目次
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1.2022年の大納会と2023年の大発会はいつ?
2022年前半は、ロシアのウクライナ侵攻を機に、原油などの資源価格が急騰し、世界的にインフレが深刻化するなか、多くの国で金融引き締めが行われました。
しかし足元では、米国においてインフレが鎮静化し、過度な利上げ観測と、景気後退懸念が後退しつつあり、2022年末に向けて株価は復調しております。
そのような状況の中、年末年始は東京証券取引所がお休みとなるため、2022年の最終取引日である大納会と2023年の第1営業日である大発会がいつなのか気になる方も多いかと思います。
2022年の大納会は、【12月30日(金)】です。
そして、2023年の大発会は、【1月4日(水)】です。
大納会や大発会を含む年末年始の相場は、多くの個人投資家が長期休みに入っていることから、お祭りムードが漂いやすく、売買が活発になります。
その一方で、機関投資家は休暇中で売買が行われないことから、大納会や大発会の株式市場の動きは非常に独特です。
そして、大発会を始め、新年はめでたいという気持ちが強くなることから、新たな資金で株を買い付けしようという流れが生まれやすいです。2022年末も同様の流れが生まれるでしょう。
実際、株式市場のアノマリーとして、「12月末の大納会に銘柄を買い付けし、大発会に売ると勝ちやすい」というアノマリーが存在します。
大納会直前の12月後半は、機関投資家が休業日に入ることから、12月前半は例年持っているポジションを整理する動きが出ます。
また、個人投資家も節税対策で売りを出しやすく、12月前半は比較的株式市場は軟調に推移する傾向があります。
一方で、大納会から大発会の年末年始は、それらの投資家が、ポジションの買戻しや 新たな銘柄へ資金を入れるために、上がりやすい傾向があると言われています。
これが、大納会や大発会の相場は、株価が上がりやすいといわれる理由です。
確かに、文字だけ見ると、理屈が通っていると言えそうですね。
この大納会と大発会の傾向が本当ならば、2022年末もそれを利用しない手はありません。
今回は過去の株価のデータ22年分を使って、「大納会と大発会の傾向」について、詳しく分析してみました。
2.直近の大納会と大発会を振り返る
株価データを活用して「大納会と大発会の傾向」について分析を行う前に、過去2年間の大納会と大発会を振り返って2022年末のトレードに活かしましょう。
【2020年大納会と2021年大発会】
上記は、日経平均株価の2020年大納会と2021年大発会のチャートです。
上記を確認すると、こちらは、大納会の終値と大発会の始値を比較すると、株価が上昇していることが確認できます。
コロナショック以降、目立った悪材料もなかったこともあり、相場全体が上昇トレンドを形成していました。
大納会や大発会を含む年末年始もその流れが続きました。
では、次に2021年大納会と2022年大発会のチャートを確認しましょう。
上記は、日経平均株価の2021年大納会と2022年大発会のチャートです。
上記を確認すると、こちらも、大納会の終値と大発会の始値を比較すると、株価が上昇していることが確認できます。
2022年を明け、米国ではNYダウやナスダック総合が過去最高値を更新するなか、日本株も高値を維持しておりました。
過去2年間の大納会と大発会の株価の状況を確認すると、「2020年大納会と2021年大発会」及び、「2021年大納会と2022年大発会」では、株価が上昇しています。
冒頭では、大納会から大発会にかけては、株価が上がりやすいアノマリーがあると言われているとお伝えしました。
しかし、直近2年間のチャート分析だけでは、世間一般に言われているアノマリーが本当に正しいのかははっきりしませんね。
そこで、今回は過去の株価のデータ22年分を使って、「大納会の引け買い、大発会の寄り売りは有効か?」について、詳しく分析してみましょう。
3.大納会の引け買い、大発会の寄り売りは有効か?
ここでは、「大納会の引け買い、大発会の寄り売りは有効か?」について、過去22年過分の株価データを活用して、分析してみましょう。
大納会の引け買い、大発会の寄り売りが有効な戦略かどうかを分析するために、今回は、以下の内容で分析してみました。
ⅰ.ルール詳細(大納会の引け買い、大発会の寄り売りが有効か?)
上記の条件で、どのような成績になるかを分析しました。
「買い条件」は、大納会がある、12月27日、28日、29日、30日のいずれかで仕掛けるように設定しました。
そして、「売り条件」は、大発会(年始の第1営業日)の寄り付きに手仕舞いする設定にしました。
このように設定することで、大納会の引け買い、大発会の寄り売りの傾向を掴むことが出来るでしょう。
仮に、勝率が50%以上で、損益がプラスならば、大納会の引け買い、大発会の寄り売りは買いのチャンスと判断できます。
反対に、損益がマイナスであるならば、大納会の引け買い、大発会の寄り売りは空売りのチャンス言えるでしょう。
では、上記の条件で過去の株価データでトレードした場合に、どのような分析結果になるでしょうか。分析結果は以下をご覧下さい。
ⅱ.分析結果(大納会の引け買い、大発会の寄り売りが有効か?)
上記が、大納会の引け買い、大発会の寄り売りの分析結果です。
(なお、本検証は【システムトレードの達人】(無料版)を使って検証しております。)
分析結果を見てみると、勝率は66.71%、平均損益は1.50%となっています。
勝率は6割を超え、平均損益はプラスです。
以上の結果から、大納会の引け買い、大発会の寄り売りは、有効な戦略と判断できるでしょう。
なお、一点だけ、「大納会の引け買い、大発会の寄り売り」戦略には、戦略を活用する場合の注意点があります。
それは、年によっては、大納会で買い付けしたほぼすべての銘柄が負けてしまう恐れがあることです。
以下に、2000年から2022年までの、各年度の大納会の引け買い、大発会の寄り売りの成績をまとめた表を記載します。以下をご覧下さい。
【年別成績~大納会の引け買い、大発会の寄り売り~】
上記の表を確認すると、勝っている年の勝率や平均損益と、負けている年のそれでは大きな開きがあることが確認できます。2021年末ー2022年始の成績は好調でした。
勝つ年は、勝率が7割を超えており、大納会で買い付けしたほぼすべての銘柄が利益で手仕舞い出来ています。
しかし、負ける年だと、勝率は40%を下回る年もあり、大納会で買い付けした銘柄の大半が損失で終了することもあるようです。
過去、大納会の引け買い、大発会の寄り売りで負けた年は、2001年、2008年、2015年、2020年の4回です。
22年間の検証のうち負けた年はたった4回ですので、この「大納会の引け買い、大発会の寄り売り」戦略がいかに有効な戦略であるかは一目瞭然です。
しかし、22年のうち4回(確率約20%)で大納会の引け買い、大発会の寄り売り戦略で負ける年があることについては、あらかじめ注意が必要でしょう。
ただし、それを差し引いても、勝率が高く、平均損益もプラスである「大納会の引け買い、大発会の寄り売り」戦略は、2022年以降も統計的に有効な戦略と言えるでしょう。
4.2022年の最終取引日である大納会の取引時間は?
2022年の大納会も、取引時間は通常通りとなります。
前場:午前9時~午前11時30分
後場:午後12時30分~午後15時
ちなみに、2008年までの大納会は取引時間が異なりました。
いわゆる、半日立ち会いというもので、大納会の日は、午前中のみ取引が行われていました。
その後、2009年より2022年に至るまで、大納会であっても通常日と同じ取引時間になりました。
5.まとめ 「大納会の引け買い、大発会の寄り売り」戦略は有効か?
22年の株価のデータを使って分析した結果、大納会の引け買い、大発会の寄り売りは有効な戦略であると判断できるでしょう。
大納会でめぼしい銘柄を買い付けしておき、大発会で手仕舞いする戦略はぜひ活用したい戦略でしょう。
大納会と大発会の時期は多くの個人投資家が休暇に入り、いつも以上に活発にトレードが行われるお祭り相場です。
2022年末も、この大納会の引け買い、大発会の寄り売り戦略を活用すれば、新年一発目でよいスタートダッシュを切ることができるでしょう。
なお、この戦略の特性上、勝つ年は大勝ち、負ける年は大負けとなる傾向が強いです。
勝つ年の割合が圧倒的に高いものの、過度な信頼はリスクが高いと言えます。
「大納会の引け買い、大発会の寄り売り」戦略を活用する場合には、運用資金の一部だけ回して適切なリスクコントロールをしてください。
また、年末の取引では、受渡日に注意が必要です。証券会社の信用取引を使っている場合、年内に株を売却しても、受渡日が翌年となって、金利手数料が多く取られる可能性があることも注意しておきましょう。
ぜひ、今回の大納会の引け買い、大発会の寄り売りの分析を活用いただき、2022年を締めくくるあなたのトレードに役立ててみてはいかがでしょうか
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