今回は、「8月の株式市場の傾向(新興市場編)」をご紹介します。 株式市場は、月によって上がりやすい月と下がりやすい月があります。 この傾向は毎月必ずそうなるとは言えませんが、 株式投資を行う上で、その傾向を把握しておくことは重要でしょう。 前回は、「8月の東証1部の傾向」について検証しました。 実は、同じ月でも市場によって、傾向が異なることがあります。 そこで、「8月の新興市場は上がるか、下がるか」について検証していきます。 一般的に、8月は「夏枯れ相場」と呼ばれ、下がりやすい傾向があります。 個人投資家・機関投資家問わず、夏季休暇によって参加者が少なることで、 売り優勢になりやすことが要因と言われています。 はたして、この一般論が本当に正しいかについて検証してみましょう!!
目次
1.8月の新興市場銘柄の傾向検証
ⅰ.ルール詳細(8月新興市場の傾向)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 検証対象:新興市場銘柄(ジャスダック・マザーズ) 検証期間:1990年3月~2014年7月25日 1銘柄当たりの投資金額:20万円 買い条件 ・7月末の最終営業日の寄り付きで買い 売り条件 ・25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 8月相場の傾向を調べるために、7月末に新興市場全銘柄を購入し、 25日経過後に売却した場合について検証を行いました。 仮に、勝率が50%以上で、損益がプラスならば、 8月は株価が上がりやすい月と言えます。 逆に、勝率が50%以下で、損益もマイナスであるならば、 8月は株価が下落しやすい月と言えるでしょう。 以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。
ⅱ.検証結果(8月新興市場の傾向)
■8月株式市場(新興市場)の傾向の検証結果 勝率: 35.76 % 勝ち数: 4,786 回 負け数: 8,599 回 引き分け数: 459 回 平均損益(円): -7,030 円 平均損益(率): -2.70 % 平均利益(円): 27,529 円 平均利益(率): 10.45 % 平均損失(円): -26,640 円 平均損失(率): -10.17 % 合計損益(円): -97,326,410 円 合計損益(率): -37,441.77 % 合計利益(円): 131,752,433 円 合計利益(率): 50,023.10 % 合計損失(円): -229,078,843 円 合計損失(率): -87,464.86 % プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 0.575 平均保持日数: 28.04 日 以上が 、8月相場(新興市場)の検証結果です。
2.まとめ 8月の新興市場銘柄の傾向は?
検証結果を確認すると、勝率は35.76%、平均損益は-2.7%です。 勝率は35%ととても低く、平均損益もとても大きなマイナスです。 東証1部の傾向[勝率:39.37%、平均損益:-1.92%]と比較しても、 より悪い検証結果となっています。 よって、8月の新興市場は、下落する可能性が高いと言えるでしょう。 8月は東証1部と新興市場ともに下がりやすい傾向があることから、 日本株全体が下がりやすいのでしょう。 東証1部と比べても成績が悪かったのは、 新興市場の売買の主体が大きな要因でしょう。 新興市場の売買の主体は、「個人投資家」です。 8月はお盆を挟んで、多くの方が夏季休暇に入ります。 休暇前後では、保有しているポジションを手仕舞いする傾向があることや、 新たに銘柄を買い付けする動きが極端に少ないのでしょう。 8月の新興市場銘柄の取引は、過去の傾向からみると、 リスクが高いと言えるでしょう。
■追伸
8月は、ただ単純に取引していては、 損失を被るリスクが高い月です。 ただし、システムトレーダーは、 ご自身の売買ルールで淡々と取引するだけです。 しかし、裁量トレーダーにとっては、 苦しい展開となる可能性が高そうです。 こういったときは、趣向を変えて、 相場に左右されないトレードをすることを考えてもいいかもしれません。 例えば、 ・デイトレ→一日で取引が完結し、相場に左右されにくい ・イベント投資→相場全体の動きとの相関性が低い ・取引しない(ゆっくり休む)→利益も、損も出ない といった戦略が考えられるかもしれません。 負ける可能性が高い状態で、考えなしにむやみにトレードするのは、 正直自殺行為と言っても過言ではありません。 苦しい相場だからこそ、「損しにくい投資」「少しでもコツコツ稼ぐ投資」を 行うことがよさそうですね。
【無料】株システムトレードの教科書の記事は「システムトレードの達人」を使って検証しています。
↓↓↓↓↓
今ならシステムトレードの達人(無料版)がこちらよりダウンロードできます。
ぜひ手に入れてください!