87 % |
| 平均損失 | -17,760 円 | -8.88 % |
| 合計損益 | -34,445,917 円 | -17,204.27 % |
| 合計利益 | 124,700,640 円 | 62,369.54 % |
| 合計損失 | -159,236,160 円 | -79,573.81 % |
| PF | 0.784 | |
| 平均保持日数 | 25.39 日 |
以上が 、8月相場(新興市場)の検証結果です。
2.まとめ 8月の新興市場銘柄の傾向は?
検証結果を確認すると、勝率は38.28%、平均損益は-2.7%です。 勝率は35%ととても低く、平均損益もとても大きなマイナスです。 東証プライムの傾向[勝率:39.37%、平均損益:-1.92%]と比較しても、 より悪い検証結果となっています。 よって、8月の新興市場は、下落する可能性が高いと言えるでしょう。 8月は東証プライムと新興市場ともに下がりやすい傾向があることから、 日本株全体が下がりやすいのでしょう。 東証プライムと比べても成績が悪かったのは、 新興市場の売買の主体が大きな要因でしょう。 新興市場の売買の主体は、「個人投資家」です。 8月はお盆を挟んで、多くの方が夏季休暇に入ります。 休暇前後では、保有しているポジションを手仕舞いする傾向があることや、 新たに銘柄を買い付けする動きが極端に少ないのでしょう。 8月の新興市場銘柄の取引は、過去の傾向からみると、 リスクが高いと言えるでしょう。
■追伸
8月は、ただ単純に取引していては、 損失を被るリスクが高い月です。 ただし、システムトレーダーは、 ご自身の売買ルールで淡々と取引するだけです。 しかし、裁量トレーダーにとっては、 苦しい展開となる可能性が高そうです。 こういったときは、趣向を変えて、 相場に左右されないトレードをすることを考えてもいいかもしれません。 例えば、 ・デイトレ→一日で取引が完結し、相場に左右されにくい ・イベント投資→相場全体の動きとの相関性が低い ・取引しない(ゆっくり休む)→利益も、損も出ない といった戦略が考えられるかもしれません。 負ける可能性が高い状態で、考えなしにむやみにトレードするのは、 正直自殺行為と言っても過言ではありません。 苦しい相場だからこそ、「損しにくい投資」「少しでもコツコツ稼ぐ投資」を 行うことがよさそうですね。
8月 グロース市場 好成績銘柄ベスト30
| 順位 | コード | 銘柄名 | 勝率 | 平均損益(%) | 合計損益(%) | 勝ち | 負け | 引分 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 9950 | ハチバン | 85.7% | +0.99% | +20.78% | 18 | 2 | 1 |
| 2 | 2877 | 日東ベスト | 81.8% | +2.64% | +29.02% | 9 | 2 | 0 |
| 3 | 7877 | 永大化工 | 76.9% | +3.54% | +46.01% | 10 | 3 | 0 |
| 4 | 1795 | マサル | 75.0% | +2.89% | +34.62% | 9 | 2 | 1 |
| 5 | 1770 | 藤田エンジニアリング | 72.7% | +1.68% | +18.52% | 8 | 3 | 0 |
| 6 | 9976 | セキチュー | 72.7% | +1.05% | +11.57% | 8 | 3 | 0 |
| 7 | 9903 | カンセキ | 71.4% | +2.24% | +46.98% | 15 | 5 | 1 |
| 8 | 7185 | ヒロセ通商 | 70.0% | +8.18% | +81.85% | 7 | 3 | 0 |
| 9 | 2484 | 出前館 | 70.0% | +4.55% | +91.09% | 14 | 6 | 0 |
| 10 | 3930 | はてな | 70.0% | +3.65% | +36.47% | 7 | 3 | 0 |
| 11 | 2406 | アルテ サロン ホールディングス | 68.8% | +1.54% | +24.68% | 11 | 5 | 0 |
| 12 | 3075 | 銚子丸 | 68.4% | +0.36% | +6.80% | 13 | 4 | 2 |
| 13 | 4627 | ナトコ | 68.2% | +1.27% | +28.01% | 15 | 7 | 0 |
| 14 | 2498 | オリエンタルコンサルタンツホールディングス | 66.7% | +2.95% | +53.08% | 12 | 6 | 0 |
| 15 | 7435 | ナ・デックス | 66.7% | +1.19% | +17.87% | 10 | 5 | 0 |
| 16 | 3190 | ホットマン | 66.7% | +0.05% | +0.66% | 8 | 3 | 1 |
| 17 | 2700 | 木徳神糧 | 64.7% | +8.64% | +146.88% | 11 | 6 | 0 |
| 18 | 7443 | 横浜魚類 | 64.3% | +0.95% | +13.25% | 9 | 4 | 1 |
| 19 | 6033 | エクストリーム | 63.6% | +36.55% | +402.01% | 7 | 4 | 0 |
| 20 | 9012 | 秩父鉄道 | 63.6% | +1.61% | +17.69% | 7 | 4 | 0 |
| 21 | 3261 | グランディーズ | 63.6% | +1.06% | +11.64% | 7 | 4 | 0 |
| 22 | 4592 | サンバイオ | 63.6% | +0.64% | +7.08% | 7 | 4 | 0 |
| 23 | 7265 | エイケン工業 | 63.6% | -0.03% | -0.38% | 7 | 4 | 0 |
| 24 | 3641 | パピレス | 62.5% | +4.29% | +68.61% | 10 | 6 | 0 |
| 25 | 8256 | プロルート丸光 | 62.5% | +2.81% | +44.99% | 10 | 6 | 0 |
| 26 | 5999 | イハラサイエンス | 62.5% | +0.68% | +10.94% | 10 | 6 | 0 |
| 27 | 6069 | トレンダーズ | 61.5% | +7.51% | +97.62% | 8 | 5 | 0 |
| 28 | 9778 | 昴 | 61.1% | +0.39% | +7.10% | 11 | 7 | 0 |
| 29 | 2303 | ドーン | 60.9% | +2.71% | +62.44% | 14 | 9 | 0 |
| 30 | 1798 | 守谷商会 | 60.0% | +3.46% | +51.84% | 9 | 5 | 1 |
※過去26年間(2000〜2025年)のデータに基づく統計結果です。将来の成績を保証するものではありません。トレード回数10回以上の銘柄を勝率順に掲載。
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「株システムトレードの教科書」の記事は、機関投資家出身・証券アナリスト検定会員の西村剛が、統計データ・システムトレード・ファンダメンタルズを融合して解説しています。
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