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「株式投資を始めてみたいけれど、何から手をつければいいかわからない」――そんな声を毎年数百人規模で受け取ります。

結論から言えば、株式投資は正しい順序で準備を進めれば、初心者でも1か月以内にスタートできるものです。特別な才能や大きな元手は必要ありません。

この記事では、証券会社の口座を持ったことがない完全な未経験者に向けて、株式投資の始め方を「準備 → 口座開設 → 銘柄選び → 注文」の順にわかりやすく解説します。さらに、初心者がつまずきやすいポイントを避けるための7つのステップも紹介します。

読み終わる頃には、「今日から自分に何ができるのか」がはっきり見える状態になっているはずです。

1.株式投資とは何か――仕組みをやさしく理解する

株式投資とは、株式会社が発行する「株式」を売買することで、値上がり益や配当金を得る投資手法です。

株式を1株でも持てば、あなたはその会社の株主になります。株主には主に3つの権利があります。

  • 配当金を受け取る権利:会社が稼いだ利益の一部を分配してもらえる
  • 株主優待を受ける権利:企業によっては自社商品や割引券などがもらえる
  • 議決権:株主総会で経営方針に賛否を投じられる

そして、投資家にとって最も重要なのがキャピタルゲイン(値上がり益)です。100円で買った株を150円で売れば、差額の50円が利益になります。

株価は会社の業績や市場の期待、景気動向によって毎日動きます。株式投資はこの値動きを取ることで資産を増やしていく行為だ、と理解しておけば大枠は掴めます。

2.株式投資を始める前に整えるべき3つの準備

いきなり口座を開いて銘柄を買うのはおすすめしません。まずは以下の3つを整えることが、株式投資で長く生き残るための土台になります。

2-1.生活防衛資金を確保する

株式投資は元本保証がなく、短期的には資産が20〜30%減ることも珍しくありません。そこで、まず生活費の3〜6か月分を現金や普通預金で確保してください。生活防衛資金がある状態で始めれば、暴落時にも慌てて損切りせずに済みます。

2-2.投資の目的と期間を決める

「なぜ投資をするのか」「何年後にいくら必要か」を決めておくと、銘柄選びや売買判断がぶれません。老後資金なのか、教育費なのか、住宅頭金なのか。目的が違えば、選ぶ銘柄も、リスクの取り方も変わります。

2-3.少額から学ぶ姿勢を持つ

最初から大金を投じる必要はありません。まずは5万〜10万円の少額から始め、実際の値動きと自分の感情の動きを観察するのが最短の学習法です。教科書だけで学ぶより、少額でも実弾を投じたほうが圧倒的に身につきます。

3.証券会社の選び方――ネット証券が基本

株式投資を始めるには、まず証券口座を開設する必要があります。銀行では株式は買えません。

初心者にはネット証券がおすすめです。理由は主に3つあります。

  • 手数料が安い:対面型と比べて売買コストが1/10以下になることも珍しくありません
  • スマホで完結する:口座開設から売買まで、自宅から24時間いつでも操作できます
  • 情報提供が豊富:株価チャート、ニュース、企業分析ツールなどが無料で使えます

証券会社を選ぶときの主なチェックポイントは次の通りです。

項目確認する内容
売買手数料1回あたり、または1日あたりの料金体系
単元未満株(S株)対応1株から買えるか。数千円から始めたい人は必須
NISA口座対応非課税で運用できるか
取引ツールアプリの使いやすさ、PC版チャートの機能
情報コンテンツアナリストレポート、株主優待検索など

迷ったら、口座維持費が無料で、単元未満株とNISAの両方に対応しているネット証券を選べば大きく外しません。

4.口座開設の流れ――最短5営業日で完了

証券口座の開設は、思っているよりずっと簡単です。手順は次の4ステップです。

  1. 公式サイトから申込:氏名・住所・職業・年収などを入力
  2. 本人確認書類の提出:マイナンバーカードや運転免許証をスマホで撮影しアップロード
  3. 審査:証券会社による1〜5営業日程度の審査
  4. ログインID発行:郵送またはメールで届いたIDでログインし入金

ここで大事な選択が1つあります。それが「特定口座(源泉徴収あり)」を選ぶことです。

この口座を選んでおけば、利益が出たときの税金を証券会社が自動計算・自動納付してくれるため、初心者は原則確定申告が不要になります。手間を最小化するための最重要ポイントです。

5.銘柄選びの3つの視点

口座が開いて入金が終わったら、いよいよ銘柄選びです。膨大な数の上場企業がある中で、初心者が最初に見るべき視点は次の3つに絞れます。

5-1.業績――売上と利益が伸びているか

株価は長期的には業績を反映します。売上・営業利益が右肩上がりの会社は、株価も長期で上昇しやすい傾向があります。証券会社の企業情報ページで、過去5年の売上と営業利益の推移を確認してみてください。

5-2.株価水準――割高すぎないか

いい会社でも、株価が高すぎるタイミングで買うと利益は伸びにくくなります。目安となるのがPER(株価収益率)PBR(株価純資産倍率)です。同業他社と比べて極端に高くないかを確認しましょう。

5-3.値動きの特性――日足チャートの形

過去半年〜1年の日足チャートを見て、安値を切り上げているかを確認します。安値が徐々に切り上がっている銘柄は、需給が改善しているサインです。逆に、安値が切り下がり続けている銘柄は、いくら業績がよくても手を出さないほうが無難です。

6.注文方法の基本――成行・指値・逆指値

銘柄が決まったら、いよいよ発注です。基本の注文方法は次の3つです。

注文方法特徴使いどころ
成行値段を指定せず、その時の市場価格で約定今すぐ確実に買いたい/売りたいとき
指値「1,000円以下で買う」など値段を指定高値掴みを避けたいとき
逆指値「950円まで下がったら売る」など損切り用損失を一定額で止めたいとき

初心者に特に覚えて欲しいのは逆指値です。買った瞬間に「ここまで下がったら自動的に売る」という逆指値を入れておけば、感情に振り回されて損失を膨らませる失敗を防げます。

7.初心者が失敗しないための7つのステップ

ここまでの内容を踏まえ、初心者が着実に前進するための7ステップをまとめます。

  1. ステップ1:生活防衛資金3〜6か月分を確保する――投資は余裕資金で
  2. ステップ2:ネット証券で特定口座(源泉徴収あり)を開設する――税務手続きを自動化
  3. ステップ3:NISA口座も同時に申し込む――利益が非課税になる制度は最大限使う
  4. ステップ4:最初は5万〜10万円の少額から始める――値動きと自分の感情を観察
  5. ステップ5:最初の1〜2銘柄は身近な有名企業から選ぶ――業績が調べやすく続報も追いやすい
  6. ステップ6:買った瞬間に逆指値で損切りラインを決める――「-8%で自動売却」を機械的に
  7. ステップ7:週1回、資産と取引を振り返る時間を作る――勝ちパターンと負けパターンを言語化

特にステップ6は、株式投資で長く生き残るための鍵です。多くの初心者が「もう少し戻るはず」と損切りを先送りして大きな含み損を抱えてしまいます。買う前に売る値段を決める――これを習慣にできれば、退場せずに続けていくことができます。

8.よくある質問(FAQ)

Q. 株式投資はいくらから始められますか?

A. 単元未満株(S株)を扱う証券会社なら数百円〜数千円から始められます。まとまった単位で買う場合でも、5万〜10万円の予算があれば主要な有名銘柄を1単元購入できます。

Q. NISAとは何ですか?必ず使ったほうがいいですか?

A. NISAは投資で得た利益にかかる約20%の税金が非課税になる制度です。特別な理由がない限り、初心者はまずNISA口座で始めることをおすすめします。

Q. 損切りとは何ですか?

A. 含み損を抱えた銘柄を、あらかじめ決めた損失額で売却して損失を確定させることです。損切りができるかどうかで、長期的な運用成績が大きく変わります。

Q. 始めるのに勉強はどれくらい必要ですか?

A. 最低限、注文方法・特定口座・NISAの3つを理解すれば始められます。あとは少額で実際に売買しながら学ぶのが最短ルートです。

9.まとめ――今日から始める株式投資

株式投資の始め方は、順序さえ間違えなければ決して難しくありません。

  • まず生活防衛資金を確保し、目的を決める
  • ネット証券で特定口座(源泉徴収あり)+NISA口座を開設する
  • 5万〜10万円の少額から、身近な有名企業を1銘柄買ってみる
  • 買った瞬間に逆指値で損切りラインを設定する
  • 週1回、自分の取引を振り返る

この5つを実行するだけで、初心者の8割が陥る「なんとなく始めて、なんとなく損切りできずに大損」というパターンから抜け出せます。

大切なのは、完璧に理解してから始めることではなく、少額で実際に始めて経験を積むことです。今日、証券口座を1つ申し込むだけで、あなたの資産形成は前進します。

執筆者

西村剛
西村剛

フェアトレード株式会社 代表取締役。機関投資家出身で統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-1グランドチャンピオン大会で+200.4%、2012年+160.1%、2013年157.0%を叩き出し三連覇達成。証券アナリスト検定会員。システムトレードを使った定量分析と、これまでファンドマネジャーとして培ったファンダメンタルズ分析を融合した新しい視点で株式市場を分析し、初心者でもわかりやすい言葉を使った解説に定評がある。

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「株システムトレードの教科書」の記事は、機関投資家出身・証券アナリスト検定会員の西村剛が、統計データ・システムトレード・ファンダメンタルズを融合して解説しています。
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