目次
1.2020年の大納会と2021年の大発会はいつ?
新型コロナウィルスが世界で蔓延したことで、波乱の相場展開であった2020年ですが、2020年の営業日日数も残りわずかになっています。
2020年の最終営業日である大納会がいつなのか気になる方も多いかと思います。
2020年の大納会は、【12月30日(水)】です。
そして、2021年の第1営業の大発会は、【2021年1月4日(月)】です。
年末年始の相場は、多くの個人投資家が長期休みに入っていることから、お祭りムードが漂いやすく、売買が活発になります。
その一方で、機関投資家は休暇中で売買が行われないことから、大納会や大発会の株式市場の動きは非常に独特です。
新年はめでたいという気持ちが強くなることから、新たな資金で株を買い付けしようという流れが生まれやすいです。
実際、株式市場のアノマリーとして、
「12月末の大納会に銘柄を買い付けし、大発会に売ると勝ちやすい」
というアノマリーが存在します。
大納会直前の12月後半は、機関投資家が休みに入ることから、12月前半は例年持っているポジションを整理する動きが出ます。
また、個人投資家も節税対策で売りを出しやすく、12月前半は比較的株式市場は軟調に推移する傾向があります。
一方で、大納会から大発会の年末年始は、それらの投資家が、ポジションの買戻しや 新たな銘柄へ資金を入れるために、上がりやすい傾向があると言われています。
これが、大納会や大発会の相場は、株価が上がりやすいといわれる理由です。
確かに、文字だけ見ると、理屈が通っていると言えそうですね。
この大納会と大発会の傾向が本当ならば、それを利用しない手はありません。
今回は過去の株価のデータ20年分を使って、「大納会と大発会の傾向」について、詳しく分析してみました。
2.2018年と2019年の大納会と大発会を振り返る
株価データを活用して「大納会と大発会の傾向」について分析を行う前に、過去2年間の大納会と大発会を振り返ってみましょう。
【2019年大納会と2020年大発会】
上記は、日経平均株価の2019年大納会と2020年大発会のチャートです。
上記を確認すると、大納会から大発会にかけて、株価が大きく下落していることが確認できます。
中東情勢が緊迫化したことで、年始より波乱の展開となりました。
一時は米国とイランの戦争に発展するのではないかと危惧され、大納会から大発会にかけて株式市場は大きく下落しました。
では、次に2018年大納会と2019年大発会のチャートを確認しましょう。
【2018年大納会と2019年大発会】
上記は、日経平均株価の2018年大納会と2019年大発会のチャートです。
上記を確認すると、こちらも大納会から大発会にかけて、株価が大きく下落していることが確認できます。
国内が年末年始の休暇に入っている間に米国アップルが業績の下方修正を発表しました。
アップルの急落に伴いハイテク株が大きく売られ、米国株式市場全体が大きく下落ました。
そのあおりをうけて、大納会から大発会にかけて、株式市場は大きく下落しました。
上記を確認すると、大納会から大発会にかけては、2年連続で株価が下落していることが確認できました。
冒頭では、大納会から大発会にかけては、株価が上がりやすいアノマリーがあると言われているとお伝えしました。
ここ2年間の傾向と世間一般に言われているアノマリーが矛盾していると言えるでしょう。
そこで、今回は過去の株価のデータ20年分を使って、「大納会の引け買い、大発会の寄り売りは有効か?」について、詳しく分析してみましょう。
3.大納会の引け買い、大発会の寄り売りは有効か?
ここでは、「大納会の引け買い、大発会の寄り売りは有効か?」について、過去20年過分の株価データを活用して、分析してみましょう。
大納会の引け買い、大発会の寄り売りが有効な戦略かどうかを分析するために、今回は、以下の内容で分析してみました。
ⅰ.ルール詳細(大納会の引け買い、大発会の寄り売りが有効か?)
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検証対象:全銘柄
検証期間:2000/01/01~2020/09/30
1銘柄当たりの投資金額:20万円
【買い条件】
・「12月27日、28日、29日、30日」のいずれかの株式市場が開いている日の大引けに仕掛ける
※開いている日が複数ある場合には、早い日にちで仕掛ける
【売り条件】
・年明け第1営業の寄り付きに手仕舞い
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上記の条件で、どのような成績になるかを分析しました。
「買い条件」は、大納会がある、12月27日、28日、29日、30日のいずれかで仕掛けるように設定しました。
そして、「売り条件」は、大発会(年始の第1営業日)の寄り付きに手仕舞いする設定にしました。
このように設定することで、大納会の引け買い、大発会の寄り売りの傾向を掴むことが出来るでしょう。
仮に、勝率が50%以上で、損益がプラスならば、大納会の引け買い、大発会の寄り売りは買いのチャンスと判断できます。
反対に、損益がマイナスであるならば、大納会の引け買い、大発会の寄り売りは空売りのチャンス言えるでしょう。
では、上記の条件で過去の株価データでトレードした場合に、どのような分析結果になるでしょうか。分析結果は以下をご覧下さい。
ⅱ.分析結果(大納会の引け買い、大発会の寄り売りが有効か?)
勝率: 66.43 %
勝ち数: 45,244 回
負け数: 22,864 回
引き分け数: 3,577 回
平均損益(円): 2,941 円 平均損益(率): 1.47 %
平均利益(円): 7,826 円 平均利益(率): 3.91 %
平均損失(円): -6,265 円 平均損失(率): -3.13 %
合計損益(円): 210,839,513 円 合計損益(率): 105,425.08 %
合計利益(円): 354,085,111 円 合計利益(率): 177,053.44 %
合計損失(円): -143,245,598 円 合計損失(率): -71,628.36 %
PF: 2.472
平均保持日数: 9.76 日
上記が、分析結果です。
分析結果を見てみると、勝率は66.43%、平均損益は1.47%となっています。
勝率は6割を超え、平均損益はプラスです。
以上の結果から、大納会の引け買い、大発会の寄り売りは買いのチャンスと判断できるでしょう。
なお、一点だけ、「大納会の引け買い、大発会の寄り売り」戦略には、戦略を活用する場合の注意点があります。
それは、年によっては、大納会で買い付けしたほぼすべての銘柄が負けてしまう恐れがありことです。
以下に、2000年から2020年までの、各年度の成績をまとめた表を記載します。以下をご覧下さい。
【年別成績~大納会の引け買い、大発会の寄り売り~】
上記の表を確認すると、勝っている年の勝率や平均損益と、負けている年のそれでは大きな開きがあることが確認できます。
勝つ年は、勝率が8割を超えており、大納会で買い付けしたほぼすべての銘柄が利益で手仕舞い出来ています。
しかし、負ける年だと、勝率は40%を下回る年もあり、大納会で買い付けした銘柄の大半が損失で終了することもあるようです。
過去、トータルで負けたとしは、2000年、2008年、2015年、2020年の4回です。
20年間の検証のうち負けた年はたった4回なので、この「大納会の引け買い、大発会の寄り売り」戦略がいかに有効な戦略であるかは一目瞭然です。
しかし、20年のうち4回(確率20%)で負ける年があることについては、あらかじめ注意が必要でしょう。
ただし、それを差し引いても、勝率が高く、平均損益もプラスである「大納会の引け買い、大発会の寄り売り」戦略は、統計的に有効な戦略と言えるでしょう。
4.最終日である大納会の取引時間は?
大納会であっても、取引時間は通常と変わりません。
- 前場:午前9時~午前11時30分
- 後場:午後12時30分~午後15時
ちなみに、2008年までの大納会は取引時間が異なりました。いわゆる、半日立ち会いというもので、午前中のみ取引が行われていました。
その後、2009年より大納会であっても通常日と同じ取引時間なり、現在に至ります。
5.まとめ 「大納会の引け買い、大発会の寄り売り」戦略は有効か?
20年の株価のデータを使って分析した結果、大納会の引け買い、大発会の寄り売りは買いのチャンスであると判断できるでしょう。
大納会でめぼしい銘柄を買い付けしておき、大発会で手仕舞いする戦略はぜひ活用したい戦略でしょう。
大納会と大発会の時期は、多くの個人投資家が休暇に入り、いつも以上に活発にトレードが行われるお祭り相場です。
この戦略を活用して、新年一発目でよいスタートダッシュを切ることができるでしょう。
なお、この戦略の特性上、勝つ年は大勝ち、負ける年は大負けとなる傾向が強いです。
勝つ年の割合が圧倒的に高いものの、過度な信頼はリスクが高いと言えます。
「大納会の引け買い、大発会の寄り売り」戦略を活用する場合には、運用資金の一部だけ回して適切なリスクコントロールをしてください。
ぜひ、今回の大納会の引け買い、大発会の寄り売りの分析を活用いただき、あなたのトレードに役立ててみてはいかがでしょうか。
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