Pocket




今回は、「ストップ高銘柄の売買の有効性」についてシステムトレード的な観点から検証していきたいと思います。

銘柄探しをしていると、「ストップ高」して大きく上昇している銘柄を見かけます。ストップ高をしているだけあって、大きな資金が流入しています。

ストップ高をしている銘柄は、「上方修正の発表」や「業績拡大が大きく期待できる材料」が出ている銘柄が多く、魅力的に映りますよね。

システムトレードに注力している私でも、目移りする銘柄ばかりです。
では、ストップ高をした銘柄を後追いしたら、利益が出るのでしょうか?

ストップ高している銘柄は、強烈に資金が流入していることから、ストップ高した後でも十分に上昇のうまみを得られそうです。
そこで、今回は、「ストップ高した銘柄に注目する戦略は有効か」を検証していきたいと思います。

では、さっそく検証条件を確認していきましょう。

この記事を書いた人

田村 祐一
田村 祐一

フェアトレード株式会社所属。調査本部アナリスト。統計データを重視したシステムトレードとファンダメンタルを組み合わせて銘柄分析を行う。株主優待先回り買い等の「イベント投資」にも注力。



検証条件は、以下の通りです。
===========================================
検証対象:全銘柄
検証期間:1990/03/01~2014/07/31
1銘柄当たりの投資金額:20万円

【買い条件】
・ストップ高をした銘柄を、翌日に成行買い

【売り条件】
・含み益が10%以上 もしくは、
・含み損が10%以上

上記2つの条件のどちらかをみたしたら、その当日の大引けに成行売り(手仕舞い)
===========================================

上記が、今回の検証条件です。

単純に、ストップ高をした銘柄を、翌日の寄り付きに成行買いします。そして、含み益が10%出るか、含み損が10%以上となったら、その日の大引けに手仕舞いします。

仮に、勝率が高く、1トレードあたりの平均損益がプラスならば、「ストップ高した銘柄を買い付けする戦略」は統計的に有効な戦略と言えるでしょう。

では、上記条件で検証した場合に、どのような検証結果になるでしょうか。

【検証結果】ストップ高
ストップ高
勝率: 38.70 %
勝ち数: 12,489 回
負け数: 19,781 回
引き分け数: 18 回

平均損益(円): -4,941 円  平均損益(率): -2.47 %
平均利益(円): 30,748 円  平均利益(率): 15.37 %
平均損失(円): -27,479 円  平均損失(率): -13.74 %

合計損益(円): -159,541,299 円  合計損益(率): -79,772.36 %
合計利益(円): 384,017,396 円  合計利益(率): 192,011.58 %
合計損失(円): -543,558,695 円  合計損失(率): -271,783.94 %

プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 0.706
平均保持日数: 10.20 日

以上が、検証結果です。検証結果を見てみると、
勝率は38.70%、平均損益は-2.47%です。

勝率は4割を切り、平均損益も大きなマイナスとなっていることから、
「ストップ高した銘柄を後追いする戦略」は有効ではないと判断できるでしょう。

ストップ高した銘柄は、大きく株価上昇した反動で、利益確定売りが出やすくなります。また、投資家の注目が集まることから、株価は乱高下します。

その結果、とてもリスクが高いトレードになってしまうのです。
システムトレード的な観点から見ると、「ストップ高した銘柄には手を触れない」というのが正解と言えるでしょう。

■追伸

裁量トレードをされている方の中には、天才的な感性を持ち、こういった銘柄で大きな利益を上げている人もいます。

しかし、そのような人は5万人に1人いればいいほどです。

よって、「ストップ高」銘柄の後追い買いは極力避けたほうが良いでしょう。

特に、株式投資初心者の方は、絶対にやめたほうが良いでしょう。
それは、売り時がとても難しいからです。

仮に一時的に含み益が出ていたとしても、少しタイミングがずれると一瞬にして株価が急落します。それは正に『崖』といっても過言ではありません。

そうなってしまったら、よっぽど出ない限りは、株価は戻ってきません。
その後は、あなたの想像通りかもしれませんが、「塩漬け」です。

株式投資初心者の方の多くが、この「ストップ高」銘柄によって退場します。

それは、「飛んで火に入る夏の虫」のようです。

「ストップ高」銘柄は一見儲かりそうな気がしますが、まやかしです。
とてもリスクが高いことについては、十分に把握したほうが良いですね。

<追伸>
コロナショックで相場が大きく動いている最中ですので、今の株価動向が気になる方も多いかと思います。
下記リンクのメルマガを中心に情報を更新していく予定です。
無料ですのでぜひご登録いただけるとありがたいです

西村剛の投資戦略メルマガ【無料】