日本株

1.システムトレードにおける空売りデイトレ戦略とは?

今回は、システムトレードにおける「空売りデイトレ戦略」について紹介します。

空売りデイトレ戦略というと、その名の通り、一日の株式市場の中で株を空売りして、その銘柄の株価が下がったら買戻しする戦略を指します。
空売りデイトレ戦略ですので、空売りした株は、翌日以降に持ち越すことはありません。

空売りデイトレというと、どのようなトレードをイメージされるでしょうか?

おそらく、多くの方は、空売りデイトレというと、一日中パソコンの前に張り付いて、トレードしている姿を思い浮かべるでしょう。

実は、一般的に知られている「空売りデイトレ」とシステムトレードにおける「空売りデイトレ」は同じ空売りデイトレでも、全く異なる投資戦略です。
この2つの空売りデイトレで共通しているのは、「1日の中で、売り買いを完結させる」という点くらいです。

一般的な「空売りデイトレ」では、「スキャルピング」や「板読み」と呼ばれる1分、1秒を争うような、超短期トレードを繰り返す手法を指します。

一方で、システムトレードの「空売りデイトレ」は、「寄り付き」付近に空売りを仕掛けて、「大引け」に買い戻しを行います。

システムトレードの空売りデイトレは、単純に寄り付きに空売りして、引けで買い戻すことから、日中は、相場に張り付く必要はありません。

「空売りデイトレ」という意味では同じですが、一般的な空売りデイトレとシステムトレードのそれは、全く異なるトレードなのです。

システムトレードの空売りデイトレですが、システムトレードを実践している投資家にとっては、非常に利益が期待できる戦略として知られています。
空売りデイトレ戦略を活用して、億トレーダーになったシステムトレーダーが何人もいます。

そこで、今回はシステムトレードにおける「空売りデイトレ」とは、どのような条件でトレードするのか、公開したいと思います。

執筆者

西村剛
西村剛

フェアトレード株式会社 代表取締役。機関投資家出身で統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-1グランドチャンピオン大会で+200.4%、2012年+160.1%、2013年157.0%を叩き出し三連覇達成。証券アナリスト検定会員。システムトレードを使った定量分析と、これまでファンドマネジャーとして培ったファンダメンタルズ分析を融合した新しい視点で株式市場を分析し、初心者でもわかりやすい言葉を使った解説に定評がある。



システムトレード

2.システムトレードの空売りデイトレ戦略

では、さっそくシステムトレードの空売りデイトレ戦略について、詳細をお話ししていきます。

システムトレードにおける空売り戦略は、以下のように定義することができます。

【株価が短期的に上昇している銘柄を空売りし、その日の大引けに成行で手仕舞いする戦略】

上記がシステムトレードの空売りデイトレ戦略です。

短期的に株価が上昇している割高銘柄を空売りし、その後の株価下落(調整)を狙うということです。

株価が上昇することを定義する条件式は様々ありますが、今回は、システムトレードの空売りデイトレ戦略を以下のように設定しました。

ⅰ.ルール詳細(システムトレードの空売りデイトレ戦略)

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検証対象:東証1部貸借銘柄
検証期間:2000/01/01~2020/09/30
1銘柄当たりの投資金額:20万円

【買い条件】・終値と移動平均(5日)の乖離率が+3%以下の銘柄を、翌日に成行売り

【売り条件】・空売りした当日の大引けに成行売り

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上記が、今回の空売りデイトレ戦略の詳細です。

「終値と移動平均(5日)の乖離率が+3%以上」となった銘柄は、短期的に大きく株価が上昇していることを表しています。

短期的に株価が上昇している銘柄を空売りし、その日の大引けに手仕舞いします。

なお、空売りデイトレを実践するには、空売りができる銘柄であることが必須条件です。
そこで、空売りができる東証1部貸借銘柄を検証対象とします。

では、上記の空売りデイトレ戦略をもとに、過去の株価データでトレードした場合に、どのような検証結果になるでしょうか。分析結果は以下をご覧下さい。

ⅱ.分析結果(システムトレードの空売りデイトレ戦略)

 勝率: 54.52 %
 勝ち数: 75,072 回
 負け数: 62,635 回
 引き分け数: 4,961 回

 平均損益(円): 236 円  平均損益(率): 0.12 %
 平均利益(円): 3,722 円  平均利益(率): 1.86 %
 平均損失(円): -3,924 円  平均損失(率): -1.96 %

 合計損益(円): 33,609,032 円  合計損益(率): 16,807.64 %
 合計利益(円): 279,399,987 円  合計利益(率): 139,718.41 %
 合計損失(円): -245,790,955 円  合計損失(率): -122,910.77 %

 PF: 1.137
 平均保持日数: 0.01 日

上記が、システムトレードにおける空売りデイトレ戦略の分析結果です。
分析結果を見てみると、勝率は54.52%、平均損益は0.12%です。
勝率は5割を超えており、平均損益もプラスです。

また、損益の推移を確認すると、きれいな右肩上がりで推移しており、毎年安定して利益を上げることができる戦略といえるでしょう。

システムトレードにおける空売りデイトレ戦略は、非常に有効な戦略と判断できるでしょう。

3.まとめ システムトレードの空売りデイトレ戦略は有効か?

分析結果を見る限り、システムトレードの空売り戦略は非常に有効な戦略と判断できるでしょう。

空売りデイトレ戦略の分析結果をみると、平均損益が0.12%と少し低いです。
しかし、それを補うほどのトレードチャンスがあります。
毎日トレードチャンスが発生し、小さな利益を積み上げることから、この空売りデイトレ戦略は長期的に大きな利益を上げることができる戦略です。

多くの投資家にとって、デイトレードは、「怖い」「損をする」というイメージがあるでしょう。
しかし、その考え方は、大きな間違いです。

今回の分析結果を見る限り、平均損失は-1.96%となっており、大きな損失を被るリスクは非常に低いです

なぜなら、空売りした株を翌日以降に持ち越すことがないからです。

スイングトレードのように空売りした株を翌日以降に持ち越すと、何らかの株価材料や、不測の事態が起こると、大きな損が出る可能性があります。

しかし、空売りデイトレ戦略は、株を翌日以降に持ち越さないので、そういったリスクは完全に回避することができます。

システムトレードの空売りデイトレ戦略は、非常に有効性の高い戦略であり、ぜひ活用いただきたい戦略の一つです。

ぜひ、システムトレードの「空売りデイトレ」に注目してみてはいかがでしょうか。

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