1.システムトレードにおける空売りデイトレ戦略とは?

今回はシステムトレードにおける「空売りデイトレ戦略」について、取り上げます。

「空売りデイトレ」という言葉を聞いて、どのようなトレードをイメージされるでしょうか?

おそらく、システムトレードに馴染みがない方ですと、一日中パソコンの前に張り付いてトレードしている姿を思い浮かべるでしょう。

実は、一般的に知られている「空売りデイトレ」とシステムトレードの「空売りデイトレ」は全く異なります。共通しているのは、「1日の中で、売り買いを完結させる」という点くらいです。

一般的な「空売りデイトレ」では、「スキャルピング」や「板読み」と呼ばれるみなさんの想像通りのトレードです。板の動きや1分足のチャート等から瞬時に売買を行う手法です。

一方で、システムトレードの「空売りデイトレ」は、「寄り付き」に空売りを仕掛けて、「大引け」に買い戻しを行います。単純に寄り付きに空売りして、引けで買い戻すことから、日中は、相場に張り付く必要はありません。

「デイトレ」という意味では同じですが、2つは全く異なるトレードです。

では、システムトレードにおける「空売りデイトレ」とは、どのような条件でトレードするのでしょうか。「空売りデイトレ」には、さまざまな方法がありますが、今回は、その空売りデイトレの代表的な戦略をご紹介します。

執筆者

西村剛
西村剛

フェアトレード株式会社 代表取締役。機関投資家出身で統計データを重視したシステムトレードに注力。2011年株-1グランドチャンピオン大会で+200.4%、2012年+160.1%、2013年157.0%を叩き出し三連覇達成。証券アナリスト検定会員。システムトレードを使った定量分析と、これまでファンドマネジャーとして培ったファンダメンタルズ分析を融合した新しい視点で株式市場を分析し、初心者でもわかりやすい言葉を使った解説に定評がある。


2.代表的な空売りデイトレ戦略

ⅰ.空売りデイトレ戦略の有効性の検証

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検証対象:東証1部貸借銘柄
検証期間:2000/01/01~2020/05/31
1銘柄当たりの投資金額:20万円

【売り条件】
・平均売買代金(30日)が1,000,000,000円以上(条件式①) かつ
・終値と移動平均(5日)の乖離率が3%以上(条件式②)

上記2つの条件を満たした翌日に、成行売り

【買い条件】
・空売りした当日の大引けに買い戻し

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以上が、代表的な「空売りデイトレ」の例です。

この条件式が意味するのは、短期的に上昇している銘柄(条件式②)を、空売りします。

ただし、売買の対象は、「東証1部貸借銘柄」です。これは、空売りができる銘柄を売買の対象とするためです。さて、この戦略は、どれほどの成果が期待できるでしょうか。

ⅱ.検証結果(空売りデイトレ戦略の有効性)

検証結果は、以下の通りです。

【検証結果】空売りデイトレ

 勝率: 54.53 %

 勝ち数: 73,552 回

 負け数: 61,334 回

 引き分け数: 4,924 回

 合計損益(率): 16,866.53 %  平均損益(率): 0.12 %

 合計利益(率): 137,300.71 %  平均利益(率): 1.87 %

 合計損失(率): -120,434.19 %  平均損失(率): -1.96 %

 プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 1.140

 平均保持日数: 0.01 日

以上が、検証結果です。

3.まとめ 空売りデイトレ戦略は有効か?

検証結果を見てみると、勝率は54.53%、平均損益は0.12%です。勝率55%と高いですが、平均損益は0.12%と若干低めです。

しかし、その分トレード回数がとても多いので、結果として合計損益も大きなプラスとなっています。

この結果を見る限り、この売買ルールは、細かい利益をコツコツと積み上げていくタイプのルールということですね。

デイトレードは、「怖い」「損をする」というイメージがありますが、実際は、利益になりやすいルールと言えます。

この「怖い」や「損をする」というイメージは、「レバレッジ」によって引き起こされていることが多いです。

「レバレッジ」のリスクを考慮して運用を行うことで、空売りで追証となる危険性は格段に減少します。

トレードで成功している人ほど、レバレッジをかけて運用していますが、その人たちの多くは、レバレッジの危険性をとてもよく熟知しています。

そして、レバレッジを上手く使いこなしています。空売りデイトレは、システムトレードではとても有効な戦略と言えます。

それこそ、「逆張り戦略」に匹敵するほど優位性があるルールだと私は思っています。ぜひ、「空売りデイトレ」に注目してみてはいかがでしょうか。

<追伸>
コロナショックで相場が大きく動いている最中ですので、今の株価動向が気になる方も多いかと思います。
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