目次
大陽線翌日の値動きはどう考えるべきか
大陽線は、始値(寄り付き価格)から上昇し続けて、終値(大引け価格)に高値を付けて引ける強いチャートパターンです。
大陽線は、上昇トレンドの始まりを示す「初動の大陽線」となることも多くなっています。
大陽線は買いが優勢であることを示すため、翌日以降にも買いの勢いが持続するケースが少なくありません。
とはいえ、大陽線が出た翌日の値動きはさまざまです。
大陽線の翌日も強さを維持して連日の陽線となるケースもあれば、大陽線の翌日は利益確定売りが出て大きく下げてしまうケース、横ばいに留まるケースもあります。
いずれにしても、「大陽線がトレンドのどこで出現したのか?」「大陽線翌日の動きから、トレンドはどうなる可能性があるのか?」について考えることが重要です。
大陽線翌日の値動きパターンを解説
大陽線翌日の値動きを大別すると、次の3パターンがあります。
- 強い値動き
- 弱い値動き
- 横ばい
それぞれについて見ていきましょう。
大陽線翌日に強い値動き
大陽線翌日に、再び大陽線が出るなど、強い値動きが続いた場合には、上昇トレンド入りや上昇トレンド継続が期待できる強いパターンとなります。
特に、大陽線の翌日に、窓を開けて前日終値よりも高く寄り付き(ギャップアップ)、日中も買われる大陽線となった場合には、非常に強い値動きです。
寄り付きには前日よりも下げたものの、日中は買われて2日連続で大陽線となるケースも、強い値動きと言えます。
これらの強い値動きは、上昇トレンドへの転換や上昇トレンド中に出現しやすいパターンです。
下降トレンドの終盤やレンジ相場の終盤で、このパターンが出現した場合には、上昇トレンド転換をとらえて、大きな波を取れる可能性も期待できます。
大陽線翌日に弱い値動き
大陽線の翌日には売られて大陰線となり、大陽線の終値よりも低い価格で引けるケースもあります。
この場合、大陰線終値の価格が、大陽線のどの位置まで売られたかを見ることが重要です。
特に、大陽線の半分の位置が一つの目安となります。
大陽線の半分よりも高い位置で引けたら、まだ上昇トレンドが続く可能性があるのではないかと考える材料となります。
ただ、大陰線終値で、前日大陽線の半分よりも下で引けてしまった場合には、大陽線がだましとなった可能性について考えざるを得ません。
より大きく売られ、大陰線終値が大陽線の始値よりも下で引けてしまった場合には、より厳しい見通しで見る必要が出てきます。
このケースにおいても、「トレンドのどこで出現したのか?」を把握しておくことが重要です。
下降トレンドやレンジ相場の終盤で大陽線が出現した場合には、トレンドの転換となることが期待できますが、翌日に大陰線が出て、大陽線の半値や始値よりも低く引けた場合には下降トレンド継続の疑いが強くなります。
上昇トレンドの終盤で、大陽線の翌日に大陰線が出たら、トレンドの転換が近いと警戒する必要が出てきます。
大陽線翌日に横ばい
大陽線の翌日に横ばいとなって、株価がほぼ変わらない動きとなることもあります。
ただ、結果的に株価が横ばいになったとしても、どのような動きで横ばいになったのかで違いがあります。
大陽線の翌日に十字線となるのは、日中には買いと売りが拮抗していたケースです。
この場合は、トレンド転換となるケースも考えられますが、翌日以降に買われて上昇トレンド継続となるケースもあります。
大陽線の翌日に、陽線となって横ばいとなるケース、陰線となって横ばいとなるケースもありますが、いずれもトレンド転換・トレンド継続のどちらの可能性も考えられます。
大陽線の翌日に横ばいとなるケースでも、「トレンドのどこで大陽線が出たのか?」を考えることが重要です。
下降トレンドやレンジ相場の終盤などに大陽線が出て、翌日に十字線となった場合には、上昇トレンドへの転換となり、以降に上昇していく可能性があります。
上昇トレンドの終盤で、大陽線翌日に十字線などが出て横ばいとなった場合には、トレンドの転換に注意が必要です。
大陽線翌日のだまし回避術
大陽線が出現したら、上昇トレンドへの期待から買いエントリーすることが多いかと思われます。
ただ、大陽線翌日以降に上昇トレンドとはならず、だましとなるケースも少なくありません。
大陽線翌日の動きなどから、どうすればだましを回避できるのかを考えていきましょう。
大陽線の実体部分の半値を割ったら損切りとする
大陽線翌日に、大陽線の実体部分の半分を割り込んだ時点で、「そこまで強い値動きではない」と割り切って損切りしてしまう方法が考えられます。
大陽線がだましだったとしても、比較的早めに撤退できるため、損切りのダメージを小さくできます。
ただ、大陽線の翌日に十字線や下ヒゲとなり、一時的に大陽線の半値を割り込むものの、上昇トレンド継続となるノイズケースでは損切りになってしまうことには注意が必要です。
大陽線の始値を割り込んだら損切りする
大陽線・実体部分の始値割れまで待つようにすれば、損切りする回数は減ります。
大陽線の終値でエントリーして、始値まで広く損切りラインを取ることになるため、下ヒゲや陰線による一時的な調整で損切りとなることは防げます。
ただ、損切りラインを広く取るため、1回ごとの損切りのダメージが大きくなることには注意が必要です。
1回あたりのエントリーに投じる資金量を少なくして、総資金に与える損切りのダメージを小さくするなど、資金管理を考慮する必要があります。
また、下降トレンドやレンジ相場の終盤など上昇トレンド入りが期待できる大陽線ならともかく、転換リスクが大きい上昇トレンドの終盤で、このような広い損切りラインを取ることはおすすめできません。
トレンドの位置に合わせて戦略を変える
株式投資は、大陽線と大陽線翌日の動きだけで勝てるほど簡単ではないということが実際の所です。
下記のチャートは、2023年に強い値動きとなっている半導体企業【6526】ソシオネクストの日足チャートです。
上昇トレンドの初期で出ていた大陽線もありますが、トレンドの最終盤でも大陽線が出ており、トレンドの最終盤で大陽線が連続で出たにも関わらず、その後に暴落となったことが分かります。
大陽線を使ったトレード戦略においては、「大陽線はトレンドのどこで出現したのか?」を考えることがとにかく重要です。
大陽線が出現したトレンドの位置や状態によって、エントリー戦略や損切り戦略を柔軟に変える必要があります。
下降トレンドやレンジ相場の終盤といった、上昇トレンドへの転換が期待される所では、大きなリターンが狙えるため、損切りラインを広めにとってだましを防ぐことが有効です。
一方、上昇トレンドの中盤から終盤に掛けては、大陽線が出やすいため勝率も高くなりますが、トレンドの転換となり下落トレンド入りしてしまった場合に備えて、損切りラインを小さく取るなど工夫が必要です。
まとめ
この記事では、大陽線翌日の値動きパターンについて解説してきました。
大陽線は、下降トレンドやレンジ相場の終盤といった上昇トレンドへの転換点で「初動の大陽線」として出やすく、また上昇トレンド中には何度も出現する、強いことを示すローソク足です。
大陽線の翌日には、窓を開ける・連続で陽線となるなどの強い値動きや、大陽線の半値以下まで落ちる弱い値動き、十字線が出て横ばいとなるなど、さまざまな値動きパターンが考えられます。
いずれのケースにおいても、「大陽線がトレンドのどこで出現したのか?」「大陽線の翌日の動きから、トレンドはどうなる可能性があるのか?」について考えることが重要です。
【無料】株システムトレードの教科書の記事は「システムトレードの達人」を使って検証しています。
↓↓↓↓↓
今ならシステムトレードの達人(無料版)がこちらよりダウンロードできます。
ぜひ手に入れてください!