日本株

こんにちは、 今回はシステムトレードの観点から、 9月新興市場の株価の傾向について調べてみました。 株式市場は、月によって上がりやすい月と下がりやすい月があります。 この傾向は毎月必ずそうなるとは言えませんが、 株式投資を行う上で、その傾向を把握しておくことは重要でしょう。 前回は、「9月の東証1部の傾向」について検証しました。
実は、同じ月でも市場によって、傾向が異なることがあります。 そこで、「9月の新興市場は上がるか?下がるか?」について検証していきます。 一般的に、9月は「彼岸底」と呼ばれ、下がりやすい傾向があります。 はたして、この一般論が本当に正しいかについて検証してみましょう!!

執筆者

田村 祐一
田村 祐一

フェアトレード株式会社所属。調査本部アナリスト。統計データを重視したシステムトレードとファンダメンタルを組み合わせて銘柄分析を行う。株主優待先回り買い等の「イベント投資」にも注力。


1.9月の新興市場銘柄の傾向検証

ⅰ.ルール詳細(9月新興市場の傾向)

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検証対象:新興市場銘柄(ジャスダック・マザーズ)
検証期間:1990年3月~2014年7月25日
1銘柄当たりの投資金額:20万円
買い条件 ・8月末の最終営業日の寄り付きで買い
売り条件 ・25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り
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9月相場の傾向を調べるために、8月末に新興市場全銘柄を購入し、 25日経過後に売却した場合について検証を行いました。 仮に、勝率が50%以上で、損益がプラスならば、 9月は株価が上がりやすい月と言えます。 逆に、勝率が50%以下で、損益もマイナスであるならば、 9月は株価が下落しやすい月と言えるでしょう。 以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。

ⅱ.検証結果(9月新興市場の傾向)

■9月株式市場(新興市場)の傾向の検証結果 9月 株価 勝率: 34.87 %
勝ち数: 5,838 回
負け数: 10,905 回
引き分け数: 583 回
平均損益(円): -5,906 円  平均損益(率): -2.95 %
平均利益(円): 20,371 円  平均利益(率): 10.19 %
平均損失(円): -20,288 円  平均損失(率): -10.14 %
合計損益(円): -102,318,900 円  合計損益(率): -51,160.64 %
合計利益(円): 118,926,950 円  合計利益(率): 59,464.84 %
合計損失(円): -221,245,850 円  合計損失(率): -110,625.48 %
プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 0.538
平均保持日数: 28.20 日

以上が 、9月相場(新興市場)の検証結果です。

2.まとめ 9月の新興市場銘柄の傾向は?

検証結果を確認すると、勝率は34.87%、平均損益は-2.95%です。
勝率は35%以下ととても低く、平均損益もとても大きなマイナスです。
東証1部の傾向[勝率:38.57%、平均損益:-2.02%]と比較しても、 断然悪い検証結果となっています。 新興市場は、個人投資家の売買が活発な市場です。
よって、9月は、私たち個人投資家が 損失を被りやすい傾向があると言えるでしょう。

もし、新興市場の銘柄を9月にトレードする場合には、 銘柄の選定は慎重に行ったほうが良さそうですね。

■追伸

日本株市場は、夏から秋にかけては、下がりやすい傾向があります。

つまり、買いから入るトレードスタンスでは、 なかなか利益を上げにくい傾向があるということです。
よって、買いから入るトレードを行う場合には、 十分に注意してトレードする必要があります。 「十分に注意」といっても具体性がありませんので、 よりつっこんでお話します。
裁量トレードをされている方であれば、 ・投資対象をチャートの形状が右肩上がりの銘柄に絞る ・決算発表で好決算を出しそうな銘柄の先回り買い 等が有効だと言えそうです。 もしくは、「イベント投資」なども良いかもしれませんね。 システムトレードを行っている方であれば、 言うまでもないですが、ご自身の作成した売買ルールの シグナルどおり淡々と売買するのが良いでしょう。 正直、「シグナルどおり売買する」以外にすることはないです。 楽といえば楽ですが、暇といえば暇ですね。

<追伸>
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