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「株式投資は本当に儲かるのか?」――投資を始める前に、誰もが一度は抱く疑問です。

結論から言えば、株式投資は正しいやり方で長く続ければ、預金より高い確率で資産を増やせるものです。ただし、短期で誰でも大儲けできる魔法の道具ではありません。実際、証券業界の統計を見ると、個人投資家の多くは市場平均に負けている現実があります。

この記事では、株式投資は儲かるのか、儲けている人と儲けていない人の違い、そして初心者が「儲かる側」に回るための具体的な行動を、実例を交えて整理します。

1.株式投資の平均リターンはどのくらいか

まず客観的な数字から見ていきましょう。長期の統計では、株式のリターンは他の主要資産クラスを上回っています。

資産クラス長期年利(目安)
米国株式(S&P500)約7〜10%
全世界株式約5〜8%
日本株式(TOPIX)約3〜6%
日本国債約0〜1%
普通預金0.001〜0.2%

数字だけを見れば、株式投資は預金より圧倒的に高いリターンが期待できます。年利5%で100万円を20年運用すれば、約265万円になる計算です。

2.なのに「個人投資家の多くは儲かっていない」のはなぜか

長期の平均リターンは魅力的なのに、なぜ多くの個人投資家は儲かっていないのでしょうか。理由は主に4つあります。

2-1.売買のタイミングを間違える

個人投資家は上昇局面の終盤で買い、下落局面の底で売る傾向があります。ニュースで盛り上がっている銘柄に飛びついて高値掴みし、暴落時に恐怖で投げ売りしてしまうパターンです。

2-2.損切りができない

含み損が出た銘柄を「戻るはず」と持ち続け、含み損がどんどん膨らむ。逆に、含み益は「利益確定しないと消える」と早々に売ってしまう。損大利小のこのパターンが、平均リターンを大きく下げます。

2-3.短期売買を繰り返して手数料負けする

デイトレやスキャルピングで頻繁に売買する初心者は、手数料と税金の積み上がりで相場に勝っても手取りが減ることがよくあります。

2-4.一発逆転を狙って集中投資する

「これで人生を変える」と特定の1銘柄に資産の大半を突っ込み、その銘柄が半値になって退場していく人も少なくありません。集中は高リターンと引き換えに、破綻のリスクも同時に上げる選択です。

3.「儲かる人」の共通点

逆に、株式投資で長く儲かり続けている人には共通点があります。

  • 投資期間を長く取る:数年〜十数年の時間軸で考える
  • 分散投資する:業種・国・時期を分散し、致命傷を避ける
  • 損切りルールを機械的に守る:買う前に売る値段を決めている
  • 相場の話題より業績・数字を見る:SNSやニュースに一喜一憂しない
  • 売買記録を継続的に取る:勝ちパターンと負けパターンを言語化できる
  • 常に一定の現金を持つ:暴落時に買える資金を残している

「特別な情報を持っている」わけでも「才能がある」わけでもなく、やらないことを決めているのが勝ち続ける人の共通点です。

4.初心者が「儲かる側」に回る5つのアクション

4-1.全世界株か米国株のインデックス投信を積み立てる

個別銘柄で市場平均に勝ち続けるのは至難の業です。まず市場平均そのものを買うのが最も確実な儲けの道です。全世界株や米国S&P500のインデックス投信を、月々一定額で積み立てるだけで、年利4〜7%のリターンが期待できます。

4-2.NISA枠を最大限使う

NISA口座の売却益・配当金は非課税です。年利5%で1,800万円の非課税枠を20年運用すれば、税負担ゼロで約4,800万円まで育つ計算です。課税口座で同じ運用をすると税金で数百万円失うため、NISA枠は最優先で埋めていきます。

4-3.個別株を買うなら業績と株価水準をセットで見る

個別銘柄に挑むなら、「良い会社を、割安な価格で」の原則を守ります。売上と利益が伸びていて、PER・PBRが同業と比べて極端に高くない銘柄を選ぶだけで、大失敗の確率はぐっと下がります。

4-4.買う前に売る値段を決める

買った瞬間に「-8%で自動的に売る」逆指値を入れる、これだけで大きな含み損に苦しむ確率が激減します。感情ではなくルールで動く仕組みを作りましょう。

4-5.10年単位で考える

株式投資の平均リターンが真価を発揮するのは10年、20年という時間軸です。1〜2年の含み損に耐えられるかどうかが、勝ち残る条件になります。

5.「株式投資は危険」は本当か

結論から言えば、やり方次第です。

  • 集中投資、レバレッジ、短期売買 → 危険
  • 分散投資、現物、長期積立 → 預金より安全な資産形成手段になり得る

過去100年以上のデータで見ると、全世界株式に15年以上分散投資して元本割れした期間はほぼありません。「株式は危険」ではなく「危険な株式の使い方が危険」と捉えるのが正確です。

6.儲かる金額のリアルなイメージ

初心者が現実的に狙える金額を、月々の積立額別に整理します。年利5%前提の複利計算です。

月々積立額10年後20年後30年後
1万円約155万円約411万円約832万円
3万円約466万円約1,233万円約2,497万円
5万円約776万円約2,055万円約4,161万円

短期の一発逆転より、時間を味方につけた地道な積立のほうが、はるかに大きな資産を作れることが数字からわかります。

7.よくある質問(FAQ)

Q. 株式投資で本当に儲かる人は何割ですか?

A. 短期売買では6〜8割が損しているとされる一方、長期のインデックス積立では大多数が資産を増やしています。手法次第で結果が大きく変わります。

Q. 何年続ければ儲かりますか?

A. インデックス投信の長期積立の場合、15〜20年の時間軸で運用すれば、統計的に元本割れの確率は極めて低くなります。

Q. 初心者はいくらから始めるべきですか?

A. 5万〜10万円で始めるのが実践的な目安です。心が動く金額かつ失っても生活に影響しない範囲で開始してください。

Q. 元本保証の投資商品はありますか?

A. 株式投資には元本保証はありません。元本保証を求めるなら定期預金・個人向け国債などが選択肢になりますが、リターンは限定的です。

8.まとめ――儲かる株式投資に必要な4つの要素

  • 長期の時間軸(10〜20年以上)
  • 分散投資(国・業種・時期)
  • 機械的な損切りルール
  • NISAを活用した非課税運用

株式投資は「短期で誰でも大儲け」ではないが、「長期で正しく続ければ多くの人が資産を増やせる」ものです。派手な一発を狙うより、時間と分散を味方につけて、静かに資産を育てていく設計が、10年後の生活を確実に楽にします。

「株は儲かるのか?」という問いへの正直な答えは、「正しくやれば、預金より確実に増える。間違えると預金より速く減る」――これが実務家としての結論です。

執筆者

西村剛
西村剛

フェアトレード株式会社 代表取締役。機関投資家出身で統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-1グランドチャンピオン大会で+200.4%、2012年+160.1%、2013年157.0%を叩き出し三連覇達成。証券アナリスト検定会員。システムトレードを使った定量分析と、これまでファンドマネジャーとして培ったファンダメンタルズ分析を融合した新しい視点で株式市場を分析し、初心者でもわかりやすい言葉を使った解説に定評がある。

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「株システムトレードの教科書」の記事は、機関投資家出身・証券アナリスト検定会員の西村剛が、統計データ・システムトレード・ファンダメンタルズを融合して解説しています。
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