日本株

今回は、「木曜日の株価の傾向」について分析してみます。

株式市場は、曜日によって、上がりやすい傾向や、下がりやすい傾向があると言われています。
ただし、それらの情報の多くは根拠が薄く、本当にその通りの傾向があるかわかりません。

そこで、今回は過去の株価のデータ20年分を使って、木曜日の株価の傾向について実際に調べてみました。

執筆者

西村剛
西村剛

フェアトレード株式会社 代表取締役。機関投資家出身で統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-1グランドチャンピオン大会で+200.4%、2012年+160.1%、2013年157.0%を叩き出し三連覇達成。証券アナリスト検定会員。システムトレードを使った定量分析と、これまでファンドマネジャーとして培ったファンダメンタルズ分析を融合した新しい視点で株式市場を分析し、初心者でもわかりやすい言葉を使った解説に定評がある。



システムトレード

1.木曜日の株価の傾向~市場別~

では、はじめに分析条件を確認していきましょう。
分析条件は、以下の通りです。

ⅰ.ルール詳細(TOPIX500の木曜日の株価傾向)

木曜日,株価

「TOPIX500」採用銘柄を対象に、「買い条件」と「売り条件」でトレードした場合に、どのような成績になるのかを検証しました。
2000年から2021年までの約20年の検証を行うことで、木曜日の株価の傾向を掴むことができるでしょう。

仮に、勝率が50%以上で、損益がプラスならば、木曜日は株価が上がりやすい曜日と判断できます。反対に、損益がマイナスであるならば、木曜日は下がりやすい曜日と言えるでしょう。

一般的に、木曜日は、週末に向けて株価が上がりやすい傾向があると言われています。
そして、週末の金曜日にポジションを手仕舞いし、株価が下がりやすいと言われています。

実際、あなたも月曜日から木曜日まで株を買い付けし、週末にポジションを手仕舞いしたことがあるかもしれません。

一般的には、そのように言われている木曜日ですが、果たして、分析結果はどのようになるでしょうか。

以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。

ⅱ.検証結果(TOPIX500の木曜日の株価傾向)

木曜日,株価
木曜日,株価

分析結果を見てみると、勝率は47.74%、平均損益は-0.01%となっています。
勝率は5割を割り込み、平均損益はマイナスです。

勝率が明確に5割を割り込み、平均損益もマイナスであることから、木曜日は株価が下がりやすい傾向があると判断できるでしょう。

一般的に、木曜日の株価は上がりやすいと言われていますが、実際には、明確にそのような傾向は得られませんでした。
むしろ、木曜日は下がりやすい傾向があるという逆の結果となりました。

なお、先ほどの検証では、トレードの対象は、TOPIX500に採用されている大型株でした。
もしかすると、中小型株の木曜日の株価の傾向は異なるかもしれません。

そこで、次に、「東証マザーズ」の銘柄を対象に、木曜日の株価の傾向を確認してみましょう。

分析条件は、以下の通りです。

ⅲ.ルール詳細(東証マザーズの木曜日の株価傾向)

木曜日,株価

「東証マザーズ」上場銘柄を対象に、「買い条件」と「売り条件」でトレードした場合に、どのような成績になるのかを検証しました。

分析結果は、以下の通りです。

ⅳ.検証結果(東証マザーズの木曜日の株価傾向)

 

木曜日,株価
木曜日,株価

以上が、検証結果です。

検証結果を見てみると、勝率は43.15%、平均損益は-0.19%です。

「TOPIX500」の分析と比較すると、勝率はより4割に近づいており、平均損益はマイナスも大きくなっています。

東証マザーズを対象とした検証でも、木曜の株価の傾向は「下がりやすいと言える」でしょう。

そして、「TOPIX500」のような大型株よりも、東証マザーズ銘柄のような中小型株のほうが木曜日の株価は下がりやすい傾向があると判断できるでしょう。

2.まとめ

一般的に、「木曜日の株価は上がりやすい」と言われていますが、今回の検証では、そのような傾向は確認できませんでした。

むしろ、木曜日の株価は下がりやすい傾向があることが分かりました。

また、大型株と中小型株を比較すると、中小型株のほうが木曜日の株価が下がりやすい傾向が強いです。

これをただの「アノマリー」と切り捨てるのではなく、しっかりと自分の投資戦略に取り入れることで、不用意に損失を被るリスクを減らすことが出来そうですね。

また、この傾向を逆手にとって、「木曜日に空売りデイトレ」を仕掛ける戦略も有効そうですね。

売買戦略を構築する上での参考にしていただければと思います。

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