1.システムトレードにおけるブレイクアウト戦略とは?

本日は、前回の続きで「順張り戦略」の分析をより深く検証していきましょう。

前回は、「120日ブレイクアウト」について検証しました。
そこで、今回は「60日ブレイクアウト」について検証していきます。

前回は「120日間(=約半年)の高値を更新」でしたが、

今回は「60日間(=2か月半)の高値を更新」です。

高値更新の期間を変えることで、
検証結果にどのような変化が出るでしょうか。

では、さっそく検証を実践していきましょう!!

まずはじめに検証条件を確認していきましょう。

執筆者

田村 祐一
田村 祐一

フェアトレード株式会社所属。調査本部アナリスト。統計データを重視したシステムトレードとファンダメンタルを組み合わせて銘柄分析を行う。株主優待先回り買い等の「イベント投資」にも注力。



2.ブレイクアウト戦略の有効性

検証条件は、以下の通りです。

ⅰ.ルール詳細(60日ブレイクアウト戦略)

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検証対象:全銘柄

検証期間:2000/01/01~2014/05/31

1銘柄当たりの投資金額:20万円

【買い条件】

・60日間の高値を更新した銘柄を買い付け

【売り条件】

・30日間の安値を更新した時に手仕舞い

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上記が、今回の検証条件です。

「順張り戦略」の中でも「60日ブレイクアウト」と呼ばれる戦略です。

60日間の高値を更新した銘柄を買い付け、
30日間の安値を更新するまでは手仕舞いしません。
以下に、このトレードのイメージをご紹介します。

ブレイクアウト

上記が、「順張りトレード」のイメージです。

青線のタイミングで「60日間の高値」を更新しました。

その後株価は上昇を続け、赤線のタイミングで
「30日間の安値」を更新し、手仕舞いしています。

株価が上昇している限りは手仕舞いしませんので、
大きな利益となる期待が持てるでしょう。

では、上記条件で検証した場合に、どのような検証結果になるでしょうか。

ⅱ.検証結果(60日ブレイクアウト戦略)

検証結果は、以下の通りです。

【検証結果】60日ブレイクアウト

ブレイクアウト

 

勝率: 38.97 %
勝ち数: 30,094 回
負け数: 47,125 回
引き分け数: 833 回
平均損益(円): 13,138 円  平均損益(率): 4.38 %
平均利益(円): 79,694 円  平均利益(率): 26.56 %
平均損失(円): -29,132 円  平均損失(率): -9.71 %
合計損益(円): 1,025,452,972 円  合計損益(率): 341,815.03 %
合計利益(円): 2,398,299,422 円  合計利益(率): 799,437.75 %
合計損失(円): -1,372,846,450 円  合計損失(率): -457,622.72 %
プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 1.747
平均保持日数: 82.74 日

上記が、「60日ブレイクアウト」の検証結果です。

「120日ブレイクアウトの検証結果」と比較することで
何か見えてくるかもしれません。

ⅲ.検証結果(120日ブレイクアウト戦略)

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【120日ブレイクアウト】

勝率: 36.92 %
勝ち数: 15,039 回
負け数: 25,694 回
引き分け数: 276 回
平均損益(率): 6.51 %
平均利益(率): 40.18 %
平均損失(率): -13.13 %
合計損益(円): 800,369,508 円
合計利益(円): 1,812,669,209 円
合計損失(円): -1,012,299,701 円
プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 1.791
平均保持日数: 154.89 日

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「120日ブレイクアウト」の成績と比較すると、
「勝率」は改善していますが、「平均損益」は悪化しています。

また、平均保持日数(買ってから手仕舞いまでの期間)は、
「154日」から「82日」まで短縮しています。

「60日間の高値更新」と条件を緩めたことで、
結果として「合計損益」も改善していますね。

実際のトレードを行う場合には、
「120日」よりも「60日」のほうがトレードしやすそうですね。

■追伸

「60日ブレイクアウト」は「120日ブレイクアウト」と比較すると、
以下のようなことがわかります。

【改善項目】勝率・トレード回数
【悪化項目】平均損益

株式投資においては、上記3つはとても密接な関係があります。

「勝率」を求めると、「トレード回数」「平均損益」は減少しやすいです。

「平均損益」を追及すると、
「勝率」「トレード回数」は悪化する傾向があります。

一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ない
という状態・関係のことを「トレードオフ」といいます。

よく株式投資で失敗する人の多くは、
「トレード回数」を重視する人が多いです。

毎日何らかの銘柄を売買したいという気持ちがそうさせるのです。

その結果、不用意なタイミングで売買を行い、
「勝率」と「平均損益」を犠牲にしてしまうのです。

トレードって、実は毎日する必要はないですよね。

だって、株式投資で儲けたいならば、
利益がでるタイミングだけトレードすればいいのですから。

それが出来ない多くの投資家が、
株式投資の世界から去っていくのでしょう。

株式投資では、上記3つが常に三すくみの状態です。
勝率も高く、平均損益も高く、トレード回数(チャンス)も
多い投資法というものは、存在しません。(と私は思っています。)

あなたが株式投資を行う場合には、
自分がどれを重視するかを考える必要があるでしょう。

<追伸>
コロナショックで相場が大きく動いている最中ですので、今の株価動向が気になる方も多いかと思います。
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