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「連休前は手仕舞い売りが出るから下がる」「連休またぎはリスクだからポジションは閉じておけ」――くり返し語られてきた経験則です。休みのあいだに海外市場が動き、明けたら値が飛ぶ。だから休場をまたぐな、という理屈には説得力があります。しかしこの「幕間つなぎ」は、本当にデータに存在するのでしょうか。

東証全銘柄4,772社・2022/10/03〜2026/07/31の937営業日、日足3,990,612行を走査しました。「次の営業日までの暦日数ギャップ」を計算し、1日(通常の連続営業日725回)/2日(平日の祝日1日12回)/3日(土日162回)/4〜5日(3〜4連休32回)/6日以上(大型連休5回)に層別して比較しています。

結論から申し上げます。「連休またぎは危険」はデータ上むしろ逆でした。翌営業日ON(明け始値÷休場前終値)は通常の連続営業日+0.094%、土日+0.078%に対し、3〜4連休+0.257%、6日以上の大型連休では+0.450%と通常日の約4.8倍。翌営業日CC(明け終値÷休場前終値)も通常日+0.061%に対し大型連休+0.652%と約11倍でした。

一方「連休前は下がる」は半分だけ正解です。3〜4連休の前日の日中リターン(終値÷始値)は-0.105%・勝率42.58%と全区分で最弱でしたが、大型連休の前日は+0.030%で下がっていません。最大の注意点は、6日以上の大型連休がこの期間にわずか5回しかないことです。数字の裏側まで含めてご覧ください。

執筆者

西村剛
西村剛

フェアトレード株式会社 代表取締役。機関投資家出身で統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-1グランドチャンピオン大会で+200.4%、2012年+160.1%、2013年157.0%を叩き出し三連覇達成。証券アナリスト検定会員。システムトレードを使った定量分析と、これまでファンドマネジャーとして培ったファンダメンタルズ分析を融合した新しい視点で株式市場を分析し、初心者でもわかりやすい言葉を使った解説に定評がある。

システムトレード

1.検証ルール

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検証対象:東証全銘柄 4,772社(上場廃止銘柄を含む)
検証期間:2022/10/03〜2026/07/31(937営業日)
使用データ:分割・併合調整後の日足4本値。始値・終値・出来高がいずれも0超の日のみ有効
母数:日足3,990,612行(異常値として除外したのは7件のみ)

【休場日数の定義】各営業日について「次の営業日までの暦日数ギャップ」を計算しました。金曜の翌営業日が月曜ならギャップ3日、間に祝日が1日入って火曜になれば4日、という数え方です。

  • ギャップ1日=通常の連続営業日(725回)
  • ギャップ2日=週の途中に祝日が1日入るケース(12回)
  • ギャップ3日=土日をはさむ通常の週末(162回)
  • ギャップ4〜5日=3連休・4連休(32回)
  • ギャップ6日以上=5連休以上の大型連休。ゴールデンウィークと年末年始が該当(5回)

【4つの指標】休場前の日中=休場前最終日の終値÷始値-1。翌営業日ON=明け初日の始値÷休場前終値-1。明け当日の日中=明け初日の終値÷始値-1。翌営業日CC=明け初日の終値÷休場前終値-1。翌営業日CCは休場前から見ても明けから見ても同じ数字で、おおまかに「翌営業日CC ≒ 翌営業日ON + 明け当日の日中」と分解できます。

【勝率の読み方】勝率はプラスだった銘柄の比率で、変わらず(±0%)は分子に含めません。日本株は値動きのない銘柄が一定数あるため、条件なしでも勝率は50%を下回ります。50%ではなく、通常の連続営業日の値と比較してください。

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2.検証結果

(1) 休場が長いほど、明けの寄り付きは高く始まる

休場日数別の休場前日中リターン・翌営業日ON・翌営業日CCの比較

※画像はクリックすると拡大してご覧いただけます

左のグラフで目を引くのは、オレンジの棒(翌営業日ON)が右へ行くほど伸びる形です。通常の連続営業日+0.094%、土日+0.078%、3〜4連休+0.257%、大型連休+0.450%。休みが長いほど、明けの寄り付きは高く始まっています。赤い棒(翌営業日CC)も通常日+0.061%に対し大型連休+0.652%と約11倍です。

注目すべきは土日が「特別な休場」ではない点です。ギャップ3日のONは+0.078%で、通常日の+0.094%を下回ります。毎週必ず来る休みは織り込み済みの日常であり、休場をまたぐことに意味が出るのは祝日が絡んで「いつもと違う長さ」になったときでした。

右の勝率も明快です。翌営業日ONの勝率は通常日44.35%、土日49.91%、3〜4連休53.78%、大型連休56.97%と休場日数に沿って上がります。理由は中央値です。通常日と土日のON中央値は+0.0000%――半数以上の銘柄が前日終値と同じ値段で寄り付いているのに対し、大型連休明けは+0.1802%。長い休みのあとは値がつき直され、動かない銘柄が激減します。

グレーの棒(休場前の日中)は、3〜4連休の前日が-0.1054%・勝率42.58%で全区分の最下位。通常日の-0.0508%より弱く、3連休・4連休の前日は確かに後場にかけて売られやすいと言えます。ところが大型連休の前日は+0.0304%、週の途中に祝日が1日入る前日は+0.1781%とむしろプラスでした。

(2) 休場明けの日中は伸びない――効果は寄り付きに集中

休場明け当日の日中リターンも測りました。大型連休明けは+0.2045%・勝率51.17%とプラスですが、土日明けは-0.0635%、3〜4連休明けは-0.0458%とマイナス。ONで得た上昇分に、明けの日中は上乗せしてくれません。連休効果のほとんどは寄り付きのギャップに集約されているのです。

(3) 大型連休の内訳――GW・お盆前後・年末年始でパターンが違う

大型連休を連休種別と年別に分けた比較

※画像はクリックすると拡大してご覧いただけます

ギャップ4日以上の連休は期間中に37回ありました。1回を1件として等ウェイトで平均すると、GW(5回)がON+0.503%・CC+0.796%と最強で、ONは5回すべてプラス(100%)。次いでお盆前後(山の日がらみ、3回)がON+0.451%・CC+0.690%です。

対照的なのが年末年始(4回)で、ONは+0.251%と伸びるのにCCは+0.117%、明け当日の日中は-0.127%とマイナス。ONがプラスだったのは50%で、大発会は高く始まっても押し戻される回が半分あります。祝日1日がらみの3連休が大半の「その他の連休」(25回)はON+0.222%・CC+0.137%と穏当で、休場前の日中は-0.141%と最も弱い区分です。

右の年別グラフは、この傾向が年によって揺れることを示します。2024年(12回)はON+0.562%で全回プラスでしたが、2025年(10回)はON+0.045%・CC-0.052%とほぼ消滅。2022年(2回のみ)はCC-1.166%と大きなマイナス。連休効果は毎年安定して出るものではありません

(4) 完全データ表と頑健性チェック

表①は休場前の日から、表②は休場明けの日から見た数値です(翌営業日CCと明け当日CCは同じ指標です)。

表① 休場日数別/休場前の日から見た数値

休場のはさみ方該当日数サンプル休場前の日中勝率翌営業日ONON中央値ON勝率翌営業日CCCC勝率
1日(通常の連続営業日)7253,088,061-0.0508%43.75%+0.0944%+0.0000%44.35%+0.0612%47.23%
2日(平日の祝日1日)1250,949+0.1781%51.45%+0.2998%+0.1330%54.40%+0.3877%55.28%
3日(土日)162689,518+0.0425%46.45%+0.0778%+0.0000%49.91%+0.0136%49.44%
4〜5日(3〜4連休)32136,464-0.1054%42.58%+0.2572%+0.1239%53.78%+0.2113%51.87%
6日以上(大型連休)521,367+0.0304%43.57%+0.4496%+0.1802%56.97%+0.6520%59.40%

表② 休場日数別/休場明けの日から見た数値

直前の休場のはさみ方サンプル明け当日の日中中央値勝率明け当日CC中央値勝率
1日(通常の連続営業日)3,085,554-0.0302%+0.0000%44.27%+0.0612%+0.0000%47.23%
2日(平日の祝日1日)51,034+0.0902%+0.0000%46.43%+0.3877%+0.2041%55.28%
3日(土日)691,395-0.0635%+0.0000%43.93%+0.0136%+0.0000%49.44%
4〜5日(3〜4連休)137,012-0.0458%+0.0000%43.75%+0.2113%+0.1147%51.87%
6日以上(大型連休)21,465+0.2045%+0.0865%51.17%+0.6520%+0.3922%59.40%

表③ ギャップ4日以上の連休37回:種別と年別(1回=1件の等ウェイト平均)

区分(ギャップ4日以上)回数休場前の日中翌営業日ONONがプラスの回最良1回を除くON翌営業日CC明け当日の日中
年末年始4+0.079%+0.251%50%+0.124%+0.117%-0.127%
GW(4〜5月)5-0.001%+0.503%100%+0.380%+0.796%+0.290%
お盆前後(8月)3+0.014%+0.451%100%+0.250%+0.690%+0.243%
その他の連休25-0.141%+0.222%76%+0.180%+0.137%-0.086%
2022年2+0.230%-0.436%0%-0.729%-1.166%-0.722%
2023年8+0.141%+0.354%75%+0.251%+0.622%+0.268%
2024年12-0.090%+0.562%100%+0.535%+0.621%+0.061%
2025年10-0.110%+0.045%70%-0.020%-0.052%-0.096%
2026年5-0.519%+0.256%80%+0.013%+0.073%-0.188%

表③には、好成績が特定の1回に依存していないかを確かめる「最良1回を除くON」の列を入れました。GWは最良1回(2026/05/01の+0.999%)を除いても+0.380%、3〜4連休全体では+0.256%→+0.225%とプラスを保ちました。サンプルの多い3〜4連休は32回中25回(78.1%)でONがプラスで、相応に安定した傾向です。

表④ ギャップ6日以上の大型連休 全5回(発生日と各回のリターン)

連休前の最終日連休明けの初日休場種別銘柄数休場前の日中翌営業日ON翌営業日CC明け当日の日中
2023/05/022023/05/085日GW(4〜5月)4,183-0.057%+0.095%+0.550%+0.449%
2023/12/292024/01/045日年末年始4,266+0.355%-0.028%+1.145%+1.180%
2024/12/302025/01/066日年末年始4,307+0.133%+0.546%-0.234%-0.769%
2025/12/302026/01/055日年末年始4,279-0.287%+0.632%+0.636%+0.001%
2026/05/012026/05/075日GW(4〜5月)4,243+0.007%+0.999%+1.173%+0.172%
5回の平均+0.030%+0.449%+0.654%+0.207%
最良1回を除いた平均-0.051%+0.311%+0.524%-0.037%

問題は表④です。5連休以上は3年10か月でわずか5回。ONは4回プラスですが、最良の2026/05/01(+0.999%)を除くと平均は+0.449%→+0.311%へ下がります。さらに深刻なのが明け当日の日中で、+0.207%という平均は2023/12/29明けの1回(+1.180%)でほぼ説明され、この1回を除くと-0.037%とマイナスに反転。大型連休の数字は「傾向」ではなく「事例の集まり」として読むべきです。

3.なぜ連休前後で差が出るのか

数字の背景には、次のメカニズムが考えられます。

  1. 休場中も情報は積み上がる:日本市場が閉まっていても海外市場は動き、統計やニュースは出続けます。5日休めば5日分の情報が明けの寄り付き1点に集中する。ONが通常日+0.094%→大型連休+0.450%と約4.8倍に膨らむのは、この「情報の圧縮」で説明できます。
  2. 値がつき直される:通常日と土日明けのON中央値は+0.0000%で、半数以上が前日終値ちょうどで寄り付きます。大型連休明けは+0.1802%。休眠していた銘柄まで動くため、勝率が44.35%→56.97%へ上がりました。
  3. 持ち越しリスクの対価:休場中は途中で降りられません。そのリスクを引き受けた側が対価を得ていると考えれば、休みが長いほどリターンが厚い形は整合的です。ただし外れたときの振れ幅も大きくなります。
  4. 3〜4連休の前だけ手仕舞い売りが目立つ:休場前の日中は3〜4連休の前が-0.1054%・勝率42.58%と最弱、イベント単位でもプラスは40.6%だけ。3連休は「気づいたら明日から休み」という近さで来るため、後場に調整売りが出やすいのでしょう。
  5. 大型連休の前は売りが分散する:GWや年末年始は日程が何か月も前からわかっており、持ち高調整は数日前から段階的に進みます。だから前日だけを切り取っても+0.0304%と下がらない。「連休前は下がる」は突然やってくる短い連休にだけ当てはまる経験則でした。
  6. 売買代金が細る:連休前後は参加者が減って板が薄くなります。平均値が大きく見えても希望の値段では約定しにくく、数字と実行可能性のギャップが生まれます。
  7. 効果は寄り付きで終わる:大型連休明けの日中は+0.2045%、最良1回を除けば-0.037%。ONで織り込んだあとはむしろ売られやすいのです。

4.データが示す正解戦略

937営業日の全数集計から言えることを整理します。

  • 「連休またぎは危険だから閉じる」はデータ上は損な行動:3〜4連休で翌営業日ON+0.257%・勝率53.78%、大型連休で+0.450%・勝率56.97%。持ち越した側が平均的には報われています。
  • 土日をまたぐかは考えなくてよい:ON+0.078%・CC+0.014%と通常の連続営業日とほぼ同じ。毎週来る休みは特別ではありません。
  • 買うなら3〜4連休の前日の後場:その日の日中が-0.1054%・勝率42.58%と弱く、寄り付きで飛びつくより大引けに近い時間帯が有利でした。
  • 利益確定は連休明けの寄り付き:明け当日の日中は大型連休+0.2045%(最良1回を除くと-0.037%)、3〜4連休-0.0458%。引っ張る根拠は乏しいと言えます。
  • 年末年始だけは扱いが違う:ON+0.251%に対しCC+0.117%・明け日中-0.127%。続かない回が半分(ONプラスは50%)で、寄り付きを逃すと妙味が消えます。
  • 数字の大きさに賭けない:最大の大型連休CC+0.652%は5回の平均にすぎません。反復回数の多い3〜4連休(32回)の+0.211%のほうが実務では信頼できます。

5.実践活用――連休をどう扱うか

(1) 年初に連休カレンダーを作っておく

  • 取引所の休業日一覧から、その年の「ギャップ4日以上」になる日を洗い出します。年間おおよそ10回前後です
  • 各連休の「前の最終営業日」と「明けの初日」を手帳に書き込みます。判断に使うのはこの2日だけです
  • 土日だけの週末は対象外。カレンダーに載せる必要すらありません

(2) 連休前の最終営業日にすること

  • 3〜4連休の前日は日中が-0.1054%と弱いため、買いは後場、できれば大引けに近い時間帯に寄せます
  • 含み益のある建玉を「連休が怖いから」だけの理由で閉じるのはデータ上は逆行動。閉じるかは連休ではなく銘柄の状態で決めます
  • ただし信用取引の持ち越しは、休場日数分の金利・貸株料が余分にかかります

(3) 連休明けの初日にすること

  • 効果はONに集中するので利益確定は寄り付き前後が基本。大型連休明けのONは+0.450%・勝率56.97%でした
  • 明け当日の日中は大型連休+0.2045%、3〜4連休-0.0458%。「寄り付きが高かったからもっと上がる」はデータに支持されません
  • 連休明けは板が薄く値が飛びやすいので、成行より指値を基本にします

(4) 期待値とコストの目安

3〜4連休をまたいだ翌営業日CCの平均は+0.211%、大型連休で+0.652%。往復の手数料とスプレッド・スリッページを合わせれば、0.21%程度は簡単に消えてしまいます。この結果は「連休をまたぐ売買を新たに増やす根拠」ではなく、「すでに持っている建玉を連休だけを理由に閉じる必要はない」という判断材料として使うのが現実的です。

6.注意点とリスク

  • 大型連休のサンプルはあまりに少ない:ギャップ6日以上は3年10か月で5回だけ。表④のとおり明け当日の日中は最良1回を除くと+0.207%→-0.037%へ反転します。GW5回・お盆前後3回・年末年始4回という回数も、統計的な結論を出すには不足です
  • 年による振れが大きい:ギャップ4日以上のONは2024年+0.562%、2025年+0.045%、2022年-0.436%。どの年を切り取るかで印象が変わります
  • 最悪の1回は連休ではなく週末に起きた:土日をまたいだ162回の最悪は2024/08/02で、翌営業日CCが全銘柄平均-12.01%。連休37回で最悪の2026/03/19(-2.85%)を大きく上回ります。平均がプラスであることと、大きくやられる回がないことは別問題です
  • 手数料・スリッページで実リターンは目減りします:本検証は売買コストを考慮していません。連休前後は板が薄く、指値が届きにくく成行が滑りやすい局面。0.21〜0.65%という数字はコスト控除後に大きく縮みます
  • 信用金利・貸株料が休場日数分かかります:5連休なら5日分。リターンから確実に差し引かれるコストです
  • 全銘柄の単純平均です:時価総額の小さい銘柄も等しく1銘柄として数えています。売買できる流動性のある銘柄に絞れば数値は変わりえます
  • 特定の相場局面に引きずられています:期間には大きな急落と急反発が含まれ、それが偶然どの連休の前後に来たかで平均値は動きます
  • 過去の傾向であり、将来を保証するものではありません:参加者の構成や取引制度が変われば連休のクセも変わります。連休だけを根拠にした売買は避け、必ず資金管理と損切りルールを併用してください

7.よくある質問(FAQ)

Q. 連休前にポジションを閉じるのは間違いですか?

A. データ上は閉じる側が平均的に損をしています。3〜4連休をまたぐと翌営業日ONは+0.257%・勝率53.78%、大型連休では+0.450%・勝率56.97%。ただし1回あたり0.2〜0.5%の小さな差ですので、「連休だから閉じる」という機械的な行動をやめる根拠と考えてください。不安で眠れないなら閉じる判断自体は合理的です。

Q. 土日をまたぐのはリスクではないのですか?

A. データ上、土日は特別ではありませんでした。翌営業日ONは+0.078%で通常の連続営業日+0.094%とほぼ同水準、翌営業日CCも+0.014%です。ただし2024/08/02のように、週末をはさんで全銘柄平均が-12.01%動いた回も実在します。

Q. 休場日数はどうやって数えればいいですか?

A. 暦日で「その営業日から次の営業日まで何日あるか」を数えるだけです。金曜の次が月曜ならギャップ3日、間に祝日が1日入って火曜なら4日、GWや年末年始では6〜7日になります。取引所の休業日一覧を見れば年初に1年分を書き出せます。

Q. 連休効果が一番大きいのはどの連休ですか?

A. この期間ではGWでした。翌営業日ON+0.503%・CC+0.796%で、5回すべてONがプラス。次いでお盆前後(3回)がON+0.451%です。ただしそれぞれ5回・3回しかなく、この差が本物かを判定できる回数ではありません

Q. 年末年始だけ数字が悪いのはなぜですか?

A. 年末年始(4回)は翌営業日ONこそ+0.251%ですが、CCは+0.117%、明け当日の日中は-0.127%。大発会は高く始まっても押し戻される回が半分ありました。年をまたぐ時期は税金や権利取りを意識した売買も混じり、需給が他の連休と異なると考えられます。

Q. 連休明けは日中も買われ続けるのでは?

A. そうはなっていません。大型連休明けの日中は+0.2045%で、最良の1回(2023/12/29明け)を除くと-0.037%とマイナスに反転します。3〜4連休明けは-0.0458%、土日明けは-0.0635%。連休の効果は寄り付きでほぼ終わっていると考えるのが安全です。

Q. この結果をそのまま売買ルールにしてよいですか?

A. おすすめしません。大型連休は5回しかなく最良1回を除くと数字が変わること、年ごとの振れが大きく2025年のギャップ4日以上はON+0.045%とほぼ消えていること、手数料・スリッページ・信用金利を含めれば平均0.21%程度の差は消えうること。新たに売買を増やす根拠ではなく、既存の建玉をどう扱うかの判断材料としてお使いください。

8.まとめ

東証全銘柄4,772社・937営業日・日足3,990,612行を全数走査し、休場のはさみ方で株価の動きがどう変わるかを検証しました。要点は5つです。

  1. 「連休またぎは危険」は平均で見るかぎり逆でした。翌営業日ONは通常の連続営業日+0.094%に対し3〜4連休+0.257%、大型連休+0.450%。休みが長いほど明けの寄り付きは高く始まります。
  2. 「連休前は手仕舞い売りで下がる」は半分だけ正解。3〜4連休の前日の日中は-0.1054%・勝率42.58%と最弱ですが、大型連休の前日は+0.0304%で下がっていません。
  3. 土日は特別な休場ではありません。ON+0.078%・CC+0.014%と通常日と同水準。効果が出るのは休みが「いつもと違う長さ」になったときだけでした。
  4. 効果は寄り付きに集中し、明けの日中には続きません。大型連休明けの日中+0.2045%は最良1回を除くと-0.037%へ反転。受け取るなら寄り付きです。
  5. 大型連休は5回しかなく、年による振れも大きい。2024年ON+0.562%に対し2025年+0.045%。断定できる水準ではありません。

「幕間つなぎ」はまったくの迷信ではありませんでした。ただしその正体は「連休が怖いから逃げる」ではなく「休んだ分だけ情報が寄り付きに集中する」という、ごく地味なメカニズムです。次の連休が近づいたら、恐怖でポジションを閉じる前に、それが3〜4連休なのか大型連休なのかをまず確認してください。判断の質は、それだけでも一段上がるはずです。

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「株システムトレードの教科書」の記事は、機関投資家出身・証券アナリスト検定会員の西村剛が、統計データ・システムトレード・ファンダメンタルズを融合して解説しています。
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